ヨーロッパオオカミ|欧州で個体数が回復し保護基準の見直しも
ヨーロッパオオカミはネコ目イヌ科イヌ属の中型から大型の哺乳類でタイリクオウカミ(ハイイロオオカミ)の亜種です。ヨーロッパからロシアにかけてユーラシア大陸に広範囲に分布しています。ヨーロッパオオカミの身体は流線型をしています。全身に毛が密生しており、体色は背中の色が濃く腹部の色が薄く主に灰色ですが、白、黒、茶色の個体も存在します。体長は100~160センチメートル、肩高は60~90センチメートルでオスはメスに比べて大きく頭と首が広い特徴があります。
ヨーロッパオオカミは肉食動物で主にシカ、ヘラジカ、ノロジカ、イノシシ、シャモアなど偶蹄類の哺乳類を捕食します。生息域の獲物によって食性が変化し、前述の動物がいない場合は小型の哺乳類、鳥類、魚類、腐肉などを捕食し、果実なども食べます。冬になると食料が少なくなるため動物の死骸を食べることもあります。またヒツジ、ヤギ、ウシなどの家畜を襲うこともあります。
社会性の高い動物で家族単位の群れで生活します。群れの大きさは通常5〜10頭ですが20頭を超える場合もあります。知能が高く群れで協力して獲物を捕食し、遠吠えや表情などでコミュニケーションをとります。縄張り意識が強くマーキングや遠吠えで縄張りを示します。狩りは集団で行い、知能が高く、素早く音を立てずに動くことができます。寒冷な気候に適応しており、昼間は休息し、夜明けと夕暮れ時に活動が活発になります。
オオカミはかつては家畜を襲うことなどから害獣とされ駆除によって激減または絶命しました。しかし、近年では絶滅を免れたヨーロッパ狼は保護の対象となっており個体数が回復しています。オオカミは生態系において捕食者としてシカやイノシシなどの草食動物の個体数を調整し生態系のバランスを保つ重要な役割を果たしてています。しかし、家畜を襲う事例が再び増えていることから保護基準が見直され駆除が許される動きも出てきています。
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