カテゴリー「植物」の93件の記事

2021年11月13日 (土)

うるしの日(11月13日)

 漆は人類が古くから利用してきた天然樹脂で塗料や接着剤として利用されてきました。漆はウルシノキなどウルシ科の植物から得られ、その主成分はウルシオールといいます。

 日本では5000年以上前の縄文時代の遺跡から、漆を表面に塗り重ねた漆器が出土しています。5000年以上の時を経ても漆器は鮮やかな朱色を保ったままで出土し、漆がきわめて安定性にすぐれた物質であることがわかります。

 漆器をつくるためには、まずウルシノキの幹に傷をつけて樹液を集めます。この作業を漆掻きといいますが、1本の木から得られる樹液の量はわずか150 gほどしかありません。漆の採取は実に根気のいる作業です。

 採取した樹液は樹皮などの異物を除去したのち、撹拌しながら均質にし、水分を蒸発させます。できあがった漆を器に何度も塗り重ね、高温多湿の環境でしばらく乾燥させます。すると漆が固化して安定した物質に変化します。漆は大変すぐれた安定性をもっていますが、採取できる量が少ないうえ加工に手間がかかるため今も昔も大変貴重な天然樹脂なのです。

漆ができるまで(漆掻き→漆濾し→なやし・くろめ→漆塗り)
漆ができるまで(漆掻き→漆濾し→なやし・くろめ→漆塗り)

 さて、轆轤(ろくろ)で椀や盆など木工品を作る職人さんのことを木地師といいますが、轆轤は平安時代の第55代文徳天皇の第一皇子である惟喬親王が考案しましたものです。惟喬親王は皇位を継ぐことができず、9世紀に近江の山間地に隠棲しているときにろくろを考案し伐採や製材に従事していた杣人に木工技術とともに伝えました。このことから惟喬親王は木地師の祖と呼ばれています。

 木地師が製作した木工品に漆職人が漆を塗ると漆器になりますが、漆の製法や漆塗りの技術も惟喬親王に由来しています。惟喬親王が京都嵐山の法輪寺に参籠し満願の日を迎えた11月13日に虚空菩薩から漆の製法や漆塗りの技法を伝授され広めたという伝説があります。1985年、日本漆工協会はこの言い伝えをもとに11月13日を「うるしの日」と制定しました。

【関連記事】

エレクトロン(電気)の語源は植物から?

スコヴィル値とは|ハバネロを超える辛子

うるしの日(11月13日)

人気ブログランキングへ


科学・学び 人気記事 一覧 科学・学びブログ天紹介所

| | | コメント (0)

2021年10月29日 (金)

ウツボカズラ|光合成できるが食虫植物

 ウツボカズラは東南アジアを中心に分布している常緑性の食虫植物です。 蔓植物でつるを伸ばして他の植物について高くまで登ります。

ウツボカズラ
ウツボカズラ

 葉の葉脈の中心が葉先まで延びたところが膨らんで壺のような形をしています。この部分を捕虫器といいますが、ここで虫をつかまえます。 この壺の中には水がたまっていて内壁からは滑りやすい液体が分泌されています。まるで落とし穴のようになっています。

ウツボカズラ
ウツボカズラ

 壺の水には消化液が含まれていて、この中に落ちた虫は溶かされていきます。ウツボカズラはその栄養分を吸収します。 ウツボカズラは緑色植物ですから、栄養は光合成で作ります。しかし、ウツボカズラの住む環境は日陰で光合成がしにくかったり、根から十分な栄養分がとれなかったりします。その不足分を虫の栄養で補うようになりました。生物の進化は面白いですね。

人気ブログランキングへ

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2021年4月16日 (金)

まだ頑張っている「ど根性ザクラ」

 毎年、4月末ぐらいまで花を咲かせている桜の木があります。花を咲かせていると言っても、全体ではすっかり葉桜になっているのですが、日当たりの悪い部分の一輪の桜が毎年遅くまで咲き続けています。雨風にさらされにくいという面もあるのかもしれませんが、今年もしっかり咲いていました。

ど根性ザクラ
ど根性ザクラ

 個人的に頑張って咲き続けている桜を「ど根性ザクラ」と呼んでいます(^^)

 この桜をど根性ザクラと認定したのは2014年4月25日でした (夜明け前「ど根性サクラに認定」)。

 今年は何日ぐらいまで咲き続けるでしょうか。

人気ブログランキングへ

| | | コメント (0)

2021年2月10日 (水)

緑茶・紅茶・ウーロン茶・プーアル茶の違い

 チャノキはツバキの仲間の常緑樹です。チャノキの原産は中国南部ですが、大きく分けると日本や中国で栽培されている高さ約1メートルほどの低木(中国種)と、インドやセイロン(スリランカ)で栽培されている高さ数メートルの高木(アッサム種類)の2種類があります。

茶畑とチャの花
茶畑とチャの花

 緑茶はチャノキの葉を摘み取って、すぐに蒸すか、釜で炒って加熱し、その後、葉を揉みながら乾燥させて作ります。加熱する理由は葉の酸化酵素の活性を失わせて酸化や発酵を止めるためです。揉む理由は、葉の形を整えるのと同時に、葉の組織をほぐして茶の成分を湯に溶けやすくするためです。緑茶は葉に含まれている成分がほぼそのまま残っているため、葉の色が残って緑色となります。緑茶の仲間を「不発酵茶」といいます。

 紅茶は摘み取った葉を加熱せずに放置し、葉を揉みながら発酵させていきます。それを乾燥させると紅茶となります。発酵と言っても菌などによって発酵させるのではなく、葉に含まれる酸化酵素で発酵させます。この発酵は酸化酵素がタンニン(カテキン)を酸化することで起こります。酸化したタンニンからできる物質が葉に含まれているアミノ酸と反応して発酵します。このとき葉の緑色が失われ、紅色の色素がたくさんできて紅茶の色となります。紅茶の仲間を「発酵茶」といいます。

 ウーロン茶はチャノキの葉をある程度酸化発酵させたら、釜で炒って加熱し酸化発酵を止めてしまいます。どのぐらいまで発酵させるかはウーロン茶の種類によって異なりますが、私たちが普段飲んでいるウーロン茶は葉を約30%ぐらい発酵させたものです。ウーロン茶の仲間を「半発酵茶」といいます。

 プーアル茶など中国茶には不発酵茶(緑茶)に菌を加えて発酵させて作るものもあります。紅茶やウーロン茶は葉に含まれる酸化酵素で発酵させますが、プーアル茶は酸化発酵を止めた不発酵茶にコウジカビを加えて半年から数年間かけて発酵させます。このお茶の仲間を「後発酵茶」といいます。

 緑茶、紅茶、ウーロン茶の原料となるチャノキはそれぞれのお茶に適した品種が使われます。チャノキは、産地の気候などによっても品種改良されていますので、細かく分類するとたくさんの種類があります。しかし、お茶の本質的な違いは、チャノキの違いではなく、チャノキの葉の加工方法の違いによるものです。

人気blogランキングへ

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2020年12月16日 (水)

イチョウ並木の紅葉

 12月に入ってめっきり寒くなりました。街路樹のイチョウ並木もすっかり紅葉し、葉を落とし始めています。

イチョウ並木と落葉
イチョウ並木と落葉

 イチョウは早く成長する、病害虫が少ない、排気ガスなどにも強いなど街路樹として優れた性質をもっています。また、枝を落として剪定しても弱ることがなく、街路樹として適切な枝振りに保つことができます。

 イチョウ並木と言えば銀杏ですが、このあたりのイチョウには銀杏がなりません。イチョウの木には雄株と雌株があり、銀杏がなるのは雌株のイチョウだけです。銀杏は臭いがきついため、街路樹としてはに雄株のイチョウの木が植えられていることが多いのです。イチョウの雄株と雌株は見分けるのが難しいため、街路樹には接ぎ木や挿し木で作った雄株のクローンが使われています。

 ところで紅葉と言ってもイチョウの葉は赤く染まることはありません。イチョウのように木々の葉が黄色に染まることを黄葉と言いますが、黄葉を含めて木々の色が秋が深まり色づくことを紅葉と呼んでいます。紅葉が起こる仕組みについて興味のある方はココログ「光と色と」の「木々の葉が黄色や赤色に色付く理由|紅葉の仕組み」をご一読ください。

人気ブログランキングへ

| | | コメント (0)

2020年11月20日 (金)

スコヴィル値とは|ハバネロを超える辛子

 世界で最も激辛と言われている唐辛子ハバネロを頂きました。ハバネロの多くはユカタン半島で栽培されていますが、もともとはアマゾン川流域に広がる盆地が原産と考えらています。ちょっと刻んだものを醤油漬けにしてみましたが、辛い、辛い!

ハバネロ
ハバネロ

 唐辛子の辛さは、米国の化学者、薬剤師のウィルバー・スコヴィルが1912年に考案した「スコヴィル味覚テスト」で求められるスコヴィル値(SHU, Scoville heat units)で表されます。

ウィルバー・スコヴィル
ウィルバー・スコヴィル

 スコヴィル味覚テストは、唐辛子のエキスであるカプサイシンを辛みを感じなくなるまで砂糖水に溶かし、その希釈倍率を求めるものです。つまり、辛みを感じなくなるまでエキスを薄めたときの希釈倍率がスコヴィル値となります。スコヴィル値は、カプサイシンを含まないピーマンを0とし、ハバネロでは30万SHU以上にになります。ハバネロの辛みを消すには、エキスを30万倍希釈する必要があるということです。

Photo_20200622155801
カプサイシンの化学式

 スコヴィル味覚テストは複数の被験者に対して行われますが、人間の味覚による方法のため、カプサイシンの含有量を正しく表しているとは言えません。しかし、スコヴィル値は唐辛子の辛さを表す数値として、非常に長い間使われている値です。そこで、現在は分析機器で測定されたカプサイシンの含有量をスコヴィル値に換算したものが使われています。

 1994年にギネスブックに登録されたハバネロの辛さは57万7,000SHUにもなります。タバスコは5万SHUの唐辛子を熟成して酢を加えたものですが、タバスコソースのスコヴィル値は5000SHU程度です。カイエンペッパーでも10万SHUぐらいですから、ハバネロがいかに辛いのかわかると思います。

 世界一辛い唐辛子はギネスで認定されています。かつてはトリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラーという唐辛子が146万3700SHUででだったのですが、現在はキャロライナ・リーパーという唐辛子が156万9300SHUで世界一となっています。

 実はキャロライナ・リーパーより辛い唐辛子として、ドラゴンズ・ブレスやペッパーXという栽培品種が開発されています。それらのスクヴィル値はそれぞれなんと240万SHUと318万SHUにもなります。

 ペッパーXはキャロライナ・リーパーを開発したエド・カリー氏が2017年に開発したものですが、ギネスに認定されているのはいまだキャロライナ・リーパーのようです。

人気ブログランキングへ

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2020年7月 7日 (火)

ゴーヤーの中身は赤かった

沖縄料理のゴーヤーチャンプルーは美味しいですね。最近では普通の居酒屋さんなどでも出すようになってきました。

ゴーヤーチャンプルーの「チャンプルー」は、琉球語で「混ぜこぜにしたもの」という意味があるそうです。確かにソーメンチャンプルーなども、そんな感じの料理です。この「チャンプルー」という言葉、長崎ちゃんぽんの「ちゃんぽん」と似ていますね。

ゴーヤーというのは沖縄での呼び名ですが、本州では一般的にはニガウリといいます。ツルレイシというウリ科の植物で、原産地はインドです。ウリ科の植物には、いろいろありますが、代表的なのは、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャなどがあります。どれも実の中に種が入っていてます。キュウリは全部食べますが、スイカやメロンは種のまわりの実を食べます。

ゴーヤーもキュウリと同じような感じ?

と思って、真っぷっつに割ってみると、写真の通りです。赤い種のまわりに、白いワタがあります。中身を全部とって、緑色のところを食べてるんですね。

Photo_221

ゴーヤーは熟れてくると、実が黄色くなって、中が真っ赤になります。ちょっとその写真は手元にありませんが、南国の果物という感じがします。

人気blogランキングへ

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年8月26日 (火)

ど根性ザクラ 枝を切られる

毎年4月末ぐらいまで咲いている近所のど根性ザクラです。

Photo

桜の花が散って、葉が満開!になっていましたが、この夏、ばっさりと枝を落とされました。

毎年遅くまで花を咲かせていた上の写真の枝も、もうありません(><)

Photo_2

ど根性ザクラ!

来年は

どうなるなりかっ!

人気ブログランキングへ

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年8月 3日 (日)

柿の木が完全復活

2010年に枝が切り落とされた隣の柿の木です。

Photo

あれから4年半ほど経過しましたが、すっかり枝振りが元に戻っています。というか、枝を落とす前異常に枝振りが良くなっているような気がします。

Photo

柿の実も順調に育っているようです。

Photo_2

今年の柿は豊作のようです。冬になり、柿の実が熟すと、美味しい柿を狙って、たくさんの野鳥がやってくるだろうと思います。ムクドリ、スズメが主流派ですが、メジロなどもやってきます。

人気ブログランキングへ

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年6月26日 (木)

ガクアジサイ 額紫陽花

この季節になるとよく見かけるのがアジサイです。この私たちがよく見かける花が手鞠のように咲くアジサイはホンアジサイといいます。

写真は、ホンアジサイとは花の付き方が違いますが、これはガクアジサイというアジサイです。

Photo

ガクアジサイは日本に自生するアジサイの原種です。このガクアジサイが栽培品種であるホンアジサイ のもとになりました。アジサイは日本が原産地の花です。

Photo_2

このガクアジサイは上側と下側の花の色味が違います。アジサイや花の色については次のページを参考にしてみてください。

花の色はいろいろ

人気ブログランキングへ

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧