カテゴリー「動物の豆知識」の228件の記事

2024年9月 1日 (日)

リョコウバトが絶命(1914年9月1日)

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 かつて北アメリカ大陸東岸には鳥類の中で最も多くの数がいたとされるリョウコウバト(旅行鳩、passenger pigeon、学名:Ectopistes migratorius)という鳥が生息していました。リョウコウバトはハト目ハト科リョコウバト属でハトの仲間です。18世紀頃には約50億羽が生息していたと考えられています。

リョコウバトの幼鳥と雄と雌
リョコウバトの幼鳥と雄と雌

 リョウコバトは全長が40センチメートルでカワラバト(ドバト)よりひと回り大きな体型をしています。名前の通り渡り鳥で夏はニューヨークや五大湖周辺に生息し冬になると南下してメキシコ沿岸で越冬しました。飛行速度が速く時速96キロメートルで飛ぶことができました。何億羽からなる群れで飛ぶことがあり、リョコウバトが渡りを始めるとしばらく空が覆い尽くされることもしばしばありました。

 北アメリカの先住民たちはリョウコバトを食べていましたが繁殖期には狩猟を控えるなど乱獲はしませんでした。17世紀以降、ヨーロッパからやってきた白人たちはリョウコバトの肉が美味しいことに気がつき狩猟をするようになりました。リョコウバトの肉は高く売れるたため多くの人々が狩猟を始めました。

 19世紀になり北アメリカの人口が増えるとリョウコバトは食用に加えて家畜の飼料に利用されたり、羽毛が羽布団の材料として利用されたりするようになりました。こうしてリョコウバトの乱獲は続き、数十年後には個体数が激減しましたが、もともと多くの数が生息していたため乱獲は止まりませんでした。個体数が減少すると雛までが捕まえられるようになりました。

 1878年にミシガン州で10億羽のリョコウバトの群れが奇跡的に発見されましたが保護されず乱獲されました。この乱獲は「パトスキーの虐殺」とも呼ばれました。19世紀末にはリョコウバトは希少種となり保護されるようになりました。

 リョコウバトは個体数は多かったのですが大きな群れの中でしか繁殖できませんでした。繁殖期は年1回で卵は1個しか産みませんでした。リョコウバトの繁殖力が弱かったのです。乱獲に加えて森林の開発により生息地が減少したことも個体数減少の原因とされています。

 野生のリョコウバトは1906年に狩猟されたのが最後とされています。その2年後の1908年に動物園で飼育されていたのはたった7羽でした。動物園でも繁殖させることはできず1910年にはオハイオ州シンシナティ動物園の雌の「マーサ」1羽だけとなりました。そして1914年9月1日午後1時、マーサは老衰で死亡しました。これがリョコウバトの絶滅となりました。

最後のリョウコウバトのマーサ
最後のリョウコウバトのマーサ

 「マーサ」の標本は現在スミソニアン博物館に収蔵されています。残された標本のDNAを利用してリョウコバトを蘇らせようとするジュラシック・パークのような動きがあるようです。

 

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2024年8月21日 (水)

エグリヅマエダシャク

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 エグリヅマエダシャクはチョウ目シャクガ科エダシャク亜科の蛾です。外壁に張り付いていました。エグリヅマエダシャクは本州、四国、九州、対馬、南西諸島に分布しています。翅を開いてときの大きさは4~5 cmです。両翅に黒い縁取りのある白い斑点がひとつずつあります。また滑らかな曲線の黄褐色の外横線があります。名前の「エグリヅマ」は翅頂に近い外縁がえぐれていることに由来します。

エグリヅマエダシャク
エグリヅマエダシャク

 

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2024年8月 6日 (火)

キセキレイ

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 キセキレイ(黄鶺鴒、学名:Motacilla cinerea)はスズメ目セキレイ科の鳥です。

キセキレイ
キセキレイ

 キセキレイは体長が約20 cmの小型の鳥です。頭部や背中は灰色で下腹部は黄色をしています。この特徴的な黄色でハクセキレイなどとは容易に見分けることができます。のどの部分が白いのと黒いのがいます。雄は夏羽で黒くなります。雌は白も黒もいるようです。

のどが黒いキセキレイ
のどが黒いキセキレイ

 こちらはのどが白い個体です。ハクセキレイやセグロセキレイなどと同じように常に尾羽を上下に振っています。鳴き声はハクセキレイに似ています。

のどが白いキセキレイ
のどが白いキセキレイ

 以前は近所の河川でよく見かけたのですが最近はやや上流にいかないと見かけなくなりました。

 

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2024年7月14日 (日)

イソシギ(磯鷸)

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 イソシギ(磯鷸)はチドリ目シギ科の鳥です。北半球に生息する渡り鳥で夏季はユーラシア大陸の温暖な地方で過ごし、冬になると南下してアフリカ大陸やオーストラリア大陸の北部で過ごします。日本では九州より北の地方に留鳥として生息しています。本州中部より北の地方に生息するものは冬になると南下します。

 イソシギは小型の鳥で全長は約20 cmです。翼を開くと約40 cmぐらいになります。体色は上面は灰褐色で煩悶があり、下面は白色です。 チーチーと特徴のある甲高い声で鳴くので姿が見えなくてもどこかにいることがすぐにわかります。漢字で磯鷸と書きますが主に河川、湖沼、水田などに生息します。

 自分の住んでいる地区も夏になるとイソシギがたくさんいます。水面を歩きながらエサを探しています。イソシギは動物食でユスリカやトンボやハエなど昆虫を主に食べますが魚類や甲殻類なども食べる。次の写真は遠くで餌を探して水面を徘徊しているイソシギを望遠で撮影したものです。画像がきれいではありませんがご容赦ください。

イソシギ
イソシギ

 ずっと水面を見つめながら徘徊していたのですが何か見つけたみたようです。抜き足差し足ですかさず口ばしを水中に入れます。

エサを見つけたイソシギ
エサを見つけたイソシギ

 何度か失敗を繰り返していましたが何か捕まえたようです。

エサを捕まえたイソシギ
エサを捕まえたイソシギ

カテゴリー「野鳥

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2024年6月22日 (土)

【おもしろ動画】走るエビ

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 以前に、YouTubeの動画でハイスピードなハムスターを紹介しましたが、その動画のBGMと同じ曲でエビがランニングマシーンの上を走る動画がありました。ハムスターは自分で勝手に走っているのですが、こちらは無理やり走らされているような感じがします。ちょっとかわいそう感じもしますがエビの足の動きがよくわかる映像です。

【おもしろ動画】走るエビ
【おもしろ動画】走るエビ

 動画の最後の方で足の部分だけが拡大されたシーンがありますが、なんとなくサラブレッドの足の動きにも似ています。

Shrimp Running On A Treadmill With The Benny Hill Theme.mpg

 

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2024年5月 1日 (水)

左のハサミが大きいサワガニ

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 サワガニを居酒屋さんで頂きました。東京都八王子市の高尾山の奥地を流れている沢でとれたものだそうです。

サワガニ(沢蟹)
サワガニ(沢蟹)


 サワガニ(沢蟹)は十脚目(エビ目)カニ下目サワガニ科のカニです。淡水性のカニで生まれてから一生を淡水で暮らします。サワガニは日本固有種で学名はGeothelphusa dehaaniです。

 学名のdehaaniは日本の甲殻類の分類を行ったオランダの動物学者ウィレム・デ・ハーンに因んでいます。ウィレム・デ・ハーンはライデン王立自然史博物館(オランダ国立自然史博物館)でシーボルトなどが日本で収集した標本や図をもとにファウナ・ヤポニカ(Fauna Japonica 、日本動物誌)をテミンク、シュレーゲルと作成しました。デ・ハーンはファウナ・ヤポニカ甲殻類編を担当し、日本の多くの甲殻類を命名しています。

 サワガニのオスの多くは右のハサミの方が左より大きいのが特徴ですが左のハサミの方が大きいものもいます。写真のサワガニもオスと思いますが左のハサミの方が大きくなっています。

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2024年4月25日 (木)

ニューネッシー発見(1977年4月25日)

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 昭和52年(1977年)4月25日午前10時40分、太平洋上のニュージーランド沖で日本のトロール船「瑞洋丸」が正体不明の巨大な動物の腐乱死体を引き上げました。この動物は全長約10メートルで首のように見える部分は1.5メートルありました。「瑞洋丸」は巨大な物体を積むことができないこと、腐敗臭がひどいことから、正体不明の動物の写真を撮影し死体の一部を回収して海洋投棄しました。撮影された写真は新聞やテレビニュースで取りあげられ首長竜に似ていたことから英国のネス湖のネッシーに因みニュー・ネッシーと名づけられました。ニューは新の意味もありますが本来はニュージーランドのニューです。

瑞洋丸が引き上げたニュー・ネッシー
瑞洋丸が引き上げたニュー・ネッシー

 ニューネッシーの正体については首長竜説が流布されましたが、回収したヒゲから採取したコラーゲンがウバザメのものと同定され、首長竜のように見えるニューネッシーの死体は死んだウバザメが腐敗して朽ち果てた姿と結論づけられました。

 ウバザメは高い背びれを水面に出して泳ぎます。大航海時代には複数のウバザメが並んで泳ぐ様子を見て海の怪物を発見したという報告があります。次の絵は1868年10月24日Harper's Weeklyに掲載された「素晴らしい魚」でウバザメと考えられいます。後ろ足のようなものが描かれています。鮫に似た道の動物の想像図として描かれたものでしょうか。

素晴らしい魚(1868年10月24日Harper's Weekly記載)
素晴らしい魚(1868年10月24日Harper's Weekly記載)

Mysterious World: Sea Monster

【関連記事】ニューネッシー発見(1977年4月25日)

ネス湖のネッシーの写真が新聞に掲載(1934年4月21日)

南極ゴジラ発見?(昭和33年 1958年2月13日)

空飛円盤記念日 ケネス・アーノルド事件(1947年6月24日)

ロズウェル事件(1947年7月8日)

 

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2024年4月24日 (水)

日本ダービー記念日(1932年4月24日)

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 日本で初めての西洋式の競馬は江戸時代の安政5年(1858年)に締結された日米修好通商条約をはじめとする安政五カ国条約による鎖国の解除がきっかけとなって開催されました。この条約に基づいて安政6年に横浜港が開港され外国人居留地が設置されました。安政7年に横浜の元町で居留地競馬が開催されこれが日本最古の洋式競馬の開催となりました。この居留地競馬は治外法権で馬券が発売されていました。やがて国内の各地で洋式競馬が開催されるようになりましたが当時の競馬はあくまで上流階級向けのものでした。また法律で馬券の販売ができなかったことから経営が成り立たず各地の洋式競馬は1890年代の終わりには終焉してしまいました。

 大正時代になると競走馬の生産業者から英国クラシック競走のダービーステークスのような高額賞金の競走を開催し馬産奨励をしてほしいという要望が高まり、東京競馬倶楽部会長の安田伊左衛門は英国エプソム競馬場のダービーステークスを参考に4歳場(現在は3歳場)の「東京優駿大競走」を創設しました。

 第1回「東京優駿大競走」は昭和7年(1932年)4月24日に目黒競馬場で芝2400m競争として行われました。出走は19頭で優勝は1番人気のワカタカでした。パドックの様子から本馬場入場、本競争、表彰台までの様子が全国にラジオ中継されました。

第1回東京優駿大競走(1932年)
第1回東京優駿大競走(1932年)

 優勝馬の賞金は副賞などと合わせて約2万5000円となりました。当時の国内競争の最高賞金額は6千円でしたから競走馬の生産業者の要望通り高額賞金競争となりました。「東京優駿大競走」をきっかけとして競走馬の取引価格も高まりました。

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2024年4月15日 (月)

タチウオの刺身

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 タチウオの刺身を頂きました。タチウオはスズキ目サバ亜目タチウオ科の魚です。タチウオはめずらしい魚ではなく世界中の熱帯温帯域の沿岸で棲息しています。日本では北海道から九州の沿岸で生息していますがとりわけ漁獲量が多いのは瀬戸内海です。

 タチウオは細長い身体をしていて体調1.5 mから最大2.3 mほどになります。金属光沢があり平たく細長い体型が太刀に似ていることから太刀魚と名付けられたという説と、水面の獲物を狙って垂直に立って泳ぐことから立魚と名付けられたという説があります。

 タチウオの輝きはグアニン色素層によるものです。生きているときは青味がかった金属光沢をしていますが死後は銀色になります。体表はグアニン色素層で鱗がありません。胸ビレは小さく尾ビレと腹ビレは退化していますが、背ビレが背中全体に発達しています。立って泳ぐときも背びれをうまく使います。

タチウオ(スズキ目サバ亜目タチウオ科)
タチウオ(スズキ目サバ亜目タチウオ科)

 タチウオの刺身は綺麗な白身で味も癖がありません。皮がついていなかったのがちょっと残念でしたが美味しく頂きました。

タチウオの刺身
タチウオの刺身

 

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2024年3月20日 (水)

上野動物園が開園(1882年3月20日)

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 上野動物園は明治15年(1882年)3月20日に農商務省が所管する博物館付属施設として開園しました。正式名称は東京都恩賜上野動物園(とうきょうとおんしうえのどうぶつえん)で日本で最も古い動物園です。当初は日本の動物の展示が中心でしたが、やがて外国から輸入したり、贈られたりした動物が展示されるようになりました。

 明治19年(1886年)に宮内省の所轄となりましたが、大正13年(1924年)に当時皇太子殿下だった昭和天皇のご成婚を記念し東京市に下賜されました。

上野動物園のゾウ(昭和40年頃)
上野動物園のゾウ(昭和40年頃)

 現在は東京都立動物園で管理は常陸宮正仁親王が総裁の公益財団法人東京動物園協会が担当しています。東京動物園協会は上野動物園(台東区)、多摩動物公園(日野市)、井の頭自然文化園(武蔵野市)、葛西臨海水族園(江戸川区)を管理しています。都立動物園ですが日本を代表する動物園です。

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