映画「醉いどれ天使」公開(1948年4月27日)
映画「醉いどれ天使」は昭和23年(1948年4月27日)に公開された東宝製作・配給の黒澤明監督の映画です。主演は志村喬と三船敏郎です。黒澤明監督の映画では三船敏郎と志村喬さんは欠かせない俳優です。三船敏郎さんはこの映画が初めて黒澤映画の出演となりました。志村喬さんは昭和18年(1943年)の「姿三四郎」から黒澤映画に出演していますが、この映画で初めて主演となりました。
貧乏で酔いどれの中年医師の真田は傷を手当したことがきっかけで闇市で暗躍する若いやくざの松永と出会いました。ほどなく真田は松永が結核にかかっていることを知り治療を試みますが松永は言うことを聞かず相変わらずの荒れた日々を過ごします。松永の病気は悪化し、吐血した松永は真田の病院に運び込まれます。真田の治療で一命を取り留めた松永は再び荒れた生活に戻ります。抗争で殴り込みを仕掛けて返り討ちにあいこの世を去ります。真田は馬鹿と奴と松永の死を悲しみますが、闇市は何もなかったかのように相変わらずの活況ぶりでした。そんなときに真田は結核が治ったと喜ぶ女学生に再開し、わずかな希望の光を見出します。
この作品は黒澤明監督らしいヒューマニズムに溢れる作品で第22回キネマ旬報ベスト・テン第1位となりました。 後の「羅生門」や「生きる」などを見るとラストシーンに共通点を見出すことができます。
黒澤明監督は感情的で血気盛んに威勢を張る松永を通じて人間の弱さ、孤独と哀しみを見事に表現しました。三船敏郎さんは黒澤明監督が考える松永を見事に演じ、この映画をきっかけに以降の黒澤映画の主役に抜擢されました。
なおこの作品にはブギを唄う女として笠置シヅ子さんが出演されています。
【映画】
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