「しんかい6500」水深6527 mの記録達成(1989年8月11日)
日本初の有人潜水調査船は1970年に就航した「しんかい」です。「しんかい」は海洋開発、環境保全、災害対策の防止などの目的で開発されました。「しんかい」は水深600メートルまで潜水可能な有人潜水調査船で、当初の目的に加えて潜水調査船そのものの研究開発に使用されました。国産初であった「しんかい」は技術的な課題も多く抱えており、1976年に運用が終了しました。「しんかい」が就航する1年前の1969年に水深6000 m級の潜水調査船の技術開発が進められいましたが、6000 m級の潜水調査船に要求される技術は極めて高度であることからまずは2000 m級の潜水調査船を開発し技術を蓄積することになりました。「しんかい2000」は1983年に就航し2002年まで1,411回の潜航調査を行いました。
「しんかい2000」で培った技術を素に開発されたのが「しんかい6500」です。「しんかい6500」は1989年1月19日に三菱重工業神戸造船所で進水式が行われ同日から就航しました。就航後は試験運転が行われ同年8月11日に三陸沖の日本海溝において潜航深度6,527mを記録しました。現時点で最も深く潜航できる有人潜水調査船は2012年に7,200 mの記録を達成した中国の「蛟竜号」です。
「しんかい6500」による本格的な調査は母船を含む潜航システムの開発が完了後の1991年から行われました。日本近海はもちろんのこと、太平洋、大西洋、インド洋などで地形や生物の海洋調査を行っています。
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