刺身の日(1448年8月15日)
新鮮な肉や魚を生で食べる習慣は人類の歴史が始まった頃からありました。人類が居住する環境によって生食の習慣が続いたり廃れたりしたでしょう。日本は四方を海に囲まれていることから特に海岸に近い地域では新鮮な魚を容易に入手することができました。魚を生食する習慣を続けることができる恵まれた環境だったのです。これを「なます」と呼びました。
刺身が文献に初めて登場したのは京都市の吉田神社の社家だった鈴鹿家の「鈴鹿家記」です。応永6年(1399年)6月10日の記事に「指身 鯉イリ酒ワサビ」とあります。しかしながら、6月10日は「刺身の日」にはなっていません。
室町時代後期に書記官を務めた中原康冨が記した「康富記」の文安5年(1448)年8月15日に「鯛なら鯛とわかるやうにその魚のひれを刺しておくので刺し身、つまり”さしみなます” の名の起り」といった刺身の名前の由来に関する記述があります。つまり単なる切り身にしてしまうと魚の種類がわからなくなるので魚のひれを刺して食べるようになったようです。このことから8月15日が「刺身の日」とされました。
なお名前の由来に関する他の説としては切り身の「切」が忌み言葉なので「刺し」を使ったというものもあります。いずれにしろ長い年月をかけて魚に限らず食材を薄切にして醤油などを付けて食べる料理が刺身と呼ばれるようになりました。
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