キログラムが新定義となった日(2018年5月20日)
2018年5月20日は質量キログラムが新しい定義となった日です。この定義はアルベルト・アインシュタインとマックス・プランクが導き出した理論で成り立っており、それまで原器の質量で定義されていたキログラムが物理量で定義すことができるようになりました。
かつての1キログラムの定義は0℃における蒸留水1立方デシメートル(=1リットル)の質量でした。これはフランスで導入されたメートル法で1793年に定められた質量の単位グレーブに由来します。この定義は1795年に「大気圧下で氷の溶けつつある温度における水」とされましたが、水の体積が温度に依存することから「最大密度における蒸留水1立方デシメートル(=1リットル)の質量」と再定義されました。
しかし、水の体積は厳密には気圧にも依存し密度が変化します。そして気圧の単位には質量が含まれていることから、水の質量によるキログラムの定義は本質的な定義が成立しない循環定義となります。そこで1799年に白金製のキログラム原器が製作され、キログラムの定義にキログラム原器が使われるようになりました。このキログラム原器はアルシーヴ原器と呼ばれ、その質量は4°Cの蒸留水1立方デシメートル(=1リットル)の質量に相当します。1889年には1879年に製作された新しいキログラム原器を国際キログラム原器とすることが定められました。この国崎キログラム原器は2018年までキログラムの定義として使用されました。
1983年にメートルの定義がメートル原器から光速度基準になると原器を使った定義はキログラムのみとなりました。原器は経年変化で値が不安定なためキログラムも普遍的な物理量で定義することが検討されるようになりましたそして、国際度量衡委員会 (CIPM) はSI基本単位の定義の改訂を提案し、2018年11月16日に開催された第26回国際度量衡総会 (CGPM) で承認されました。これによってキログラムは原器を使わずに次のようにプランク定数から定義されることになりました。
キログラムは周波数が {(299792458)2/6.62606957}× 1034 ヘルツの光子のエネルギーに等価な質量である
この関係がどのように求められるのか考えてみましょう。アインシュタインの特殊相対性理論の E = mc2 とマックス・プランクのプランクの法則の E= hν の関係から mc2 = hν となります。この式から ν = mc2/ h となり、質量 m = 1 kg、プランク定数 h= 6.62607015×10-34 J⋅s、真空中の光の速度 c = 2.99792458×108 m/sを代入すると周波数を求めることができます。結果としてキログラムは上述のように定義されます。
【関連記事】
・マックス・プランクがプランクの法則を発表(1900年12月14日)
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