カテゴリー「野鳥」の182件の記事

2025年6月27日 (金)

カルガモ(軽鴨)の名前の由来|どうして「軽」なの?

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 「万葉集」に紀皇女 (きのひめみこ)の短歌「軽の池の浦廻行き廻る鴨すらに玉藻の上に独り寝なくに」が記されています。この短歌は「軽の池の浦を泳ぎまわる鴨ですら、玉藻の上に一人では寝ないのに」という意味です。「軽の池」はかつて奈良県に存在していたとされる溜め池で「軽の池」の「軽」は古代地名で橿原市丈六地区一帯を指す「軽」に由来しています。他の多くカモが渡りをするのに対して、この「軽の池」で留鳥として年中生息している鴨が「軽鴨」と呼ばれるようになったという説があります。

カルガモ(軽鴨)の名前の由来
カルガモ(軽鴨)の名前の由来

 その他の説としてはカルガモが夏も渡らない「留鳥」であることから「夏に留まる鴨」=「夏留鴨(かるがも)」が語源になったというものがあります。信憑性が低い説としては、他のカモに比べて体重が軽いという説、マガモより味が劣るので価値が軽いなどの説もあります。

 

 

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2025年6月 9日 (月)

ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)|五位鷺の由来は?

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 ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)はペリカン目サギ科ゴイサギ属の鳥です。世界に広く分布し河川、湖、池沼、湿原、水田、海岸などに単独または小規模な群れで生息しています。日本においては東北より南部では留鳥として生息していますが、東北の北部や北海道は夏鳥として見られますが冬になると南下します。ゴイサギは全長が約60センチメートルで翼開長は約1メートルです。背中が青みがかった暗灰色、翼は灰色、腹部は白色、目は赤色をしています。

ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)
ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)

 繁殖期には後頭に白い冠羽が伸張し後脚がやや赤みがかります。

ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)の冠羽
ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)の冠羽

 ゴイサギは他のサギと異なり首が短いのですが見た目よりは首が長く伸ばすとこのような感じになります。

ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)の首の長さ
ゴイサギ(五位鷺、鵁鶄)の首の長さ

 五位鷺の名前は「平家物語」(巻第五 朝敵揃)に記されている平安時代の故事に由来しています。醍醐天皇が神泉苑(もしくは吉野)に行幸された折、池にサギがいることに気がつき家臣に捕らえるよう命じました。サギは家臣が近づいても逃げませんでした。家臣が(捕らえるのは)「宣旨である」と告げると、サギは素直に捕らえられました。醍醐天皇は「命令に逆らわず神妙である」と感心し、そのサギに「五位」の官位を授けました。これによってこのサギは「五位鷺」と呼ばれるようになりました。

 ゴイサギには異名としてヨガラス(夜ガラス)、ホシゴイ(星五位)、セグロゴイ(背黒五位)とも呼ばれます。ヨガラスはゴイサギは夜行性でカラスのような鳴き声をすることに由来します。ホシゴイがゴイサギの幼鳥が全身に白い斑点があることに由来します。セグロゴイはゴイサギの成鳥の背中が暗灰色であることに由来します。

 

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2025年6月 4日 (水)

ウミネコ|普通のカモメとの見分け方

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 ウミネコ(海猫)はチドリ目カモメ科カモメ属の鳥です。いわゆるカモメの仲間ですがカモメ属には似たような鳥がたくさんいるので見分けるのがたいへんです。そのような中でもウミネコは比較的簡単に見分けることができます。カモメの嘴は全体が黄色ですが、ウミネコの嘴は黄色で前方の部分は黒味を帯びていて先端は赤色をしています。名前は鳴き声がネコに似ていることに由来します。

ウミネコ
ウミネコ

 ウミネコは全長が約45センチメートル、翼開張が約1.2メートル、体重500グラムの比較的大きなカモメの仲間です。ロシア南東部、中国大陸東部、台湾、朝鮮半島、日本に分布しています。日本では北海道、本州、九州の沿岸、諸島部に生息しています。北海道や東北に生息する個体の多くは冬季になると南下します。

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2025年5月23日 (金)

メジロ|目白押しとは

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 メジロ(目白)はスズメ目メジロ科メジロ属の鳥です。全長はスズメより小柄で約12cmです。全体的に鮮やかな黄緑色の体色をしています。喉の部分は黄色く胸から腹にかけて白色をしています。オスとメスの見た目はほぼ同じです。目の周りの縁取りアイリングが白いことがメジロ(目白)の名前の由来です。

メジロ
メジロ

 インドネシア、日本、大韓民国、フィリピン、東ティモールなど東アジアの温帯から亜熱帯の広い地域で生息しています。日本では寒冷地をのぞいて全国に生息していますが、中部以北では夏場は山地、冬場は平地で過ごすため渡りをします。中部以南では留鳥として生息しています。1年を通じてつがいで行動することが多いのですが繁殖期以外は20~30羽ほどの群れで生息する場合もあります。

メジロ
メジロ

 食性は基本的には雑食性ですが細く尖ったくちばしで花の蜜、果実など甘いものを好みます。また昆虫やクモなどを食べます。秋から冬にかけて柿の木で見かけることがあります。

柿の実を食べるメジロ
柿の実を食べるメジロ

 メジロとウグイスはともに春を告げる鳥として知られていることからはしばしば間違われることがありますが、ウグイスやメジロよりやや大きく体色は灰色っぽい褐色をしており見たですぐ見分けることができます。また鶯色というとメジロのような色を思い浮かべる人も多いことも混同の原因となっています。

 多くの人や物が込み合って並ぶことを「目白押し」と言いますが、これはメジロが木の枝などにギュウギュウに並んで止まる習性に由来します。

メジロの目白押し
メジロの目白押しのイラスト

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2025年4月21日 (月)

【おもしろ映像】ナッツを割って食べる賢いカラス

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 カラスは賢い鳥です。北海道では貝を上空から落として割って食べたり、自動車に踏ませて割って食べたりします。この動画はクルミを空から落としてクルミを食べるカラスの映像です。。

【おもしろ映像】ナッツを割って食べるカラス

 堅いクルミは上空から道路に落としても割れません。このようなときにはクルミが自動車が踏んで割るのを待っています。やがてクルミが割れますが交通量が激しいためクルミを安全に取りに行くことができます。するとカラスは横断歩道にクルミを落とし自動車に割らせ、信号が青になったら横断歩道を渡ってクルミを取りに行くのです。

Smart Crows in Japan

 

 

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2025年1月18日 (土)

ワライカワセミとラジオオーストラリア日本語放送

 

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 ワライカワセミはブッポウソウ目カワセミ科ワライカワセミ属の鳥です。ワライカワセミは体長が40~47センチメートルでカワセミの仲間では最大級の大きさです。体型はずんぐりしていて頭が大きく太くて短い嘴をしています。

ワライカワセミ
ワライカワセミ

 ワライカワセミはオーストラリア東部原産ですが放鳥などにより分布域が広がっています。森林や草原に生息していますが近年は都市部で見かけることもあります。

 ワライカワセミの名前はヒトの笑い声に似た鳴き声に由来します。ワライカワセミは家族で生活し家族ごとの特徴のある鳴き声で縄張りを守ったり、配偶者を引きつけたり、家族同士あるいは他の群れとコミュニケーションしたりしています。一羽が鳴き出すと数羽が調和して鳴き始めます。他の群れに遭遇すると縄張りを守るため家族全員が調和して鳴き出します。

 自分がワライカワセミを始めて知ったのは子どもの頃に流行したBCL(Broadcast Listening)で短波放送のABCラジオオーストラリア日本語放送を聞いたのがきっかけです。なおABCラジオオーストラリアは2017年1月31日をもって短波放送を終了しています。

Radio Australia日本語放送インターバルシグナル(1975年)

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2024年11月22日 (金)

コシベニペリカン

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 コシベニペリカンはペリカン目ペリカン科の鳥です。ペリカンは全7種類のうちフィリピンペリカンに次いで小さなペリカンです。モモイロペリカンよりやや小さく体長は約1.4メートル、翼開長は約2.4メートルです。ペリカンとしては小型ですが鳥としては小型ではありません。体色は灰色と白ですが背中がピンクがかった色をしている個体もいます。コシベニ(腰紅)は繁殖期に腰や脇が赤色になることに由来します。

コシベニペリカン
コシベニペリカン

 コシベニペリカンはサハラ砂漠以南の熱帯アフリカに、アラビア南部に生息しています。かつてはマダガスカルにも生存していましたが絶滅したと考えられています。沼地、湖、流れの穏やかな河川の岸辺で単独か小さな群れで生息していますが、営巣する木の上にはたくさんの巣が密集して存在しています。食性は動物性で魚や両生類を食べます。

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2024年11月 3日 (日)

コシグロペリカン

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 コシグロペリカン はペリカン目ペリカン科ペリカン属の鳥です。 コシグロペリカンの学名は「Pelecanus conspicillatus」でPelecanusは嘴の形に由来するギリシア語を語源とした言葉で、conspicuous はラテン語の「人目を引く」「見えやすい」を意味します。

 別名オーストラリアペリカンと呼ばれるようにオーストラリアやタスマニアに生息しています。冬になるとニューギニア島にも現れます。オーストラリアにはコシグロペリカンしか生息していません。多くは海岸に生息していますが、湖沼や河川で生息している個体もいます。ときどき餌を求めて人里に現れることもあります。観光地では餌付けが行われています。日本では動物園や水族館などで見ることができます。写真は鴨川シーワールドで撮影したコシグロペリカンです。

コシグロペリカン
コシグロペリカン

 コシグロペリカンの全長は150-190センチメートル、翼開長は2.3~2.5メートルです。体重は4~6.8キログラムで最大のもでは13kgに及びます。嘴は40~50センチメートルあり下部は柔軟で自由に伸縮することができます。肉食で魚、甲殻類、両生類、カメなどを捕食します。小型の鳥を捕食することもあります。嘴の下部を大きく膨らませてその中に獲物を捕らえます。

コシグロペリカン
コシグロペリカン

 雌雄同色で体色は白色、翼は黒色、嘴はピンク色、足は黒色をしています。モモイロペリカンは足がピンク色ですからすぐに見分けることができます。寿命は長く25年以上の個体も確認されています。

コシグロペリカン
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2024年10月23日 (水)

ハクセキレイ

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 ハクセキレイ(白鶺鴒)はスズメ目セキレイ科の鳥です。ハクセキレイは世界中に広く分布するタイリクハクセキレイの一亜種ですが眼から前後方向に帯状の過眼線があるのが特徴です。

ハクセキレイ(白鶺鴒)
ハクセキレイ(白鶺鴒)

 ハクセキレイはロシア沿海、ハバロフスクの沿岸、カムチャツカ半島、千島列島、樺太、日本列島の本州以北、中国東北部に生息しています。日本では北海道や東北地方など北部で繁殖していましたが現在は関東や中部にも生息しています。

 体長は約20センチメートルでスズメより大きくムクドリより小さめです。体型はほっそりしています。雄は頭部、肩、背、尾にかけて夏羽では黒色、冬羽では灰色をしています。雌は通年で灰色です。 胸部は黒色ですがその下から腹部は白色です。 顔は白く上述の黒い過眼線があるのが特徴です。

 ハクセキレイは地面では尾を振りながら「チュチン、チュチン」と鳴きます。飛ぶときには「チチッ、チチチッ」と鳴きます。まっすぐに飛ばずに波形に飛ぶのが特徴です。普段は短い鳴き声ですが縄張を主張するときには次の写真のように口を開いて長めにさえずります。歌をうたっているような綺麗な声を聴くことができます。

ハクセキレイのさえずり
ハクセキレイのさえずり

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2024年9月 1日 (日)

リョコウバトが絶命(1914年9月1日)

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 かつて北アメリカ大陸東岸には鳥類の中で最も多くの数がいたとされるリョウコウバト(旅行鳩、passenger pigeon、学名:Ectopistes migratorius)という鳥が生息していました。リョウコウバトはハト目ハト科リョコウバト属でハトの仲間です。18世紀頃には約50億羽が生息していたと考えられています。

リョコウバトの幼鳥と雄と雌
リョコウバトの幼鳥と雄と雌

 リョウコバトは全長が40センチメートルでカワラバト(ドバト)よりひと回り大きな体型をしています。名前の通り渡り鳥で夏はニューヨークや五大湖周辺に生息し冬になると南下してメキシコ沿岸で越冬しました。飛行速度が速く時速96キロメートルで飛ぶことができました。何億羽からなる群れで飛ぶことがあり、リョコウバトが渡りを始めるとしばらく空が覆い尽くされることもしばしばありました。

 北アメリカの先住民たちはリョウコバトを食べていましたが繁殖期には狩猟を控えるなど乱獲はしませんでした。17世紀以降、ヨーロッパからやってきた白人たちはリョウコバトの肉が美味しいことに気がつき狩猟をするようになりました。リョコウバトの肉は高く売れるたため多くの人々が狩猟を始めました。

 19世紀になり北アメリカの人口が増えるとリョウコバトは食用に加えて家畜の飼料に利用されたり、羽毛が羽布団の材料として利用されたりするようになりました。こうしてリョコウバトの乱獲は続き、数十年後には個体数が激減しましたが、もともと多くの数が生息していたため乱獲は止まりませんでした。個体数が減少すると雛までが捕まえられるようになりました。

 1878年にミシガン州で10億羽のリョコウバトの群れが奇跡的に発見されましたが保護されず乱獲されました。この乱獲は「パトスキーの虐殺」とも呼ばれました。19世紀末にはリョコウバトは希少種となり保護されるようになりました。

 リョコウバトは個体数は多かったのですが大きな群れの中でしか繁殖できませんでした。繁殖期は年1回で卵は1個しか産みませんでした。リョコウバトの繁殖力が弱かったのです。乱獲に加えて森林の開発により生息地が減少したことも個体数減少の原因とされています。

 野生のリョコウバトは1906年に狩猟されたのが最後とされています。その2年後の1908年に動物園で飼育されていたのはたった7羽でした。動物園でも繁殖させることはできず1910年にはオハイオ州シンシナティ動物園の雌の「マーサ」1羽だけとなりました。そして1914年9月1日午後1時、マーサは老衰で死亡しました。これがリョコウバトの絶滅となりました。

最後のリョウコウバトのマーサ
最後のリョウコウバトのマーサ

 「マーサ」の標本は現在スミソニアン博物館に収蔵されています。残された標本のDNAを利用してリョウコバトを蘇らせようとするジュラシック・パークのような動きがあるようです。

 

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