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2025年4月15日 (火)

ソメイヨシノの起源|開花予想(桜前線)に使われる理由

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 サクラはバラ科サクラ亜科サクラ属の落葉広葉樹です。サクラにはいろいろな種類がありますが開花予想(桜前線)に利用されているのがソメイヨシノです。ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの自然交雑あるいは人為的交雑で生まれた日本原産のサクラです。1995年に行われた遺伝子調査の結果、単一の樹を源流とする栽培品種のクローンであることが判明しています。本記事ではソメイヨシノの起源について解説します。

ソメイヨシノ
ソメイヨシノ

 江戸時代後期に大名屋敷に出入りする植木屋が集まる村全体が花園のようになっている駒込染井村(現:東京都豊島区駒込)がありました。染井村では日本庭園に植えるため多くの植物の裁判品種が開発されました。ソメイヨシノは染井村でエドヒガンとオオシマザクラを自然交雑あるいは人為的交雑されて生み出されたものという説と、染井村に持ち込まれたエドヒガンとオオシマザクラの雑種の1本が接ぎ木や挿し木によって増やされたという説があります。

 染井村の植木屋は当初このサクラをヤマザクラで有名な奈良県の吉野山の「吉野の桜」に因み「吉野桜」と名をつけて販売しました。「吉野桜」はエドヒガンの葉より先に大量の花を咲かせるという特徴とオオシマザクラの成長が速く若木から花を咲かせるという特徴を兼ね備えていたこともあり人気の桜となり明治時代には日本全国に広がっていきました。

多数の花を咲かせるソメイヨシノ
多数の花を咲かせるソメイヨシノ

 「吉野桜」が有名になるとヤマザクラと混同されるようになり、明治33年(1900)年に染井村の「染井吉野」と紹介されました。翌明治34年(1901年)には植物学的に分類され学名(Prunus yedonsis Matsum)が付けられ和名は「ソメイヨシノ」となりました。現存する日本最古のソメイヨシノは明治11年頃に現在の福島県郡山市の開成山公園に植樹されたものです。 第二次世界大戦後に日本各地で植樹が行われ日本を代表するサクラとなりました。

 ソメイヨシノの開花時期は全国的には3月から5月上旬です。南方に行くほど早く咲きますが、平均温度が15度以下にならない沖縄ではソメイヨシノは咲きません。3月から4月上旬にかけて九州、四国、関西、東海、関東と開花していき、4月下旬から5月上旬にかけて東北、北海道と開花していきます。ソメイヨシノは葉が出る前に5枚の花弁の花を咲かせます。咲き始め淡紅色ですが満開に近づくにつれて白みがかってきます。

ソメイヨシノの花
ソメイヨシノの花

 ソメイヨシノは開花から散るまでが速いと考えられていますが、これはソメイヨシノが栽培品種のクローンであり同じ場所に植樹されたものは開花時期が揃っているからです。ヤマザクラなどの野生種は同じ場所でも開花時期に幅があるため長期間咲いているように見えますが単一の木で比較するとソメイヨシノの方がヤマザクラより開花して散るまでの期間が長いことがわかります。ソメイヨシノは全国各地に植樹されており地域で開花時期が揃っているからこ開花予想(桜前線)に使われているのです。

 ソメイヨシノは遺伝子が同じであるためソメイヨシノ同士で受粉して結実しても種子は発芽しません。ソメイヨシノと別の品種のサクラが受粉したときには結実した種が発芽しますがもはやソメイヨシノではありません。現在、約100種類ぐらいのソメイヨシノと別種のサクラから生まれた品種が存在しています。ソメイヨシノがクローンと知ると驚く人もいますが、栽培品種においては品種改良のため接ぎ木や挿し木でクローンを増殖させることは平安時代から行われていることでめずらいいことではありません。

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