テレビドラマ必殺シリーズ第一作「必殺仕掛人」放送開始(1972年9月2日)
必殺シリーズと言えば弱者の恨みを晴らすために裏稼業を遂行する仕掛人や仕置人などと呼ばれるものたちの活躍を描いたドラマです。彼ら普段はまともな職業についていますが、裏稼業の依頼を受けるとその代償として金銭を受け取り、それぞれの商売道具を使って務めを果たします。
その必殺シリーズの第一作「必殺仕掛け人」の放送がTBS系列で始まったが昭和47年(1972年)9月2日です。「必殺仕掛け人」は池波正太郎の短編小説「殺しの掟」を元にして「小説現代」で1972年3月から連載された同氏の小説「仕掛人・藤枝梅安」を原作として制作されたドラマです。原作がドラマ放送と同時期に執筆されていたためドラマと原作に異なる部分も多く登場人物も異なります。藤枝梅安は登場するものの他は「殺しの掟」の登場人物が登用されています。
1972年の時代劇はフジテレビの「木枯らし紋次郎」が視聴率30%を超える人気を博していました。これに対抗するため朝日放送は少し前の人気時代劇「鬼平犯科帳」を執筆した池波正太郎の作品を原作とした時代劇を企画しました。正義の味方、勧善懲悪が多いテレビドラマの時代劇の中で、恨みを晴らすのが目的とは言え金銭を得て人をあやめる者たちが主人公というドラマは他に類を見ないものでした。そして、当時の型にはまった時代劇ではなく現代劇や家庭的な要素を取り入れた時代劇とすることになりました。
こうした工夫が功を奏して「必殺仕掛人」は視聴者に受け入れられあっという間に人気時代劇となったのです。「必殺仕掛人」は土曜日の夜10時から放送されました。当時のTBS系列の土曜日は午後8時から「8時だョ!全員集合」、午後9時から「キーハンター」が放送されました。この後に「必殺仕掛人」が放送されたことから土曜日の夜はTBSに釘付けになった視聴者がたくさんいました。「必殺仕掛人」によって後に続く必殺シリーズの礎が作られたのです。
さて「必殺仕掛人」のメンバーは藤枝梅安、西村左内、岬の千蔵、櫓の万吉、音羽屋半右衛門でした。必殺シリーズと言えば藤田まことさんが演じる中村主水を思い出す人が多いと思いますが、中村主水が登場するのは 1973年4月21日から放送が始まったシリーズ第二作目の「必殺仕置人」からです。 なぜ中村主水が登場することになったのかはまた別の機会に。
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