カテゴリー「国語」の17件の記事

2022年9月10日 (土)

「皮」と「革」の違い 異字同訓

 「皮」は動物や植物の表皮を意味し、「革」は動物の表皮を加工した皮を意味します。ですから革ジャンと書きますが皮ジャンとは書きません。また皮には本質を隠しているものを意味する場合もあります。化けの皮がはがれるなどと使います。

【皮】

 動植物の表皮。本質を隠すもの。

 動物の皮。樹木の皮。化けの皮。

【革】

 加工した動物の皮。

 牛革。革靴。なめし革。革ジャンパー。

 余談ですが革製品には天然皮革と合成皮革があります。天然皮革は動物の皮を鞣した本革のことですリアルレザーとも呼ばれます。一方、合成皮革は動物の皮ではありません。基材となる織物の表面にポリウレタン(PU)やポリ塩化ビニル(PVC)を貼り付けたもので人工皮革・フェイクレザーとも呼ばれます。

※異字同訓

「漢字は異なるものの、意味の近い言葉で、訓読が同じになるもの」です。

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2022年9月 3日 (土)

遭難信号「SOS」の意味は?

 SOSと言えば助けを求める合図として使われますが、かつては船舶などで用いられていたモールス信号による遭難信号です。

 この遭難信号が定められたのは1906年にドイツのベルリンで開催された第1回国際無線電信会議です。この会議で世界共通の遭難信号としてモールス信号の「・・・― ― ― ・・・」を1908年7月1日から使用することが定められました。

 モールス信号でSは「・・・」、Oは「ーーー」ですから「・・・― ― ― ・・・」はSOSになりますが、「SOS」という言葉そのものは国際無線電信条約には使われていません。その後、遭難信号の通称が「SOS」と呼ばれるようになり、1595年に条文中に「SOS」という言葉が使われるようになり1961年1月1日から遭難信号の正式名称がSOSとなりました。

 このSOSそのものには特に意味があるわけではありません。SOSが「Save Our Souls(我らを救え)」「Save Our Ship(我が船を救え)」を略したものであるという説がありますが、これは1912年に氷山と衝突したタイタニック号の事故の後に考案されて伝わったものです。

 モールス信号による「SOS」は廃止となりましたが、「SOS」の文字は救難を求める合図として使われています。災害時に分断された地域の道路に巨大な「SOS」の文字を書いて助けを求めるなど方法で利用されています。

東日本大震災時に路上に描かれたSOS(宮城県女川町江島)
東日本大震災時に路上に描かれたSOS(宮城県女川町江島)

【関連記事】遭難信号「SOS」の意味は?

沈没したタイタニック号を発見(1985年9月1日)

タイタニック号が氷山に衝突(1912年04月14日)

豪華客船オリンピック号がUボートを撃沈(1918年5月12)

青函連絡船「洞爺丸」沈没(1954年9月26日)

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2022年8月13日 (土)

「遅れる」と「後れる」の違い|異字同訓

 おくれると読む「遅れる」と「後れる」。どちらも、おくれるという意味で、誤用しても通じますが、「遅」と「後」の意味の違いを意識すれば正しく使い分けることができます。

 

【遅れる】

 時刻や日時などの期限に間に合わないこと。進み方が遅い様子。

 会議に遅れる。工事の完成が遅れる。出世が遅れる。

【後れる】

 後ろになる。取り残される。

 先頭から後れる。後れを取る。死に後れる。

 

 たとえばマラソンなどで「先頭集団からおくれている」という表現がありますが、先頭より後ろに位置しているという意味では「後れる」を使います。しかし、先頭より進みが遅いという意味では「遅れる」を使います。どちらを使っても間違いありませんが、「遅」の視点になっているか、「後」の視点になっているかの違いがあります。

※異字同訓

「漢字は異なるものの、意味の近い言葉で、訓読が同じになるもの」です。

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2022年7月31日 (日)

気持ち良さそうなカラスの行水

 ここのところ暑くなってきたせいもあってカラスが水浴びしているところをよく見かけるようになりました。

 カラスの水浴びを「カラスの行水」と言いますが、これは入浴する時間が非常に短いことを表す言葉です。もともと「行水」とは仏教用語で神仏に祈ったり神事・仏事を行う際に身を洗い清めたりすることです。そんなこともあって「行水」が短いという意味の「カラスの行水」は簡単に済ましてしまう・お粗末などのような意味もありそうです。

河原に行水にやってきた一羽のカラス。

行水にやってきたカラス
行水にやってきたカラス

水の中に入り翼を動か始めます。バシャ!バシャ!バシャ!

カラスの行水 バシャ!バシャ!
カラスの行水 バシャ!バシャ!

フ~ッ!気持ち良さそう!

行水ですっきりするカラス
行水ですっきりするカラス

 いつもだとこの後すぐ飛び立っていくのですが、このカラスとても暑かったのかこの動作を何度も繰り返していました。

 「カラスの行水」ではなくずいぶん長い間水浴びを繰り返していました。

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2022年7月29日 (金)

「トドのつまり」のトドはなに?

 「トドのつまり」とは、いろいろやってみたが「いきついたところ」や「結局」を意味し、思わしくない結果になったときに使われる言葉です。一般にトドと言えばアシカ科トド属の大型の海生哺乳類・海獣を思い出すと思いますが、「トドのつまり」の「トド」は違う生き物です。

トドのさけび
これはトドのさけび

 それでは「トド」が何かというと実は魚のボラの別名です。「トド」はボラの方言ではありません。ボラは成長とともに呼び方が変わり成魚になると「トド」と呼ばれます。

ボラ
ボラ

 日本では武士などが元服したときや出世したときに改名する習慣がありました。このような習慣にならって成長とともに呼び方が変わる魚がいます。このような魚を出世魚といいます。

 同じ種類の魚なのに呼び方を変えるの生物学的に特段の意味があるわけではなく人間の都合です。同じ魚でも成長にするにつれてその姿や大きさ住む場所や生活の仕方が変わり魚の味や価値が変わります。その違いを区別するために魚の呼び方を変えているのです。

 ボラは成長するにつれて次のように呼び方が変わります。つまり「トド」はボラが最も成長したときの名前です。「トド」はこれ以上大きくならないので「トドのつまり」の語源になったというわけです。

  関東  オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド 

  関西  ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド

 ボラ以外にも出世魚はたくさんいます。出世魚の呼び方は地方によって異なりますが成熟したときの名前はほぼ同じになることが多いようです。

出世魚の例

〇コハダ 

ジャコ→コハダ→コノシロ 

〇スズキ 

 コッパ→セイゴ→フッコ→スズキ→オオタロウ 

〇ブリ

 関東  ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ

 関西  ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ

〇クロマグロ

 カキノタネ→シビコ→ヨコワ→メジ→チュウボウ→マグロ

〇クルマエビ

 サイマキ→マキ→クルマエビ

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2022年6月 8日 (水)

けんもほろろの「けん」と「ほろろ」

 「けんもほろろ」を辞書で調べてみると、

・「頼みや相談などを,冷淡に断るさま。とりつくしまもないさま。「―な応対」「―に断る」

・冷淡で、とりつくしまもないさま

・無愛想に人の相談などを拒絶するさま。取りつくすべもないさま。

・すこしも〈同情の心/あたたかみ〉がないようす。「ーの あいさつ」「ーに ことわられる」

などと解説されています。よく耳にする表現ですが、けんもほろろの「けん」と「ほろろ」っていったい何でしょうか?

 実は辞書には、その語源が何か一きちんと解説されています。なんとなく「剣もぼろぼろ」的な印象もあるのですが、まったく違う語源でした。「けん」も「ほろろ」もキジの鳴き声だそうです。

Image1
キジ

 次の映像を見るとわかりますが、キジの鳴き声はケンには聞こえますが、ホロロとは聞こえません。「ほろ」はキジが鳴いた後によくする「母衣打ち(ほろうち)」からという説があります。その下の映像を見ると、母衣打ちするときの羽音がホロロに聞こえないこともないです。

 また、「けん」は「慳貪(けんどん)」をかけているという説明もあります。「剣突(けんつく)」にもかけているという説明もあり、必ずしも「剣」が無関係とは言えないようです。

 それでは、キジがどうして、けんもほろろの意味と結びついてのでしょうか。キジが鳴いてから母衣打ちするまでは、取りつく島もないほどの一瞬の動作です。取り付く島もないは「頼りにするところが何もないこと。何かを頼んだり相談しようとしても、相手の態度が冷たくて、きっかけがつかめないこと」ですので、けんもほろろの意味と同じです。あと、キジの鳴き声や鳴き方が無愛想だからという説もあるようです。

キジ鳴き声

野鳥撮影・ キジの母衣打ち(ホロ打ち)


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2022年5月 6日 (金)

自由市場ではないフリーマーケットの語源

 連休が始まり広場などでフリーマーケットが開かれています。このフリーマーケットの「フリー」は自由を意味する「Free」ではなく、昆虫のノミ(蚤)を意味する「flea」です。つまり、フリーマーケットを日本語にすると、「自由市場」ではなく「蚤の市」です。

フリーマーケット(蚤の市)
フリーマーケット(蚤の市)

 「蚤の市」は、もともとは、フランスのパリ北郊のラ・ポルト・ド‐サン・トゥアンで、毎週土曜日・日曜日・月曜日に立つ古物市のことででした。世界中から古物商が集まります。それが転じて、一般に古物市のことを「蚤の市」「フリーマーケット」と呼ぶようになりました。

 「蚤の市」の語源には蚤がわくような古着などを売っている市場だからという説もありますが定かではないようです。「flea」には汚い、みすぼらしいという意味もあります。いずれにしろ新品ではない古物も売っている市場がフリーマーケットです。

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2022年4月29日 (金)

西表島を「いりおもてじま」と読む由来

 石垣島の西方にある西表島。八重山列島のひとつで沖縄県八重山郡竹富町に属します。イリオモテヤマネコでも有名な大自然に恵まれた西表島は動植物の多様性が認められ2021年に世界自然遺産に登録されました。

 さて西表は「いりおもて」と読みます。西を「いり」と読むのですがこれは沖縄の言葉に由来します。日の出と日の入りから、太陽が昇る東を「上がり」、沈む西を「入り」と読みました。西表島は石垣島からちょうど西にありますから日の入る方角にあります。表は石垣島の於茂登岳(おもとだけ)を意味し、於茂登岳の西にある島ということで西表島と呼ばれるようになったと考えられています。

西表島と石垣島
西表島と石垣島

 それでは石垣島から見て東の方向にある島は東表島(あがりおもてじま)と呼ばれるのでしょうか。石垣島近辺の東方の海にはそもそも島がありませんので残念ながら東表島と呼べるような島はありません。

西表島の自然図鑑 (ネイチャーガイド)

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2022年3月13日 (日)

横書きは左から右に(1942年3月13日)

 この記事をご覧になっているほとんどの方は当たり前のように文字を左から右へと追いながらすらすら読まれていると思います。しかしながら、ひと昔前の日本では横書きは右から左へと読むように書かれていました。

 現在の日本語では漢字・ひらがな・かたかなの文字が使われていますが、もともと古代の日本には文字がありませんでした。日本人が漢字に初めて出会ったのは1世紀頃と考えられています。当時、中国大陸から伝わった金印や銅銭に漢字が書かれています。5世紀頃になると日本の地名や人名が漢字で記載された日本製の剣や銅鏡が作られるようになりました。日本人は日本語を表現する文字として漢字を積極的に使うようになり、やがてひらがなやかたかなを作り出しました。

 この漢字の影響を受けて当初の日本語には縦書きしかありませんでした。縦書きは文字が上から下へと書かれ右から左へと行が進みます。縦書きが右から左へと行が進む理由として巻物に文字を書いていたことに由来するという説があります。左手に巻物を持ち、右手に持った筆で文字を書いていけば右から左へ行が進むことになります。

 それでは横書きが使われるようになったのはどうしてでしょうか。それは横長の扁額(看板)や暖簾などに文字を書く必要性があったからに違いありません。右から左への横書き(右横書)の古い扁額(看板)や暖簾を見たことがある人も多いと思いますが、それらの横書きは1行ですから1文字で行を折り返す縦書きと考えることもできます。

 江戸時代の後期になると蘭学が盛んになり横書きの書物が出版されるようになりましたが、本格的に横書きが使用されるようになったのは明治時代に入ってからです。この頃になると外国語や数字や記号を含む文書は右横書では都合が悪く、左から右への横書き(左横書)で書かれるようになりました。大正時代になると身近なものの多くの表記が縦書きから横書きに書き換えられるようになりましたが、右横書と左横書の文章が世の中に入り乱れるようになりました。

 また同じ出版物の中で右横書と左横書の文章が併用されているものもたくさんありました。こうなると読者もどちらから読めば良いのか戸惑うことも多く文章の起点を記した出版物もありました。

 こうした混乱を避けるため政府は昭和17年(1942年)3月13日に「横書統一案要綱」をまとめま「国語ノ横書ハ本要綱ニヨリ之ヲ左書トスルコト」と左横書を推奨しました。同年7月には国語審議会も横書きは左横書で統一するように答申しました。しかしながら当時は戦時中でもあり、欧米の言語と同じ左横書はいかがなものかという意見も出て統一するには至りませんでした。

文部省図書局国語課は「横書統一案要綱」(昭47厚生00035100)
文部省図書局国語課は「横書統一案要綱」(昭47厚生00035100)

 戦後になるといっそう欧米化が進み右横書では読みずらいものが多くなり、次第に左横書が主流にとなっていきました。新聞も右横書から左横書を採用するようになりました。政府は昭和24年(1949年)4月5日に「公用文作成の基準について(依命通達)」を通達し、一定の猶予期間をもって左横書とするこことを定めました。昔の文書に使われているカナはカタカナで今となってはたいへん読みづらいのですが、このとき同時に文章に使うかな文字はひらがなに統一するよう定められています。

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2021年12月13日 (月)

今年の漢字は「金」(2021年12月13日)

 毎年、漢字の日(12月12日)に発表される今年の漢字ですが、2021年は12日が日曜日だったため13日に発表となりました。今年の選ばれた漢字は1,0422票を集めた「金」でした。で

 金が選ばれた理由は何といってもコロナ禍の中で57年ぶりに開催された東京オリンピックで日本が多数の金メダルを取得したことでしょう。またコロナ禍で多額の支援金が支給されました。記録という点では大谷翔平選手や松山英樹選手そして藤井聡太棋士が金字塔を打ち立てました。「金」が選ばれたのは今年が初めてではありません。2000年、2012年、2016年にも選ばれています。どの年もオリンピックでの金メダルの獲得が関係しています。

今年の漢字は「金」(2021年)
今年の漢字は「金」(2021年)

 今年の漢字の第2位は「輪」(1,0304票)で第1位の「金」(1,0422票)と僅差でした。第2位の「輪」は五輪の輪だと思いますが、それに加えて国民全員で新型コロナウイルスの感染を抑えたなどがあるかもしれません。第3位は「楽」(6,155票)、第4位は「変」(5,605票)、第5位は「新」(4,738票)でした。以下6位「翔」、7位「希」、8位「耐」、9位「家」、10位「病」となりました。

 1995年からの過去27回の今年の漢字は関連記事をご参照ください。

【関連記事】

2021年の今年の漢字|漢字の日(1995年12月12日)

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