第18話「箱館政権樹立」|明日なき戦いの果てに
松前藩は大政奉還後は新政府に恭順を示す一方で奥羽越列藩同盟に加わり日和見していたが尊皇派の家臣たちが隆起し新政府側についた。旧幕府軍は降伏勧告に向かった使者が殺されたため土方歳三のもと彰義隊、額兵隊、衝鋒隊などが明治元年(1868年)11月5日に松前城を攻め落とした。このとき松前藩主と主力部隊は既に渡島国檜山郡館城に移動していた。
続いて星恂太郎率いる額兵隊が先鋒となり江差攻略に向かった旧幕府海軍が15日に江差を占領していた。ところが同日の暴風波浪で開陽丸が江差で座礁し数日後に沈没、旧幕府軍は主力軍艦を失った。館城は松岡四郎次郎が率いる部隊などの攻撃で15日に落城、松前藩主らは熊石から弘前藩へ撤退した。旧幕府軍は蝦夷地を制圧した。
旧幕府軍は様々な組織の残党の集まりで統制が難しい状況にあった。そこで米国政治体制などを参考に日本初の選挙となる公選入札を行うことになった。選挙の結果、武陽が総裁に選出され12月15日に箱館政権が樹立した。新政府は武陽の蝦夷地開拓と防衛の嘆願書を却下し箱館政権を認めなかった。開陽丸を失った箱館政権は制海権を確保できなくなり新政府軍が蝦夷地へ上陸を開始、函館戦争が開戦した。
箱館政権首脳陣
総裁 榎本武揚
副総裁 松平太郎
海軍奉行 荒井郁之助
陸軍奉行 大鳥圭介
陸海裁判官 竹中重固、今井信郎
陸軍奉行並 土方歳三
箱館奉行 永井尚志 松前奉行 人見勝太郎
江差奉行 松岡四郎次郎 小杉雅之進
開拓奉行 澤太郎左衛門
会計奉行 榎本道章 川村録四郎
海軍頭 松岡磐吉 海軍頭並 甲賀源吾 根津勢吉 小笠原賢蔵 古川節蔵 浅羽甲次郎
歩兵頭 本多幸七郎 古屋佐久左衛門 歩兵頭並 滝川充太郎 伊庭八郎 大川正次郎 松岡四郎次郎 春日左衛門 星恂太郎 天野新太郎 永井蠼伸斎
砲兵頭並 関広右衛門 中島三郎助
工兵頭並 吉沢勇四郎 小菅辰之助
器械頭並 宮重一之助 渋沢成一郎
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