世阿弥「初心忘るべからず」の真意
いよいよ今年も本日で終わりです。本ブログ「夜明け前」をご覧頂きありがとうございます。年の最後の日の記事は世阿弥が唱えた芸の奥義「初心忘るべからず」の話で締め括りたいと思います。
「初心忘るべからず」は室町時代初期の大和猿楽結崎座の猿楽師の世阿弥が唱えた言葉です。父の観阿弥と猿楽を成就し、観世流の能として受け継がれています。世阿弥は多くの書を残していますが「初心忘るべからず」は世阿弥が芸術論を集大成した能芸論書「花鏡」の奥段に芸の奥義として記した言葉です。
「初心忘るべからず」は最初の気持ちを忘れないと理解している人が多いかもしれませんが、本来の意味とは異なります。世阿弥が「花鏡」に残したのは「是非初心不可忘。時々初心不可忘。老後初心不可忘」で、これを現代語に訳すと「是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず」となります。
初心者の初心を忘れるなという意味ですが、これは何かを始めたときの初心を忘れるなという意味だけではありません。未熟だった頃に芸を学んだ初心を忘れることなく、そして年齢を重ねながら芸に挑み続けるということはその時々においてはそれなりの未熟さや拙さがあるはずだからその時点の初心がある、また老齢になったからと言って完成するものではなくその時々において常に未熟であり初心があるということです。その初心を忘るべからずというのが世阿弥の言う芸の奥義です。
Amazonアソシエイトとしてブログ「夜明け前」は適格販売により収入を得ています。
| 固定リンク | 1
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 杉玉とは?|酒蔵の軒先に吊るされた球体(2025.10.17)
- まぐろの日(10月10日)(2025.10.10)
- ビー玉の語源は?(2025.08.13)
- 幽霊の日|歌舞伎「四谷怪談」の初演日に由来(文政8 1825年7月26日)(2025.07.26)
- ピーテル・ブリューゲルの「死の勝利」とブラックサバスのベストアルバム(2025.07.09)
「哲学」カテゴリの記事
- Geminiが描いた「空飛ぶ馬」と「空飛ぶ牛」(2024.11.30)
- 哲学の日(紀元前399年4月28日)(2024.04.28)
- ジョルダーノ・ブルーノの忌日(1600年2月17日)(2024.02.17)
- 映画「アンドリューNDR114」日本公開(2000年5月13日)(2023.05.13)
- Google Bardと思考実験「トロッコ問題」の会話してみた(2023.05.12)
「国語」カテゴリの記事
- ビー玉の語源は?(2025.08.13)
- 2023年の今年の漢字は「税」|漢字の日(2024年12月12日)(2024.12.13)
- 2024年の流行語大賞は「ふてほど」?(2024.12.05)
- 永久の未完成これ完成である(2024.08.12)
- 2023年の今年の漢字は「税」|漢字の日(2022年12月12日)(2023.12.13)

コメント