慶安御触書(1649年2月26日)
慶安御触書は慶安2年(1649年)に江戸幕府が農民に対して発令したされる幕法が記されたぬ文書す。文書の末尾に慶安2年2月26日(1649年4月7日)とあることから、この日に触書が出と考えらています。
慶安御触書の目的は年貢確保のための農民統制であり、農業のあり方や農民の生活などを細かく定めた32の条文からなります。幕府の法令を守ること、名主や組頭を親のように尊敬すること、酒や茶を買って飲まないこと、粟や稗などの雑穀などを食べ米を食べ過ぎないこと、麻と木綿以外の衣服は着てはいけないこと、仕事に励むこと、煙草を吸わないこと、など多くの決まりが記載されています。
慶安御触書は明治時代に編纂された「徳川禁令考」に収録されていますが、原本は発見されておらずその存在が疑問視されるようになり幕府法令ではなかったという説が有力になっています。
文政13年(1830年)に美濃国岩村藩で出版された「甲子夜話」に慶安御触書の記述があり、幕府学問所総裁の林述斎が慶安御触書を流布させたとの記述があります。林述斎は「徳川実紀」にも慶安御触書に記述しています。天保年間に飢饉や一揆が多発するようになったことをきっかけに慶安御触書が幕府法令として広まっとされています。
しかしながら慶安御触書の原本は発見されず一部の地域で発行された文書にしか記述がないため幕府法令ではないと考えられるようになりました。慶安御触書は偽文書とする説、幕府や諸藩が過去に出した法令をまとめたものという説などがあります。実際に甲斐国や信濃国で発行された農民向けの規範が存在し各地に残されているものもあります。慶安御触書は幕府法令ではなかったものの一部の地域では農民の暮らしは厳しく統制されれいたと考えられるでしょう。
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