カテゴリー「環境」の25件の記事

2021年9月16日 (木)

オゾン層保護のための国際デー(9月16日)

 1785年、オランダの化学者マルティン・ファン・マルムは水面上で放電の実験を行ったていたところ異臭が発生することに気がつきました。これがオゾンの最初の発見ですが、マルム自身は異臭の原因がオゾンによるものとは気がつきませんでした。

 1828年頃、スイスの化学者クリスチアン・シェーンバインはマルムが発見した異臭に改めて気がつき、この臭気が落雷の時にも発生することから、原因となる物質は大気から生じると考えました。そして、この物質をギリシア語で「臭ぐ」を意味するὄζειν に因んでオゾン(Ozon) と名付けました。シェーンバインは1839年にオゾンの匂いが白リンをゆっくりと酸化させたときに発生する匂いに似ていることを突き止め、オゾンが酸素から成る物質であることを突き止めました。オゾンが酸素原子3つが結合した物質であることを明らかにしたのはスイスの化学者ジャック・ソレです。

 1879年、フランスの物理学者マリー・アルフレッド・コルニュは300 nmより短い紫外線が地表に届いていないことを確認し、大気が短波長の紫外線を遮蔽していることを発見しました。1881年、アイルランドの化学者ウォルター・ハートレイはオゾンが短波長の紫外線を吸収することを発見し、コルニュが発見した大気の紫外線遮蔽の原因物質はオゾンの可能性があることを報告しました。1913年にレイリー卿ことジョン・ウィリアム・ストラットが大気の下層では紫外線の吸収が発生しないことを確かめ、紫外線遮蔽の原因物質が大気の上層に存在することが示唆されました。同年フランスの物理学者シャルル・ファブリとアンリ・ビュイソンが大気上層に存在するオゾンが吸収する紫外線が太陽光の紫外線と一致することを確かめオゾン層を発見しました。1920年にイギリスの物理学者ゴードン・ドブソンがオゾン層の存在を証明しました。

 オゾンは大気の上層部で生成と分解を繰り返していますが、生成と分解のバランスが取れている限りオゾン層は保たれます。しかしながら、近年、クーラーや冷蔵庫に用いられる冷媒や半導体部品の洗浄剤に含まれるフロンや多くの化学物質に含まれる塩素が大気中に排出され、オゾンを分解していることがわかりました。

 ・オゾン層からオゾンが落ちてこない理由(オゾンの生成と分解のプロセス)

 オゾン層が破壊されると有害な紫外線が地表に届くことになります。1985年に南極のオゾン層が減少する論文が報告されると、オゾン層の保護が国際的な課題となり、同年3月22日にオゾン層の保護のためのウィーン条約が採択されました。

南極のオゾンホール
南極のオゾンホール
Image from NASA  showing a map of a hole in the ozone layer over Antarctica on Oct. 20, 2019.

 1987年9月16日に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択され1999年までにフロンガスなどオゾン層破壊の原因となる物質の消費量を半減することが決定され、日本をはじめ24カ国が調印しました。1994年の国際連合総会でこの日を「国際オゾンデー」とすることが決議されました。 

Unusual Winds Drive a Small 2019 Ozone Hole

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2020年10月 8日 (木)

世界の人口と地球の表面積|1人あたりの面積は?

 いまや世界の人口は77億人にもなりました。

 地球の表面積はどれぐらいかというと510,065,600平方キロメートルです。このうち、海洋の面積が362,822,000キロ平方メートルで、陸地の面積は147,244,000平方キロメートルです。

 地球の陸地には人が暮らせないところもありますから、本当はもっと狭い値になるはずですが、約1億5000平方キロメートルとします。これは正方形で考えると、その1辺が約1万2,250キロメートルになります。この値は地球の直径1万2,472キロメートルよりやや小さい値ですが、地球の円がちょうど入る正方形と考えても良いでしょう。

 陸地の面積を人口で割り算してみると

1人あたりの面積=1億5000平方キロメートル/77億人

 =0.0195平方キロメートル

 正方形で考えると、その1辺が約0.14キロメートルなります。140メートル四方に1人です。

 陸地全体の面積の正方形の1辺が12,250キロメートルでしたから、

12,250/0.14=87,500

で、その正方形の一辺には8,8000人しか並べないことになります。人口が多いところ、少ないところもありますが、ならすと、これぐらいの密度ということになります。

 日本は人口減少といいますが、現在の問題は人口減少そのものではなく、少子化といわれているように、各年齢層の人口のバランスが崩れていることです。人口が減りすぎるのはまずいでしょうが、未来の子孫にとっては人口が今より減るのは決して悪いことではないように思います

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2014年5月21日 (水)

家畜のゲップが地球温暖化の原因??

 家畜が地球温暖化の原因?まさかと考える人も多いと思いますが、どうやら、家畜が地球温暖化のひとつの原因になっているは間違いないようです。

P1010123

 家畜が地球温暖化の原因とされているのは、家畜が出すメタンガスに原因があるためです。メタンガスは二酸化炭素の約25倍の温室効果をもつ代表的な温室効果ガスで、地球温暖化防止のうえで規制の対象になっている物質です。

 家畜によるメタンの発生源のひとつに糞があります。家畜の糞から発生するメタンの量を理論的に計算すると、世界で年間数千万トンにもなります。しかし、多くの家畜は野外で放し飼いであり、糞も乾燥してしまうため、計算値の1パーセントほどのメタンしか発生しないだろうと考えられています。通常の自然の状態では、全体としては家畜の糞が地球温暖化につながるとは言えないようです。

 家畜によるメタンの発生源として無視できないのは、牛や羊などの反すう動物がするゲップだといいますから驚きです。全世界で飼われている牛や羊の頭数から計算すると、実に年間1億トンに近いメタンが吐き出されていることになります。この数値は世界のメタンの年間全排出量(五億トン)の20パーセントにもなる数字ですから馬鹿になりません。

 どうして、反すう動物のゲップにメタンがたくさん含まれているのでしょうか。牛を例にして考えてみましょう。牛は四つの胃を持ちますが、本当の胃は四番目の胃だけです。最初の三つの胃は食道が変化したもので、胃液で食べ物を消化する働きはありません。一番目の胃には、微生物が多数生息し、飼料を分解・発酵しています。牛は、ここで分解・発酵している食べ物を口に戻して混ぜ合わせ、再び胃の中へ返します。まるで攪拌装置つきの発酵タンクのような仕組みなのですが、この発酵にともなって水素が発生します。多くの微生物は水素で働きが弱るのですが、この発酵タンクの中には、水素をメタンに変える働きを持つメタン菌という細菌が住んでいます。メタン菌は、食べ物を発酵させるだけでなく、水素から他の微生物を守り、同時に多量のメタンを作り出します。このメタンがゲップに含まれて出てくることになり、かくして家畜のゲップが地球温暖化の原因となっているわけです。

 反すう動物のゲップによる地球温暖化を防ぐために、いろいろな方法が考えられています。最初に考えられたのはメタン菌を抗生物質で殺すという方法です。この方法では、メタンの発生は抑えらたものの、発酵で生じた水素で微生物が死滅し、消化不良が起き、糞からのメタン発生量が増えてしまいました。次に考えられたのが発生する水素を減らす方法です。飼料に酸を加えると、発生した水素が酸と反応して無害化し、メタン菌はメタンを作れなくなります。また、飼料に植物油などに含まれる不飽和脂肪酸を加えると、水素と結合して、同様にメタンの発生量を抑えることができます。これらの方法は牛の消化にも影響がなく、有力な手段として研究が進められています。

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2014年1月22日 (水)

ノロウイルスによる食中毒は最近になって増えたのか

■ウイルス性食中毒は古くて新しい食中毒

 食中毒とは、自然の毒物、化学物質、病原性の細菌などが混入した食品を食べることによって、中毒症状や急性の感染症を引き起こすことです。

 食中毒には様々な種類がありますが、ノロウイルスやロタウイルスなど、ウイルスが原因のものをウイルス性食中毒といいます。

 最近になって、ノロウイルスによる食中毒の事故のニュースが増えている印象があります。例えば、厚生労働省の食中毒事件一覧速報 2013年の食中毒の発生件数は1100件、そのうち細菌性のものが419件、ウイルス性のものが432件(ノロウイルスが416件)でした。一方、2000年の食中毒の発生件数は2247件、そのうち細菌性のものが1783件、ウイルス性のものが247件(小型球形ウイルスが245件)でした。

 実際のところはウイルスが原因の食中毒は古くからあったはずですが、厚生労働省がウイルスを食中毒の原因物質と認定したのが1997年であったこととも関係します。1997年以前は、ウイルス性食中毒は原因不明の食中毒として扱われました。

 ですから、厚生労働省の食中毒事件一覧速報の統計資料では、ウイルス性食中毒の発生件数が記載されたのは1998年からです。1997年にはウイルス性食中毒の発生件数は記載されていません。ウイルスが食中毒の原因として認定されていなかったからです。

 このようにウイルス性食中毒は古くて新しい食中毒なのです。

■ノロウイルスによる食中毒が増えている理由は

 ノロウイルスは1968年に米国のオハイオ州ノーウォークの小学校で発生した集団食中毒で初めて発見されました。このとき、発見されたウイルスはノーウォークウイルスと名付けられました。

 1972年に電子顕微鏡でノーウォークウイルスの構造が明らかになり、ウイルスの形状から小型球ウイルスと名付けられました。それ以降、このウイルスとよく似たウイルスを原因とした食中毒事故が各地で報告されるようになり、総称としてノーウォーク様ウイルス、小型球形ウイルスと呼ばれるようになりました。

Norovirus

  1990年に小型球形ウイルスの遺伝子の解析が行われ、カリシウイルス科の属に分類できることが判明しました。2002年の国際ウイルス命名委員会の提言と、パリで開催された第12回国際ウイルス学会において、ノーウォーク様ウイルスはノロウイルスと命名されました。つまり、ノロウイルスという言葉が初めて使われたのは2002年のことです。

 また、最近になって、ノロウイルスを簡易に発見する方法が確立され、2007年から検査が行われるようになりました。2012年には3歳以下の乳幼児と65歳以上の老人に保険が適用されるようになり、普通の病院でも検査を受けることができるようになっています(対象外の人の検査は保険適用外で自費になります)。このような背景から、食中毒事故が発生した際に、ノロウイルスが発見されやすくなっています。

ひと昔前は、今年の風邪はお腹にくるなどという言い方があったように思います。発熱、嘔吐、下痢などを伴う風邪は、ノロウイルスだった可能性も否定できません。

ノロウイルスによる食中毒は最近になって増えたような印象があるのは

  • ウイルス性食中毒が古くて新しい食中毒だったこと
  • ノロウイルスという言葉が使われ始めたのは2002年だったこと
  • ノロウイルスの簡易検査が行われるようになり、発見されやすくなったこと

などを理由として挙げることができるでしょう。

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2013年7月30日 (火)

合成洗剤のソフト化とは ABSからLASへ

 昭和30年代に入り電気洗濯機が普及し始めると、合成洗剤の需要が急激に伸び始めました。この頃、合成洗剤は高級アルコール系洗剤が主流でしたが、石油系合成洗剤のABS(側鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)の性能が認められるようになると、ABSが合成洗剤の主流になりました。

 また、この頃から台所用洗剤など洗濯以外の目的に使われる合成洗剤が登場したこともあって、合成洗剤の消費量はさらに増加しました。ABSは洗浄力が高く、泡立ちが良いことが消費者の好みに合致したこともあって、合成洗剤として不動の地位を占めました。

 ところが、この消費者にとって大人気のABSの消費量の増大は、皮肉にも消費者の生活を脅かす環境問題を引き起こすことになりました。昭和35/36年頃から、河川での洗剤の発泡が目立つようになり、時間が経過しても泡が消えないということが社会問題となりました。

 当時は家庭排水を直接河川などへ流す場合が多く、ABSが排水中に泡だって長時間滞留し河川や湖沼の水質汚濁や地下水の汚染問題を引き起こしたのです。また活性汚泥法といって微生物の力を借りて排水処理を行う下水処理設備をもってしても対処できないことが分かりました。

 この問題はアメリカを始めとする先進諸国でも発生し、その原因究明が行われました。調査の結果、アルキル基が枝分かれした構造をもつABSが化学的にも生物学的にも極めて安定な物質であり、分解しにくい物質であることが分かりました。すなわち、ABSが排水中で分解されることなく河川などに長時間滞留してしまうことや、下水処理場で微生物による分解ができないことの原因が明らかになったのです。

 ABSが環境問題を引き起こすことが分かると、ABSに替わる合成洗剤の開発が進められました。その結果、アルキル基が枝分かれしていないLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)が合成洗剤として使われるようになりました。LASは生分解性が良く、下水処理場での微生物による分解ができる合成洗剤としてABSに置き換えられました。

 この生分解性の良い合成洗剤をソフト型、ABSのように生分解性の悪い合成洗剤をハード型と呼び、ハード型の合成洗剤からソフト型の合成洗剤に転換していくことを、合成洗剤のソフト化と言います。日本では昭和四十年頃から合成洗剤のソフト化が進められ、その数年後にはほとんどの合成洗剤がソフト型になりました。現在はJISの規定から生分解性の良い合成洗剤しか使うことができずABSは使用されていません。LASよりもさらに生分解性の良い合成洗剤も使われています。

 さて、合成洗剤のソフト化により環境汚染の問題が解決できたと言えるでしょうか。ソフト型洗剤は生分解性が高いのは事実ですが、その分解には下水処理場での微生物分解が必要です。従って排水を直接河川に流している場合には、ソフト型合成洗剤でも環境問題を引き起こします。

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2013年7月 3日 (水)

合成洗剤は手あれの原因になるのか?

 合成洗剤が普及し始めた昭和30年頃から、手あれになる女性の数が増えました。男性の数はそれほど変わらないのに、女性の数だけが増えたのです。この傾向は合成洗剤の影響によるものと考えられました。当時、家庭の炊事や洗濯などの水仕事は主に女性が行う仕事であったため、女性だけの症例が増えたというのがその裏づけにもなったわけです。以来、合成洗剤が手あれの原因になるという指摘が多く見られるようになりました。

 合成洗剤は本当に手あれの原因になるのでしょうか?一般的な感覚として、石けんは問題ないが合成洗剤では手あれになりやすいと考えている人もいると思います。しかし、実際には石けんも合成洗剤も手あれの原因となります。

 健康な皮膚は皮膚表面の皮脂腺から分泌される脂質と汗腺から出る汗が混ざりあってできた皮脂膜で覆われています。皮脂膜は言わば天然の保護クリームのようなもので皮膚を外界から守る働きをしています。

 石けんや合成洗剤は脱水作用、角質変性作用、洗浄作用を持っていますが、これらの作用が皮脂膜に影響を及ぼします。

 脱水作用は皮膚表面の角質を乾燥させ肌荒れを起こす原因となります。

 角質変性作用は皮膚のたんぱく質の角質を変化させます。その結果、皮膚表面の酸性が失われ皮膚の抵抗力が低下します。抵抗力が低下すると皮膚表面で微生物や細菌などが繁殖することになり皮膚炎を起こす原因となります。

 洗浄作用は皮膚表面の脂肪を取り除いてしまいます。脂肪が取り除かれると、外界の有害な物質や病原体などに皮膚表面が何らの防御もなくさらされることになり、皮膚炎を起こす原因となります。

 以上のような状態になると、様々な原因による皮膚炎が起こる可能性が出てきます。石けんや合成洗剤そのもので皮膚炎が起きなくても、別の物質で皮膚炎が起きてしまう状況になりやすくもなるわけです。

 これらの石けんや合成洗剤の作用は個人差があります。手あれになりやすい人は石けんや合成洗剤を使わなくても、お湯だけで手あれになる場合もあります。また石けんや合成洗剤の種類や使用時間によっても差が出てきます。例えば、綺麗好きな人の中には、手や体を何度も洗う人がいますが、洗いすぎると上述の作用でせっかくの自然の皮膚の防御機能が失われ肌荒れや皮膚炎の原因となりますので注意が必要です。

 合成洗剤と皮膚疾患の関係については皮膚疾患の種類によって色々と議論が分かれ簡単に結論を出すことができないのが実情です。それは皮膚疾患が単に合成洗剤が原因物質となって生じるのではなく、体質や使用環境など様々な原因が重なって生じてくるからです。

 合成洗剤が手あれの原因になるの?という質問対して、ここでは総合的に考えてイエスと答えておきましょう。しかし、同時に合成洗剤そのものが手あれの原因物質になるとは言えない面があるという認識を持つことも重要です。合成洗剤だから絶対に手あれになると短絡的に考えるのは正しい判断とは言えません。そして、これは石けんも同じことです。

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2012年12月31日 (月)

燃えるごみと燃えないごみの違い

 ごみを捨てるときに、燃えるごみと、燃えないごみを分別します。しかし、よく考えてみると、何が可燃ごみで、何が不燃ごみなのかで悩むこともあるのではないでしょうか。一見すると燃えそうなものでも、不燃ごみとして扱わなければならないものもあるでしょう。

 また、引っ越しをした人の中には、以前住んでいた地域では可燃ごみで出せたものが引越し先の地域では不燃ごみとなったなどの経験した人もいるかもしれません。

 可燃ごみと不燃ごみの違いはどこにあるのでしょうか。

 ごみの処理は一般的に可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、有害ごみ、資源ごみなどに分けられます。可燃ごみは焼却場で焼却され、焼却残渣がごみの最終処分場に埋め立てられます。不燃ごみは焼却せずにそのまま埋め立てられます。粗大ごみは、焼却されるか、埋め立てられるのか、再利用されるのかは、粗大ごみの種類によって違ってきます。有害ごみは特別な処理をしてから埋め立てらます。資源ごみは再生可能な資源として回収され再利用されますが、再生できないごみは焼却されるか、そのまま埋め立てられることになります。多くの地方自治体はこのような形でごみの処理を行っています。

 各地方自治体が配布しているごみの分別表には、いろいろなごみの例が出ていて、可燃ごみと不燃ごみの区別も記載されています。しかし、個別のごみについて地域で比較してみると、同じものなのに区別が違うものがあります。

 例えば、スーパーやコンビニのレジ袋は地域によって可燃ごみや不燃ごみに分類されていたりします。レジ袋はポリエチレンという炭素原子と水素原子からなるプラスチックです。燃やしても二酸化炭素と水が発生するだけで、有害ガスが出るわけではありません。ですから、可燃ごみとして処理しでも良さそうですが、プラスチックは燃焼に伴う発熱量が高いため、そう簡単にはいきません。

 最近、建設されている焼却炉は高温にも耐えるように設計されていますが、古い炉は炉内の温度が高くなりすぎると炉が傷みます。古い炉を持っている地方自治体では、レジ袋を燃やすことができないため、不燃ごみに分類することになります。

 新しい炉を持っている地方自治体の中には、最終処分場の埋め立て残り容量を節約するために、レジ袋などはのプラスチックフィルムは、住民が不燃ごみとして出しても助燃剤として焼却しているところもあるようです。

 このように、地方自治体の事情によって、ごみ処理の方法が違ってくるのは決してめずらしいことではありません。

 同じプラスチックでも全国共通で不燃ごみで処理されるものもあります。例えば、塩ビ(ポリ塩化ビニル樹脂)は不燃ごみとして処理されています。塩ビは塩素を含んでおり、焼却すると塩化水素が発生します。塩化水素は有害物質であり、酸性が強いため炉を腐食する原因にもなります。また、ダイオキシン類の発生の原因になるとも考えられています。このような背景から、塩ビは不燃ごみとして扱われています。

 可燃ごみ、不燃ごみというのは、燃やしても良いごみと燃やしてはいけないごみと考えた方がわかりやすでしょう。

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2012年2月 8日 (水)

オゾン層からオゾンが落ちてこない理由

■大気中の重い気体は落ちてくるのか

 オゾンは原子量が16の酸素原子3つからなる分子なので分子量は48です。一方、空気の平均分子量はおよそ29ですから、オゾンと空気を比べるとオゾンの方が重たいことになります。

 空気の主成分は窒素と酸素ですが、空気には空気の平均分子量より重たい気体もたくさん含まれています。例えば、二酸化炭素は分子量が44で空気の平均分子量より重い気体です。ですから、ボンベなどから二酸化炭素の気体をゆっくりと空気中に放出すると、二酸化炭素は下の方にたまります。

 自然界において、二酸化炭素の発生源の多くは地表付近にあります。ですから、発生した二酸化炭素のほとんどが地表付近にたまりそうです。しかし、空気は対流しているため、二酸化炭素はすぐに拡散して空気と一様に混ざってしまいます。ですから、二酸化炭素は下に落ちてきません。

 しかし、大気全体で考えると、二酸化炭素が空気中の他の気体よりも重い効果が出ています。大気中の二酸化炭素の濃度を高度ごとに調べてみると、どの高度でも二酸化炭素は大気中に一様に混ざっていますが、高度が高くなるほど、二酸化炭素の割合がだんだん少なくなります。これは二酸化炭素が他の気体に比べて重いためです。

■オゾンが落ちてこない理由

 オゾンの分子量も空気の平均分子量よりも大きいので、二酸化炭素と同様な理由で落ちてきません。しかし、大気中のオゾンの濃度を高度ごとに調べてみると、オゾンは成層圏の高度10~25 kmに最も多く存在し、それよりも上層や下層の高度では少なくなります。これは二酸化炭素の分布とは明らかに異なります。

 実はオゾンの場合は重さだけに着目すると、オゾンが大気中にそのように分布する理由が見えてきません。

 そのような分布になるのは、オゾンが成層圏の上部で生成し、下部で分解しているからです。

 成層圏の上部では、酸素分子が波長240 nm以下の紫外線で酸素原子となります(1)。その酸素原子が酸素分子と反応し、オゾンとなります(2)。Mは反応で生じるエネルギーを受け取る物質です。一般には大気中の窒素分子や酸素分子がその役割をします。

オゾンの生成
  •  + hν → O + O      (1)
  • O+ O + M → O + M  (2)

 生成したオゾンは重たいので成層圏の下の方へ落ちていくことになりますが、成層圏の下部では、オゾンが波長320
nm以下の紫外線で酸素原子と酸素分子となります(3)。そして、生成した酸素原子がオゾンと反応し、酸素分子となります(4)。

オゾンの分解

  • O3 + hν → O + O2   (3)
  • O + O3 → 2O2        (4)

 このように、オゾンは成層圏の上部で生成されますが、成層圏の下部で分解して酸素になります。

 オゾン層はオゾンがたくさん存在していると同時に、オゾンが生成・分解しているところです。ですから、成層圏にあるオゾンは地表に落ちてきません。

Mechanism of Ozone Formation and Ultraviolet Absorption

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2012年2月 7日 (火)

A is for ATOM

 1952年にアメリカの電力会社ゼネラル・エレクトリック(GE)社が原子力発電推進のために製作した広報映像です。A is for ATOMは、すべては原子力から始まるという意味です。

A Is For Atom (1952)

 映像は原子爆弾のキノコ雲から始まり、原子の時代が始まったと。そして、またキノコ雲が出てきて、この力を理解する時が来たと。キノコ雲が原子力がみなぎる巨人になります。

 そして、物質が原子からできていること、ドクター・アトムによる原子の構造の説明が始まり、やがて核分裂の説明となります。

 そして、巨人が世界中に送電線を張り巡らせていくという展開になっています。

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2011年8月13日 (土)

ゼロエミッション

循環型社会を進める一つの考え方として、ゼロ・エミッションがあります。

ゼロ・エミッションは1994年に日本の国連大学が提唱したもので、産業活動で排出されるエミッション(排出物)をゼロにしようという構想です。その基本的な考え方は「自然界には廃棄物はない」という自然界における物質循環の仕組みに基づいています。

ゼロ・エミッションは、一つの企業の取り組みだけだけでは実現できません。たとえばA社の廃棄物をB社が原料として使い、B社の廃棄物はC社が原料として使うなど、異なる産業分野の複数の企業が廃棄物を連携して再資源化するような産業の仕組みを作り上げていく必要があります。

ゼロ・エミッションを実現するためには、社会全体で資源を循環させる必要があります。そのためには、環境汚染しない工場を作らなければなりません。また、製品を生産するとき
に出てくる廃棄物を減らすだけでなく、その製品が消費者の手に渡った後に、消費されたり、廃棄されたりするときことも配慮して、もの作りや流通の仕組みを見直すことが必要です。

今まで通り、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会を続け、「廃棄物が出るのはあたりま
え、廃棄物の処理をどうするのか」という発想を続ける限り、地球環境問題は解決しません。私たち人類はかけがいのない地球への負荷をできる限り減らし、持続的に発展する循環型社会の実現をめざす必要があるのです。

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