世界初の戦艦「ラ・グロワール」進水(1859年11月24日)
戦艦「ラ・グロワール」は西洋初の外洋航行が可能な装甲艦です。艦種としては装甲フリゲート艦です。世界初の戦艦とされています。フランス語でグロワールは「栄光」を意味します。
フランスは1853年~1856年にかけて起きたクリミア戦争でオスマン帝国・イギリス・サルデーニャと連合しロシアと戦いました。クリミア戦争後にフランスがとりわけ非装甲の木造船に対する破壊力を高めた炸裂弾を使用するペクサン砲やライフル砲などの艦砲技術に対応して開発したのが「ラ・グロワール」です。「ラ・グロワール」は1585年4月に起工し、クリミア戦争後の1859年11月24日に進水しました。
「ラ・グロワール」はフランス海軍の軍艦の近代化に貢献した造船技師スタニスラス・シャルル・アンリ・デュピュイ・ド・ロームによって設計されました。マスト3本の帆機走木造フリゲート艦で排水量5,630トン、全長77.8 m、全幅17 mで吃水8.4 mとそれほど大きくはありませんが舷側のほぼ全体が喫水線まで厚さ119 mmの装甲で覆われていました。余談ですがアンリ・デュピュイ・ド・ロームは飛行船や電動式潜水艦の開発も行っています。
「ラ・グロワール」が1860年8月に就役するとそれまで活躍していた全ての軍艦が陳腐化することなりました。そのため各国で海軍の軍備強化が行われ軍備競争が起きました。とりわけフランスとイギリスの海軍軍拡競争が再燃し、それ以降は大型戦艦の建造が相次ぎました。当時最強の海軍力を持っていたイギリス海軍は1861年8月に装甲艦 HMSウォーリアを就役させています。これが「ラ・グロワール」が世界初の戦艦と呼ばれている所以です。
「ラ・グロワール」は装甲部分に比べて木造部分が劣化したことから1879年に除籍され1883年に解体されました。復元はされていませんがグロワール号の縮尺模型がフランス国立海洋博物館で展示されています。
【関連記事】世界初の戦艦「ラ・グロワール」進水(1859年11月24日)
・豪華客船オリンピック号がUボートを撃沈(1918年5月12)
・航空自衛隊YS-11FC 160号機(機体番号12-1160)|八王子「自衛隊まつり」
・ブルーインパルス 八王子市 市制100周年記念 (2017年9月16日)
・米原潜「ノーチラス」が潜航で北極点を通過(1958年8月3日)
Amazonアソシエイトとしてブログ「夜明け前」は適格販売により収入を得ています。
世界初の戦艦「ラ・グロワール」進水(1859年11月24日)
| 固定リンク | 0
「今日は何の日」カテゴリの記事
- 明治政府が長崎の浦上のキリシタンを流罪|浦上四番崩れ(慶応4年 1968年閏4月17日)(2025.04.17)
- 第1回モナコ・グランプリ開催(1929年4月14日 )(2025.04.14)
- 忠犬ハチ公の日(昭和9年 1934年4月8日)(2025.04.08)
「船舶」カテゴリの記事
- 蛭子末次郎考案の開拓使旗「北辰旗」制定される(明治5年 1872年2月15日)(2025.02.15)
- 陽炎型駆逐艦「雪風」就役(1940年1月20日)(2025.01.20)
- イギリス東インド会社が設立(1600年12月31日)(2024.12.31)
- 兵庫港が開港|神戸開港記念日(1867年12月7日)(2024.12.07)
- 日本海軍空母機動部隊が択捉島単冠湾から出港(1941年11月26日)(2024.11.26)
コメント