バスティーユ牢獄で謎の仮面の囚人が死亡|鉄仮面(1703年11月19日)
1703年11月19日、フランスのバスティーユ牢獄に収監されていた1人と囚人がこの世を去りました。この人物はルイ14世の時代に捕らえられた政治犯ウスターシュ・ドージェとされています。彼は1669年7月19日に出された逮捕状により同年7月28日に逮捕され8月24日にピネローロ監獄に投獄され監獄長ベニーニュ・ドーヴェルニュ・ド・サン=マルス預りとなりました。サン=マルスはドージェの直接の世話役となり、サン=マルスが他の監獄に転勤になるとドージェも移送されました。サン=マルスとドージェがバスティーユ牢獄にやってきたのは1698年のことです。
実は不思議なことにこの政治犯の名前ウスターシュ・ドージェは政府がつけた偽名でした。投獄は厳密に管理され正体が秘匿されました。看守が残した記録によるとドージェは人と会うときには必ず布製のマスクを着用しており丁重な扱いを受けていたとされています。人前でマスクを取ったり、自身の経歴を話したりしたときには射殺するよう命令が出ていました。ですから誰もドージェの素顔を見たものはありませんでした。
ドージェはサン=マルスによって34年間にわったって拘留され1703年11月19日に獄死しました。ドージェの埋葬証明書には「マルキオリ」と別名が記載されていました。よほど政府はこの政治犯の投獄を極秘にしたかったのでしょう。
この政治犯の正体には諸説ありますが今以て誰なのかはわかっていません。「マルキオリ」という名前からイタリアの外交官エルコレ・アントニオ・マッティオーリという説があります。またフランスやイギリスの著名な政治家・貴族・軍人、ルイ14世に関係する人物という説もあります。この政治犯が誰であるのか多くの伝説が残されています。後世には多くの小説や映画で「鉄仮面」という題名で取り上げられました。実際には「鉄仮面」は脚色で政治犯は上述の通り布製のマスクを着用していました。
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