牛レバ刺し最後の日(2012年6月30日)
2011年4月、西日本を中心として展開していた焼肉チェーン店でユッケなどの生肉を食べた客が腸管出血性大腸菌O111やO157による食中毒を起こし複数の死者が出る事件が発生しました。この事件で生肉の衛生管理が社会的に大きな問題となりました。この食中毒事件を受けて生食用牛肉の提供の基準が厳しくなりました。厚生労働省や農林水産省が広く食肉の調査を行った結果、食中毒事件とは無関係であった牛レバーの内部にO157が混入することが判明しました。それまでは牛レバーは菌が表面に付着しているだけで表面を適切に処理すれば除去できると考えられいました。これによって牛レバー内部の殺菌方法が検討されましたが完全に殺菌する方法は見つかりませんでした。このような状況から食品衛生法が改正され2012年7月1日から牛のレバーを生食用として販売・提供することが全面的に禁止されました。なお食中毒事件を起こしたユッケについては適切な処理をすれば提供は可能となっています。次の写真の牛レバ刺しは2012年6月30日に食べたものです。
牛レバ刺し最後の日に味わって食べていたところアルバイトの学生が「牛レバ刺し美味しいですか」と聞いてきました。生まれてから20年、牛レバ刺しを食べたことがないということでした。そこで一切れ食べてみるようすすめました。すると牛レバ刺しを一切れ口に入れたとたんに「うめぇ~」と。しかし今日は牛レバ刺し最後の日。食べたレバ刺しも店で最後の最後の一切れ。人生で初めてレバ刺しを食べて感動した日が、レバ刺しを食べた最後の日になってしまうのか。いや彼はまだ若い再びレバ刺しを食べることができる日がやってくるかもしれません。
牛レバ刺しは長らくの間食べられていました。確かに食中毒のリスクはありますが、いろいろな食材の中で突出して食中毒事件が多かったわけではありません。食中毒の可能性があるということで全面的に禁止となったわけですが、この官による禁止が食文化にとって正しかったのかどうかは議論が分かれるところです。
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