カテゴリー「身近なものの仕組み」の70件の記事

2023年10月22日 (日)

繊維のおはなし

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 繊維とは狭義では布や紐を作るための糸の原料となる細長いひも状の素材のことです。羊毛や絹糸などのように動物の毛から作られるもの、綿や麻などのように植物の組織から作られるもの、ナイロンやレーヨンなどのように化学反応で合成されるものがあります。こうした多くの繊維はセルロース、タンパク質、合成樹脂などの有機物できています。

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 また、繊維には炭素、ガラス、金属、鉱物などの無機物から作られたものもあります。これらの繊維は強度が高く耐熱性や耐薬品性などがあるため産業において様々な用途で使われている。

 ガラス繊維や炭素繊維をプラスチックに加えると強度を高めた繊維強化プラスチックという複合材料を作ることができます。繊維強化プラスチックはテニスラケット、ゴルフクラブ、レーシングカー、航空機、宇宙関連機器などに使われています。

 金属繊維はスチール繊維とも呼ばれ、ステンレス、鉄、銅、アルミニウムなどの金属を引き延ばして作られたものです。金属繊維は強靱でロープやワイヤの原料となります。また、伝導性の高い金属繊維からは電線が作られます。金属の性質を活かした複合材料の原料としても使われる。最近では衣服に使われる場合もあります。

 鉱物繊維は鉱物を繊維状にしたものです。石綿、アスベストは耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れているため様々な用途で用いられてきましたが人体に悪影響を及ぼすことから使用が禁止されました。

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2023年7月27日 (木)

納豆の起源は弥生時代

 納豆の原料である大豆は世界各地で古くから栽培されています。我が国においては縄文時代には存在したと考えられ、古事記にも大豆が登場します。縄文時代の日本人は雑穀類、芋、豆を食べていました。その中にはヤマイモやサトイモのように糸を引く食べ物もありましたが、納豆が縄文時代から存在していたという有力な手がかりはありません。弥生時代になると稲作など農作物の栽培が盛んに行われるようになり、収穫した農作物は保管されるようになりました。

 納豆を作るには水に一晩つけた大豆を蒸し煮し藁で包みます。その藁を40~42℃で保温すると藁中の納豆菌が繁殖し大豆が納豆になります。こうした加工食品である納豆の製法を弥生時代の人々が自ら編み出したとは考えられません。

藁納豆
藁納豆

 さて、弥生時代の住居は竪穴式住居で床には藁が敷かれていました。住居の中には炉やかまどがあり、部屋の中は適度な温度に暖められていました。こうした住居の中で煮豆が床に落ちて藁の中の納豆菌で発酵することもあったことでしょう。ヤマイモやサトイモを食べていた人々にとって納豆のネバネバは受け入れられたでしょうし、納豆は保存も利き美味しかったはずです。 やがて煮豆を藁に包んで保温すると納豆ができることに気が付き納豆が意図的に作られるようになったはずです。こうして納豆はその後何千年も続く日本の食文化のひとつとなったのです。

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2023年7月18日 (火)

月並みに平凡の意味を加えた正岡子規

 「月並み」とは平凡や陳腐なことを表す言葉ですが、本来は「毎月」や「月ごと」や「月に一度」などを意味する言葉でした。夜空に美しく輝やいて見える大きな月がどうして平凡や陳腐という意味になってしまったのでしょうか。

 町人文化が発展した文化年間(江戸時代、1804~1818年)に俳句が人気となり「月並句合」(つきなみくあわせ)と呼ばれる行事が行われるようになりました。「月並句合」は俳諧の宗匠が月ごとにお題を出して句会を開き優れたな作品をまとめて出版するものでした。手引き書なども出版され明治時代に入っても盛んに開催されていました。

 「月並句合」は毎月行事ですからやがて多くの優秀作品はありきたりなものとなりました。明治中期に活躍した正岡子規は「月並句合」で作られたありきたりの俳句を「月並調」と呼び批判しました。写生を基軸とする俳句や短歌の革新を進めていた正岡子規は「月並調」の俳句を平凡でつまらないと言い放ったのです。

 この正岡子規の批判の言葉から「月並」という言葉に「平凡」「ありきたり」「陳腐」などの否定的な意味が加えらることになったのです。

正岡子規
正岡子規

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2023年5月20日 (土)

キログラムが新定義となった日(2018年5月20日)

 2018年5月20日は質量キログラムが新しい定義となった日です。この定義はアルベルト・アインシュタインとマックス・プランクが導き出した理論で成り立っており、それまで原器の質量で定義されていたキログラムが物理量で定義すことができるようになりました。

アルベルト・アインシュタインとマックス・プランク
アルベルト・アインシュタイン(左)とマックス・プランク(右)

 かつての1キログラムの定義は0℃における蒸留水1立方デシメートル(=1リットル)の質量でした。これはフランスで導入されたメートル法で1793年に定められた質量の単位グレーブに由来します。この定義は1795年に「大気圧下で氷の溶けつつある温度における水」とされましたが、水の体積が温度に依存することから「最大密度における蒸留水1立方デシメートル(=1リットル)の質量」と再定義されました。

 しかし、水の体積は厳密には気圧にも依存し密度が変化します。そして気圧の単位には質量が含まれていることから、水の質量によるキログラムの定義は本質的な定義が成立しない循環定義となります。そこで1799年に白金製のキログラム原器が製作され、キログラムの定義にキログラム原器が使われるようになりました。このキログラム原器はアルシーヴ原器と呼ばれ、その質量は4°Cの蒸留水1立方デシメートル(=1リットル)の質量に相当します。1889年には1879年に製作された新しいキログラム原器を国際キログラム原器とすることが定められました。この国崎キログラム原器は2018年までキログラムの定義として使用されました。

 1983年にメートルの定義がメートル原器から光速度基準になると原器を使った定義はキログラムのみとなりました。原器は経年変化で値が不安定なためキログラムも普遍的な物理量で定義することが検討されるようになりましたそして、国際度量衡委員会 (CIPM) はSI基本単位の定義の改訂を提案し、2018年11月16日に開催された第26回国際度量衡総会 (CGPM) で承認されました。これによってキログラムは原器を使わずに次のようにプランク定数から定義されることになりました。

 キログラムは周波数が {(299792458)2/6.62606957}× 1034 ヘルツの光子のエネルギーに等価な質量である

 この関係がどのように求められるのか考えてみましょう。アインシュタインの特殊相対性理論の E = mc2 とマックス・プランクのプランクの法則の E= hν の関係から mc2 = hν となります。この式から ν = mc2/ h となり、質量 m = 1 kg、プランク定数 h= 6.62607015×10-34 J⋅s、真空中の光の速度 c =  2.99792458×108 m/sを代入すると周波数を求めることができます。結果としてキログラムは上述のように定義されます。

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2023年4月18日 (火)

「本わさび」と「生わさび」の違い

 ワサビ(山葵)は日本原産のアブラナ科ワサビ属の植物です。ワサビは清水が流れる渓流や湿地に生息します。春になると白い小さな花を咲かせます。根茎や葉は独特の強い刺激性の香味を持ち薬味や調味料として使われます。

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 ワサビは古くから利用され飛鳥時代の遺跡から発掘された木簡に「委佐俾三升(わさびさんしょう)」というワサビを示す言葉がシルされています。ワサビが本格的に栽培されるようになったのは江戸時代です。今から400年以上前に安倍郡大河内村有東木(現:静岡市葵区有東木)のワサビが征夷大将軍を退いて駿府城で大御所となった徳川家康に献上されました。家康はその独特の風味を絶賛し、また山葵が徳川家家紋の「葵」に通じることからワサビを保護しました。これによって静岡県でワサビの栽培が発展し江戸にも送られるようになり、寿司や蕎麦の普及に相まって一般にも広がりました。

 さて現在ワサビと言えば缶入りの粉わさびやチューブ入りの練りわさびがよく使われています。

 粉ワサビを発明したのは静岡の茶仲買人の小長谷与七です。大正3年に製茶の技術を参考にワサビを粉末にすることに成功しました。しかしながら希少価値の高いワサビを使った粉ワサビは価格も高く量産もできないことから、ワサビの粉にカラシの粉を混ぜて製造するようになりました。昭和13年(1938年)には北海道に自生する岡わさび(セイヨウワサビ、ホースラディッシュ )が粉ワサビの原料として使われるようになりました。現在、粉わさびと言えば「西洋わさびを乾燥し、粉末化したものを主体とし加工したもの」と定義されています。

 練りわさびは昭和46年(1971年)に袋入りのものが発売され、翌昭和47年(1972年)にチューブ入りのものが発売されました。練りわさびは粉わさびに油脂や食塩や砂糖などを加えて水で練り込んたものです。ですから練りわさびの主原料もセイヨウワサビでした。

 ところが近年になって練りわさびの需要が増え市場競争が激しくなると、他社との差別化のため「生わさび」と表記されたものが販売されるようになりました。「生わさび」とは種類を問わず生のワサビをすりおろしたもののことです。ですから「生わさび」と記された練りわさびの原料は粉わさびではなく生のワサビをすりおろしたものです。単に「生わさび」と記されているものはセイイウワサビが主原料です。

 「生わさび」には「本わさび入り」と表記されたものもあります。また最近では「本わさび」と表記されたものもあります。「本わさび入り」は日本原産のワサビを50%未満使用しているもの、50%以上使用しているものは「本わさび使用」と表記されいます。セイヨウワサビを使用せず日本原産のワサビを100%利用したものもあります。この場合、「生本わさび」のような表記になっています。

 美味しい刺身、寿司、蕎麦、ステーキなどを食べる場合は本物の生のワサビをすったものが一番ですが、練りわさびを使う場合には商品の成分表示を見て日本原産のワサビを100%のものを選ぶと良いでしょう。価格も高いのですが上手に使い分けると良いでしょう。

 なお練りわさびの「本わさび」に使われている日本原産のワサビは日本産ではないものがほとんどです。外国産でも「本わさび」であれば同じ種類のワサビです。

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2023年1月28日 (土)

プラスチックの語源|塑性と弾性の違い

 日本語でプラスチックというと、多くの場合はプラスチック材料やプラスチックで作られたもののことです。ところが英語のプラスチックplasticには日本語と同じ名詞としてのプラスチックという意味の他に形容詞としての「形を作ることができる」という意味があります。もともとplasticはギリシャ語で塑造という意味をもつplastikos という単語に由来しています。塑造とは粘土などの柔らかな材料で像などを造ることです。

塑造
塑造

 プラスチックが意味する「形を作ることができる」という性質のことを可塑性または塑性といいます。可塑性とは「外から力を加えると形を変えることができ、力を取り除いても元の形に戻らない性質」です。例えば、粘土の固まりは力を加えると変形しますが力を取り除いても元の固まりに戻ることはありません。またゴムのように「外から力を加えると形を変えることができ加えた力を取り除くと元の形に戻る性質」を弾性といいます。

>塑性と弾性の違い
塑性と弾性の違い

 プラスチックは合成樹脂とも呼ばれます。樹脂は松ヤニや漆などのように樹液が固まったもので、自然由来の樹脂のことを天然樹脂といいます。私たち人類は古代から天然樹脂を利用してきましたが、天然樹脂は採れる量が少ないうえに取り扱いが面倒という問題がありました。そのため、人類にとって天然樹脂に代わる材料を手に入れることは積年の夢でした。

 やがて天然樹脂によく似た性質を持つ物質が人工的に作り出されると、それらの物質のことを合成樹脂と呼ぶようになりました。今日では、合成樹脂というと原料や素材、プラスチックというと成型品を意味することが多いようですが言葉の使い分けに厳密な区別はありません。

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2022年12月11日 (日)

百円玉が登場(1957年12月11日)

 昭和32年(1957年)12月11日、臨時通貨法により臨時補助貨幣として百円硬貨が初めて発行されました。この百円硬貨は銀60%、銅30%、亜鉛10%の銀を主成分とする合金の銀貨でした。表面には鳳凰の絵に日本国と百円の文字、裏面には桜の花の絵に100YENと製造年が彫られています。直径は22.6 mm、重さは4.8 g、周囲にはギザがあります。百円硬貨は当時としては最高額面の硬貨でした。当時は壱万円札はまだなく最高額面の紙幣は五千円でした。

初めて発行された100円硬貨(昭和32年 1957年)
初めて発行された100円硬貨(昭和32年 1957年)

 この百円硬貨は2年後の昭和34年(1959年)に表裏の図柄のみが変更されました。表面は稲穂の絵になり、裏面には中心部に大きな100の数字が表示されました。昭和39年(1964年)には東京オリンピックの記念硬貨が発行されました。

 その後、高度経済成長や自動販売機の普及により百円硬貨の需要は高まりましたが、保有する銀量の不足および諸工業における銀の需要増によって世界的に銀貨が使われなくなりました。日本も銀貨の使用をやめることになり昭和42年(1967年)2月1日に銅75%、ニッケル25%の白銅の百円硬貨が発行されました。この百円硬貨が現在まで使われている百円玉ものです。

 自分が子どもの頃は100円玉もありましたが板垣退助の百円札(B号券)が使われていました。この百円札は愛着もありましたが昭和41年(1966年)に廃止が決まり、昭和47年(1972年)に製造終了、昭和49年(1974年)に出回らなくなりました。

 大人になってから米国に行って1ドル札がよく使われていることを知りました。チップなどの文化の違いもあると思いますが百円札も五百円札を残しておいても良かったのではないかと思った次第です。

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2022年11月27日 (日)

4がIVで9がIXなのはなぜ?|ローマ数字のおはなし

 ローマ数の I, II, III, IV, V, VI, VII, VIII, IX, Xがアラビア数字の1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 がに対応することは多くの人がご存じと思います。

 ローマ数字の表記方法の基本は画線法です。5未満は I の本数で表され、6以上は5を意味する V の右横にIを加えることによって表されます。ただし、4と9はそれぞれ IIII、VIIII で表すことも可能ですが表記を短くするため、IIIIは V の左横に5と4の差分の I を書いて IV と表記し、VIIIIは X の左横に10と9の差分の I を書いて IX と表記します。これを減算則といいます。

 この I~Xのローマ数字で表記できるのは1~10までです。100や1000を表すことができません。実はローマ数字には基本のI、V、Xの他に50、 100、 500、 1000 を表す L、 C、 D、 M があります。このL、C、D、Mに画線法と減算則が適用されます。

 下記のローマ数字はいくつを意味するでしょうか?

このローマ数字は?
このローマ数字は?

 たとえば51は LI です、52は LII 、55はLVです。54はLIVとなり、59はLIXとなります。同様に101は CI、103は CIII、104はCIV、106はCVI、109はCIXです。

 それでは140はどうなるでしょうか。100は Cです。40は50を意味するLの左横に50と40の差分の I を書いて XL と表記します。従って140は CXL になります。144は CXLIV となり、149は CXLIX になります。

 200はCC、300はCCCとなりますが、400は500のDの左横に500と400の差分を Cを書いて CD になります。444は CDXLIV、449はCDXLIXです。1429はMCDXXIX、1449はMCDXLIX、1999はMCMXCIXです。

 例を使って変換方法をまとめておきましょう。

13 (10×1)+(1×3)= X+III = XIII

24 (10×2)+(-1+5)= XX+IV = XXIV

49 (-10+50)+(-1+10)= XL+IX = XLIX

499 (-100+500) + (-10+100)+(-1+10) = CD + XC + IX

3494 (1000×3)+(-100+500)+(-10+100)+(-1+5)= MMM+CD+XC+IV= MMMCDXCIV

ということで上図の答えは3494でした。

 なお現代においては一般にローマ数字で表すことができるのは1~3999までとされており4000以上の数値を表すことができません。また0に相当する数字はありませんので 0 も表記できません。

 4000以上の数値を表すにはローマ数字にオーバーラインをつけると1000倍を表すことができます。IVの上にオーバーラインをつけると4000になります。MVのVの上にオーバーラインをつけても(-1000)+(5×1000)で4000となります。

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2022年11月18日 (金)

実用的写真術を発明|ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールの誕生日(1787年11月18日)

 1787年11月18日は世界で初めて実用的な写真技術を発明したフランスの画家・写真家のルイ・ジャック・マンデ・ダゲールの誕生日です。

 ダゲールは若い頃にパノラマ画家ピエール・プレボに師事し、建築、劇場の舞台美術、パノラマ画を学びました。タゲールは優れた劇場イリュージョン技術により劇場設計者として有名になり、1822年7月にパリでジオラマ劇場を開きました。

ダゲレオタイプで撮影したダゲールの肖像写真
ダゲレオタイプで撮影したダゲールの肖像写真

 同じ頃、写真の技術の基礎となる印刷技術ヘリオグラフィを発明したフランスのニセフォール・ニエプスはカメラ・オブスクラの画像を写真に残す技術の開発を始めました。写真の撮影はすぐに成功したものの長く定着させることができるまで数年かかりました。何とか画像を写真として残すことができるようになりましたが、写真を撮影するのに非常に長い露出時間を要するためこの写真技術は実用的なものではありませんでした。

 1829年、ニエプスは自身が発明した写真技術を実用化するためダゲールと共同研究を始めました。そして光化学反応で変色する銀化合物を写真に利用することに成功しました。しかしながらニエプスは研究途上の1833年にこの世を去りました。ダゲールは単独で研究を継続し、ついに銀板写真法を発明し1839年に発表しました。この写真技術はダゲレオタイプと呼ばれ、10~20分の露光時間で写真を撮影することができました。フランスの科学者フランソワ・アラゴはこの実用的な写真撮影法を政府に推薦しました。ダゲールは政府から終身年金を受け取るかわりにダゲレオタイプを公開しました。これによってタゲレオタイプは世界中に広まりました。

 ダゲールがこの世を去ったのは1851年7月10日、有益な技術を研究開発した科学者として彼の名前はエッフェル塔に刻まれています。

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カメラ発明の日(1839年8月19日)

カメラ発明の日は3月19日ではなく8月19日

写真の日(6月1日)

カメラと写真の仕組み

ピンホール現象とカメラオブスクラ 写真の仕組み(1)

カメラオブスクラの像を写真に残す 写真の仕組み(2)

白黒写真の仕組み 写真の仕組み(3)

カラー写真の始まり 写真の仕組み(4)

加色法によるカラー写真の仕組み 写真の仕組み(5)

減色法によるカラー写真の仕組み 写真の仕組み(6)

 

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2022年11月14日 (月)

油脂とトランス脂肪酸

〇動物性油脂と植物性油脂

 油脂は天然の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物で脂質の仲間です。油脂は大きくわけると動物から取れる動物性油脂、植物から取れる植物性油脂があります。油脂は常温で液体のものは「油」、固体のものは「脂」と表します。

 動物性油脂には魚油や鯨油など海生の動物から取れるものとラード(豚脂や牛脂)やバターなど陸生の動物から取れるものがあります。植物性油脂にはコーン油、大豆油、ヤシ油、パーム脂、カカオ脂、木蝋(もくろう)などがあります。バターやマーガリンは食用の油脂の中に水分が分散したコロイドです。

〇マーガリンは健康に良くない?

 多くのマーガリンは植物性油脂から作られているので一般的にマーガリンの方がバターよりも健康に良いというイメージがあります。ところがマーガリンにはトランス脂肪酸がたくさん含まれており、健康に悪影響を与える可能性があるという指摘があります。

 自然由来の脂肪酸は二重結合の部分がシス型という折れ曲がった構造をしています。マーガリンを製造する際、マーガリンを常温で固体とするため水素を添加しますが、このとき脂肪酸の二重結合の一部がトランス型という直線状の構造になりトランス脂肪酸となります。

トランス脂肪酸の例(オレイン酸)
トランス脂肪酸の例(オレイン酸)

〇トランス脂肪酸の問題

 トランス脂肪酸は血中の悪玉コレステロール(LDL)を増加させ善玉コレステロール(HDL)を低下させることから心臓疾患を発症するリスクを高めると言われています。現在のところ日本では食品中のトランス脂肪酸について特段の規制はありませんが、欧米では含有量の表示が義務づけられたり、含有量を制限されたりしています。

 WHO(国連世界保健機関) と FAO(国連食料農業機関)の合同専門家協議会でまとめられた報告書によると、トランス脂肪酸の摂取はエネルギー比で1%以下にすることとされています。米国人の一日あたりのトランス脂肪酸の平均摂取量は報告書の値を上回りますが、日本人の場合は下回っています。これは食生活の違いによるものです。つまり日本人の平均的な食生活を考えると、それほど心配ないということになります。しかし、日本人の食生活は欧米化していますし、偏食をしたり脂肪分の多い菓子類をたくさん食べたりしている場合には注意が必要です。

〇マーガリンは低トランス脂肪酸の食品に

 日本食品油脂検査協会によれば過去に日本で販売されていたバターとマーガリンに含まれるトランス脂肪酸の平均の含有量はそれぞれ100 gあたり1.95 g、7 gであり、確かにマーガリンにたくさんトランス脂肪酸が含まれていることになります。しかしながら、現在は食品メーカーの研究開発の成果によりマーガリンに含まれるトランス脂肪酸の量は約 1 g となっておりバターの約半分です。マーガリンは低トランス脂肪酸食品となっているです。

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