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2023年4月25日 (火)

小説「ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険」出版(1719年4月25日)

 ロビンソン・クルーソーはイギリスの小説家ダニエル・デフォーが執筆した「ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険」に登場する主人公です。この小説は漂流した船乗りのロビンソン・クルーソーが孤島にたどり着いて28年間を生き抜き帰国するまでを描いた物語です。この小説は1719年4月25日に出版されました。たいへんな人気を得たことから同年に続編「ロビンソン・クルーソーのさらなる冒険」が出版され、翌1720年には第3部となる「ロビンソン・クルーソーの真面目な省察」が出版されました。

「ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険」初版の扉絵
「ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険」初版の扉絵

 ダニエル・デフォーはこの物語を執筆するにあたり当時の探検家や航海士の記録を参考にしました。その中でもロビンソン・クルーソーのモデルと言われているのがスコットランドのアレキサンダー・セルカークです。セルカークは1703年に探検家のウィリアム・ダンピアが率いる旗艦セント・ジョージ号の艦隊の僚艦シンク・ポーツ号に乗り込み艦長トーマス・ストラドリングのもとで航海長となりました。

 1904年10月、ダンピアとストラドリングが仲違いしたためシンク・ポーツ号は旗艦と別行動を取ることになりました。その後、シンク・ポーツ号は補給のためファン・フェルナンデス諸島のマス・ア・ティエラ島に立ち寄りました。シンク・ポーツ号の安全性を懸念したセルカークは船員たちに別の船が来るまで島に残ることを提案しましたが誰も賛同しませんでした。ストラドリングはセルカーク1人だけ残して島を出発しました。セルカークこの無人島に1人残ったことを後悔しましたが、シンク・ポーツ号はセルカークの懸念通り沈没したのです。セルカークは1709年2月にイングランドの私掠船長ウッズ・ロジャーズに救出されるまでの4年4ヶ月間を自給自足で暮らしました。

 ロジャーズはセルカークの体験を自身の航海記に記しました。この航海士が1713年に新聞で紹介されその記事を読んだダニエル・デフォーがロビンソン・クルーソーの物語の着想に至りました。

 1719年4月25日に出版された初版のタイトルは次の通りでした。タイトルとしてはかなり長文です。また著者名の記述がなくまた「自筆による(Written by Himself)」と記され、あたかもロビンソン・クルーソー自身が執筆した自伝のような体裁を取っていました。

(初版のタイトル)

自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述

The Life and Strange Surprizing Adventures of Robinson Crusoe, of York, Mariner:Who lived Eight and Twenty Years, all alone in an un‐inhabited Island on the Coast of America, near the Mouth of the Great River of Oroonoque;Having been cast on Shore by Shipwreck, wherein all the Men perished but himself. With An Account how he was at last as strangely deliver’d by Pyrates

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