鉄道の古レールの刻印(UNION 1906 I.R.J.)
高校生の頃、夏になると北海道の十勝地方の親類の農家で住み込みのアルバイトをしました。古い農機具などが収められている納屋を片付けていたときに見つけたのが鉄道の古レールでした。古レールの刻印を見ると「UNION 1906 I R」と読み取れます。
かつて日本の鉄道のレールは輸入品が使われていました。日本製のレールは八幡製鉄所が明治34年(1901年)に製造を始め、明治39年(1906年)の鉄道国有化された頃から使われるようになりました。当初は品質や価格の面で外国製レールがコストパフォーマンスが高かったことから昭和の初め頃までは外国製レールが使われていました。
古レールのことはあまり詳しくありませんが、UNIONはドイツのウニオン(Union A.G. fur Bergbau u. Stahi Industrie zu Dortmund
)という会社名です。初期の刻印では「UNION D」だったそうですがこのレールはDはありませんでした。また1906年は製造年を表しています。I.R.とありますがUNION社製の他のレールの写真には I.R.J とありますので、これも I.R.J だったのではないかと思います。発注者名を意味しています。官営の鉄道の意味のようですから当時の鉄道局(現在JR)のことでしょう。
なぜ農家の納屋にあったのかわかりませんが、このあたりには精糖会社が沿線で収穫されたビートを輸送する専用線が敷かれていました。昭和26年(1951年)に廃線となった十勝鉄道清水部線と思われます。私鉄と思いますが、この専用線で使われていたものでしょうか。
この農家は既に人が住んでいませんが土地や建物は当時のまま残っていますのこの古レールもいまだ敷地のどこかに佇んでいるかもしれません。レールが途中で切られて J がありませんので価値はなさそうです。
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