コカ・コーラの発売開始(1886年5月8日)
かつて炭酸水には健康に何らかの効能があると考えられていました。炭酸水の原点はレモネードに重曹(炭酸水素ナトリウム)を加え、レモンのクエン酸と重曹を反応させて炭酸ガスを発生させたものです。1769年にイギリスの化学者ジョゼフ・プリーストリーが二酸化炭素を水に溶かす炭酸水の製造方法を考案しました。炭酸水が工業生産されるようになったのは1800年代です。炭酸水の工業生産が始まると薬効を謳う炭酸水が販売されるようになりました。
19世紀末、医師が不足していた米国では自然療法や民間療法や万能薬が流行していました。ジョージア州アトランタで自然療法を行っていたジョン・スティス・ペンバートンは南北戦争の負傷でモルヒネ中毒になっていました。ペンバートンは薬物依存症を治療する目的でコカインを使った薬用酒を製造販売を考えました。しかし、既に類似の薬用酒がたくさん存在していたためワインとコカインをコーラのエキスを調合し精力増強や頭痛緩和に効果があるとする薬用酒「フレンチ・ワイン・コカ」として1885年に販売を開始しました。
この「フレンチ・ワイン・コカ」は人気となりましたがコカインによる依存症があることが問題となりました。また米国では1920年に施行された禁酒法に向かって禁酒運動が盛んになり薬用酒が販売できない可能性が高まりました。そこでペンバートンはワインの代わりに炭酸水を使った炭酸飲料を開発しました。ベンバートンと一緒にビジネスをはじめたフランク・メイソン・ロビンソンはこの炭酸飲料を「コカ・コーラ」と名付けました。かくして1886年5月8日に「コカ・コーラ」が発売開始されたのです。
Amazonアソシエイトとしてブログ「夜明け前」は適格販売により収入を得ています。
最近のコメント