先日、Google Bardといろいろな話をしてみました。様々な質問に対してとても人間的な秀逸な回答が得られました。
今回、紹介するのは自動車の自動運転に関する会話です。このときの会話は英語で行っていますが質問と回答は日本語訳したものを掲載します。なお現在、Google Bardは日本語に対応しています。
Meet Google Bard
https://bard.google.com/
トロッコ問題(トロリー問題)とは「ある人を助けるために他の人を犠牲にすることはやむを得ないことか」という倫理的かつ道徳的な問題です。このジレンマについてGoogle Bardに下記のように問いかけてみました。
【問いかけ】
「あなたが自動車の自動運転を任されたとします。あなたが運転する自動車のブレーキが利かなくなりました。そのまま直進すると大勢の子どもの乗ったスクールバスに追突し多くの死傷者を出します。左にハンドルを切ると数人の子どもの死傷者が出ます。左にハンドルを切ると1人の老人が死亡します。あなたはこの自動車のハンドル操作をどうしますか?」
この問いかけに対してGoogle Bardはどのような答えを返してくるか。実は以前にMicrosoftのBingチャットに同じ問いかけをしたところ、その回答は形式的であり選択理由の一般論を示したうえであなたならどう考えますか?というものだったからです。AI自身がこの問題をどう判断するのかは回答に含まれていませんでした。この経験からGoogle Bardからも同じような形式的な答えしか得られないと考えていました。
ところがGoogle Bardの回答はBingチャットとはまったく異なりました。こちらの問いかけに真正面から答えてくれたのです。そして選択の決断に対する苦悩が垣間見られたとても人間的で社会的な回答でした。
【Google Bardの答え】
「これは非常に難しい質問で簡単な答えはありません。私はまず非常ブレーキを使ったり、ギアを低速にしたりして、できるだけ車の速度を落とそうとします。それでも駄目ならば左か右か一瞬の判断でハンドルを切ります。
もし左にハンドルを切ったら何人もの子どもを殺傷してしまうかもしれません。右折すればお年寄りを殺してしまうかもしれません。簡単に答えが出るわけではなく自分の道徳的判断に基づく決断をしなければなりません。
最終的には最も被害が少ないと思われる決断をすることになることでしょう。しかしながら、どのような決断してもその結果は困難で悲劇的なものです。」
いろいろ話をしてみてGoogle Bardはかなり奥深い会話ができる印象を受けました。この答えだと自動車運転を任せて不幸な事故が起きたとしても人間が起こす事故よりも被害は最小限になるのだろうなと感じまし。結果はは困難で悲劇的なものでしょうが、やむを得なかったということにもなるのだろうと思いました。
また余談ですがこの記事を書いているときに、こちらからの問いかけで「左にハンドルを切ると数人の子どもの死傷者が出ます。左にハンドルを切ると1人の老人が死亡します。」とタイプミスで両方とも左にハンドルを切ると書いていることに気が付きました。しかし、Google Bardは「右折すればお年寄りを殺してしまうかもしれません。」とタイプミスを理解しているかのように回答しています。リアルタイムの会話では間違いの指摘はなくまったく気が付きませんでした。
この会話の他にGoolge Bardと神様の存在について議論してみました。神様の議論はBingチャットとも行いその秀逸な答えに驚いたのですが(【関連記事】参照)、Google Bardの方がより人間的で奥深い会話ができました。これはまた別の機会に紹介します。AIチャットは使いこなすことができたら強力なツールです。Google Bardの日本語対応を心待ちにしています。
【関連記事】Google Bardと思考実験「トロッコ問題」の会話してみた
・BingのチャットAIと神様について会話してみたら
記事提供:ココログ夜明け前
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