映画「モダンタイムス」米国で公開(1936年2月5日)
映画「モダン・タイムス」は1936年に公開されたチャールズ・チャップリンが監督・脚本・製作・作曲・主演を務めたアメリカの喜劇映画です。労働者が歯車となって資本主義と機械文明に傾倒していく社会を風刺した作品です。日本では1938年2月に公開されました。
大工場で働く男が連日の単純作業に耐えられなくなって錯乱しトラブルを起こすようになり病院送りとなります。退院した日にトラックが落とした赤旗を拾い追いかけていたところ労働者のデモ隊の先頭に出てしまいリーダーと誤認されて逮捕され拘置所に入れられてしまいます。しかし脱獄囚を捕まえたことで放免され造船所で働き始めます。しかし造船中の船を沈めてしまい首になってしまいます。職もなく街をうろつく生活が続き拘置所での生活が良かったと考えていました。ある日パンを盗もうとして警察に逮捕された少女を目撃し、拘置所に入るチャンスと罪を自分がかぶって逮捕されます。しかし、目撃者の証言から少女も逮捕されてしまいます。2人は護送車に乗せられますが、護送車が事故を起こし、外に投げ出された2人は逃亡します。2人は郊外の朽ち果てた家で暮らすようになり、男は工場で働きはじめ、少女はキャバレーでダンサーとして働き始めます。男の仕事はうまくいかず、少女の紹介でウェイターとして働き始めます。2人は楽しく働いていましたが、そこに施設が逃げ出していた少女を捕まえようと男たちがやってきます。2人は何とか逃げ出しますが、やっと手に入れた幸せな生活すら許されない現実に少女は涙を流します。諦めないで強く生きていこうと励ます男の言葉に少女は頷き、2人は自由な生活を求めてはるか向こうに続く一本道へ歩き去っていくでした。
「モダン・タイムス」は資本主義と機械の登場により労働者の尊厳が失われ、そして利益を追求するための機械の導入が人々を失業させて生活を壊していく社会を風刺しています。チャップリンは「街の灯」の宣伝のためヨーロッパを訪れたときに大恐慌の影響を受けた社会を見たこと、科学技術についてマハトマ・ガンジーと会話したことがきっかけになってこの映画を制作しました。
「モダン・タイムス」の時代は機械の登場による社会と人々の生活が大きく変化しましたが、機械を人工知能やコンピュータに置き換えると現在もまさに「モダン・タイムス」と同じようなことが起きていると言えるでしょう。あらゆるものが自動化されていき人々の生活が便利になっていく一方で仕事が失われていくことになるでしょう。「モダン・タイムス」は時代を超えて現代に生きる私たちにも教訓を与えてくれます。
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