冥王星が惑星から除外され準惑星に(2006年8月24日)
冥王星は1930年にクライド・トンボーが発見し長らく太陽系第9惑星とされていました。発見当初から冥王星は他の惑星と比較して離心率の大きい軌道と黄道面から傾いた軌道傾斜角を持つことが知られていました。1990年代に太陽系外縁天体(TNO)が発見されるようになると、冥王星が惑星であることに異論が出るようになりました。
冥王星の質量は地球と同じか数倍程度と考えられていましたが、天体観測技術の向上により予想よりはるかに小さい質量であることが判明しました。また冥王星の氷の成分が彗星の氷と同じであることから冥王星は微惑星が集合したものと考えられるようになりました。 1990年代後半には様々な観測データから冥王星は太陽系外縁天体と考えられるようになりましたが、国際天文学連合(IAU)は冥王星の立場を変えることなく惑星のままとしました。
しかしながら天体観測技術のさらなる向上によって多くの太陽系外縁天体が発見されるようになり、その中には冥王星の大きさに匹敵するものもありました。冥王星が惑星とするならば新たに発見された冥王星級の太陽系外縁天体も惑星ということになってしまいます。
2006年8月14日からチェコのプラハで開かれたIAU総会で惑星の定義を改める議論が行われました。最初に提示された原案の定義では冥王星は惑星とされ、他に3つの天体が惑星が加えられて太陽系の惑星が12個となりました。しかしながら、この原案に対して多くの反対が声があがり大幅に見直されることになりました。そして、同年8月24日に「惑星」「準惑星 (dwarf planet)」、「太陽系小天体(small Solar system)」 が定義されることになりました。これによって冥王星は惑星ではなくなり準惑星となったのです。
【関連記事】冥王星が惑星から除外され準惑星に(2006年8月24日)
・海王星の日(1846年9月23日)
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