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11月1日は点字の日(日本点字制定記念日)です。世界で初めて点字が考案されたのは1670年です。この点字はイタリアのカトリック司祭
フランチェスコ・ラナ・デ・テルツィが考案したもので点と線の組み合わせでアルファベットを表すものでした。その後、いくつかの点字が考案されましたが1825年にフランスの盲学校教師ルイ・ブライユが6つの点の配列でアルファベット、アクセント、句読、数字などを表す6点式と呼ばれる点字を考案しました。この6点式点字は当初は楽譜の表記に使われましたが、1854年にパリ盲学校で正式に採用されると広く使われるゆようになりました。
江戸時代や明治時代前半の日本語の点字は存在しておらず欧米の点字を使ってローマ字つづりで日本語を表していました。そこで日本語の仮名文字にあった点字の考案を提唱したのが楽善会訓盲唖院(官立東京盲唖学校長)の小西信八です。小西は明治19年(1886年)に千葉県の茂原小学校に校長を務めていた石川倉次を楽善会訓盲唖院への赴任を打診しました。石川は最初は固辞しましたが小西が熱心に要請するので明治20年(1887年)に訓盲唖院に赴任しました。
「小西信八(左)と石川倉次(右)」(1937年撮影)と点字の例
小西は石川にブライユ点字を日本の仮名に翻案する研究を依頼し、東京盲唖学校で倉次を中心に教員生徒が日本語の点字の研究を始めました。明治22年(1889)に同校の遠山邦太郎がブライユ点字を50音で表す案が発表すると、石川は研究を進めブライユ点字と同様の横2×縦3
の6点点字の案を発表しました。それ以外にも多くの点字研究者が日本語の点字案を発表しました。
明治23年(1890年)9月に第1回点字選定会が開かれ、石川案、遠山案、東京盲唖学校生徒の伊藤文吉と室井孫四郎の案の3案が採用の対象となりました。それぞれの点字の使い勝手などが評価され、同年11月1日に開かれた第4回選定会で石川の案が採用されました。
日本語の点字は次のように並べた6点で表記されます。 この横2×縦3の6点の配列のうち①②④で母音となる「あ行」を表記し、③⑤⑥に点を加えて「か行」から「わ行」までの子音を表記します。記号類や濁音などは子音にはない①②④と③⑤⑥の組み合わせで表します。
① ④
② ⑤
③ ⑥
この日本点字の採用に因み2013年に日本点字普及協会が日本記念日協会へ記念日の制定を申請し、11月1日が点字の日(日本点字制定記念日)に登録されました。
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