北海道ユルリ島の野生馬
北海道根室市昆布盛の南東約2.6 kmに無人島のユルリ島があります。ユルリ島の周囲は約7.8 km、海抜43.1 mの断崖に囲まれた島です。面積は約200ヘクタールで東京ドーム約43個分の広さです。ユルリ島は古くから船の泊地として利用され昆布漁が行われていました。江戸時代には高田屋嘉兵衛が航行の安全を祈る金刀比羅神社を創祀しています。
島名のユルリ(ウリル)はアイヌ語で「鵜の居る島」という意味です。ユルリ島は名前の通りエトピリカ、チシマウガラス、ケイマフリなどの海鳥の繁殖地になっています。また島の中央部には希少な植物がたくさん生息しています。昭和38年(1963年)に北海道により天然記念物に指定されましたが当時は人の立ち入りや居住に制限はありませんでした。現在は人の立ち入りは禁止されています。
ユルリ頭にはかつて多くの野生馬が生息していました。大正時代に馬の放牧がされるようになりましたが第二次世界大戦により放牧は行われなくなりました。現在、ユルリ島に生息している野生馬の祖先は戦後の昭和20年代に昆布漁のために輸送手段として北海道から持ち込まれた馬です。昭和40年代に島民が島を離れたときに放牧されると、馬たちは水や餌が豊富なユルリ島で自然繁殖しながら野生化していきました。
1990年代初めには約30頭の野生馬が生息していました。定期的に種牡馬が持ち込まれていましたが2000年代に入ると種牡馬の持ち込みができなくなりました。牝馬しかいないため繁殖ができなくなりました。2017年にはわずか3頭の牝馬が確認されていますが、ユルリ島の野生馬はいずれ消えゆく運命にあります。YouTubeにユルリ島の映像がありました。野生馬の群れ疾走する姿が映っています。
ユルリ島は北海道根室市昆布盛の南東約2.6km(北緯43度12分、東経145度35)にあります(Google Map)。
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