石ノ森先生の漫画家としての第一作|サイボーグ009の日(1964年7月19日)
「サイボーグ009」は石ノ森章太郎先生の代表作のひとつです。特殊な能力を有する9人のサイボーグ戦士の活躍を描いた漫画です。
石ノ森先生が「サイボーグ009」を描くことになったのは自身が昭和36年(1961年)8月に70日間の海外旅行をしたことがきっかけと言われています。この頃、石ノ森先生が連載をもっていた「少女クラブ」(後の「週間少女フレンド」)などが廃刊し、漫画家になることを熱心に応援してくれた実姉が数年前に急逝したことからスランプに陥り海外旅行を思い立ちました。
ところが当時は日本人の海外旅行は自由化されておらず観光目的で海外に行くことはできませんでした。そこで石ノ森先生は集英社の協力のもと米国ワシントン州シアトルで開催されるSF大会に取材記者として参加することで海外旅行の目的を得ました。このSF大会で石ノ森先生は著名なSF作家と出会いました。この海外旅行の経験がその後の石ノ森先生の作品に影響したことは間違いないでしょう。
石ノ森先生はこの海外旅行のために各出版から借金をしました。借金の総額は200万円、当時のサラリーマンの給与は2万円程度ですから石ノ森先生はとても大きな借金を返済しなければならなかったのです。そこで石ノ森先生はそれまでのマニアックな路線から転換し一般の読者が楽しく読めるような作品を描くようにしました。その最初の作品が「サイボーグ009」だったのです。009のメンバーの出身国が世界各地となっているのも先の海外旅行の影響によるものです。
石ノ森先生は「サイボーグ009」を「漫画家としての第一作」としており、この作品でプロ意識にめざめたことをほのめかしています。石ノ森先生の本作に対する思い入れは強く雑誌に掲載された漫画の多くを自ら描きました。
「サイボーグ009」は1964年7月19日の週刊少年キングで連載開始されました。この日を記念し石森プロが7月19日を「サイボーグ009の日」と制定しました。「サイボーグ009」は掲載雑誌を変えながらも長きにわたり連載されました。しかしながら、石ノ森先生が結編となるシリーズの構想を手がけていた1989年に亡くなったため、「サイボーグ009」は未完の漫画作品になっています。
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