消防記念日(1948年3月7日)
昔の日本には消防の組織がありませんでした。ポンプもない時代の大火は取り返しのつかない災害であり、火災を起こした者は過失でも打ち首、放火した者は火炙りという厳罰が科せられました。
江戸時代になると徳川秀家光将軍の時代の1629年に幕府から各大名へ江戸の町の火消役の奉書火消と呼ぶ命令書が出ました。これが日本の消防の幕開けと考えられています。出火のたびに命令書を出して出動させていたので非効率的だったようです。1643年には大名火消が組織されました。徳川家綱の時代の1657年に起こった明暦の大火(振袖火事)により、幕府は翌1658年から旗本に命じて定火消という消防組織を作りました。いろは組の町火消は1702年に南町奉行の大岡忠相が編成したものです。当時は火消と言っても水をかける消火活動に限界があり、住宅を倒壊して延焼を防ぐ消火方法が主流でした。
江戸時代が終焉した大政奉還後は定火消は姿を消し町火消は消防組となりました。明治政府は消防組を警察組織に組み入れました。この頃になると海外から消防用ポンプが輸入され国産化されるようになりました。これによって日本の消防技術は格段に向上し、消防技術も高度で専門的になり消防組織が整備されていきました。
第二次世界大戦が終了後はGHQの指導により消防組織は警察組織から独立することになりました。1948年3月7日に「消防組織法」が施行され、市町村長が消防を管理する「自治体消防制度」となりました。1950年に国家消防庁(現:消防庁)が3月7日を消防記念日としました。この日は東京消防庁開庁記念日にもなっています。
火事のたびに命をかけて消火活動にあたる消防隊の皆さんには頭が下がります。次の写真は消火活動の様子を遠くから撮影したものです。消防隊が窓ガラスを壊して建物の中に突入していきました。
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