映画「地獄の黙示録」日本先行公開(1980年2月16日)
映画「地獄の黙示録」はジョセフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作としたフランシス・フォード・コッポラ監督、マーロン・ブランド、マーティン・シーン出演のアメリカ合衆国の戦争映画です。米国での公開は 1979年8月15日、日本での公開は1980年2月16日です。
「地獄の黙示録」はベトナム戦争を舞台にした戦争映画です。戦闘が激化する中でアメリカ陸軍特殊部隊(グリーンベレー)のウォルター・E・カーツ大佐は軍規を無視し戦闘を繰り広げカンボジア奥地のジャングルを拠点として自らの王国を築きあげていました。カーツ大佐は兵隊や現地の人々を支配し神のように崇められていました。南ベトナム軍事援助司令部の研究監視団に所属する工作員ベンジャミン・L・ウィラード大尉はカーク大佐の暗殺を命じられ部下4人とともに哨戒艇で川を遡りカーツ大佐の王国に向かいますがその過程で戦争の狂気や人間の深層心理に触れていきます。
原作の小説「闇の奥」は戦争映画ではなくヨーロッパによる植民地支配が行われていたアフリカを舞台にした物語です。主人公の船乗りのチャールズ・マーロウがアフリカの奥地で象牙の取引を行っているクルツに会うために川を遡って奥地の拠点に向かいます。クルツも現地の人々を恐怖で支配し神のように崇められていました。マーロウは目的地に向かう過程で植民地支配の実態を目にし狂気に満ちた世界と人間の深層心理に触れていきます。
1967年にジョン・ミリアスはフランシス・フォード・コッポラの映画「雨のなかの女」の製作スタッフをしていたときジョージ・ルーカスと
スティーブン・スピルバーグからベトナム戦争の映画の脚本を書いてはどうかと勧められました。ミリアスは10代の頃に読んだ「闇の奥」の舞台をベトナム戦争に脚色することを思いつきました。この映画の企画にあたりコッポラがミリアスの脚本と映画化に資金提供することになりました。しかしながら当時はベトナム戦争の真っ最中であり映画会社は映画化に難色を示しました。その後、ミリアスはこの映画の監督にルーカスが適任と考え、ルーカスと企画を進めました。映画プロデューサーで後に「スター・ウォーズ」をプロデュースするゲイリー・カーツがロケ地などの検討を行いましたが、ルーカスが「アメリカン・グラフティ」や「スター・ウォーズ」で多忙となったためこの企画は保留となってしまいました。このためミリアスの脚本を大いに気に入っていたコッポラが自ら監督として映画化することを決意し製作を始めました。
自分はこの映画を高校生ぐらいに映画館で見ました。映画はドアーズの「ジ・エンド」のBGMが流れる中でナパーム弾が全てを焼き払うシーンで始まります。映画前半は「ワルキューレの騎行」を流しながら敵地を攻撃するヘリコプター部隊、戦地でのサーフィン、米軍基地でのプレイメイトの慰安活動などブラックユーモアを交えながら物語が展開していきます。ところが後半になりカーツ大佐の拠点に近づくに連れて雰囲気が代わり緊張感が高まります。映画の内容も戦争の狂気や人間の内面が深く掘り下げられた哲学的で宗教的なものになっていきます。カーツ大佐もっ極悪人というわけではありませんでした。当時、見ていて後半はとてもわかりにくかった印象があります。映画館で2回見ましたがこの映画の内容を理解したのは大学生の頃にレンタルビデオで繰り返し見たときと記憶しています。
さて慰安活動のダンサーには見覚えがありました。ブルース・リーの「死亡遊戯」でビリー・ローの恋人のアン・モリスを演じたコーリン・キャンプでした。またハリソン・フォードがルーカス大佐という端役で登場します。もともとウィラード大尉の役はハリソン・フォードの起用も検討されたそうですが「スター・ウォーズ」の撮影があるため見送られたそうです。映画撮影を見学に来たときに端役として出演することになったのですが役名をルーカスにしたのはコッポラ監督のアイデアでしょう。
映画の評価もわかれますが1979年度カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞しています。アカデミー賞では作品賞をはじめとする8部門でノミネートされ撮影賞と音響賞を受賞しています。その他、ゴールデングローブ賞「監督賞」「助演男優賞」、全米映画批評家協会賞「助演男優賞」、英国アカデミー賞「監督賞」と「助演男優賞」などを受賞しており高く評価されています。一方で前半は満点だが後半は0点という酷評もありましたが娯楽映画としての戦争映画を見たときにはそのような印象を受けるかもしれません。高校生の頃の自分がそうでした。
現在もときどき「地獄の黙示録」を見ますが、いつも内容を改めて解釈しなければという緊張感が走ります。「2001年宇宙の旅」を見るときお同じような緊張感になります。
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