世界初の合成繊維「ナイロン66」開発(1935年2月28日)
繊維にはいろいろな種類がありますが、大きくわけると天然繊維と化学繊維にわけることができます。天然繊維には麻や綿花などの植物から得られるセルロースを主成分とした植物繊維、羊や蚕などの動物から得られるタンパク質を主成分とした動物繊維、石綿やガラスなどの鉱物から作られる鉱物繊維があります。
化学繊維は化学的処理で作られる繊維で、天然高分子を化学薬品で処理・溶解した後に繊維とする再生繊維、天然高分子と化学薬品を化学反応させて作る半合成繊維、主に石油を原料とする合成高分子から作られる合成繊維があります。
世界で初めて開発された合成繊維はポリアミド系のナイロンです。ナイロンは1935年に米国デュポン社のウォーレス・カルザースの研究グループによって合成されました。同年2月28日、研究グループのジェラード・ベルシェがカロザースの指導のもとヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からポリアミド6-6 を作りました。この物質を棒で引き上げると繊維ができました。デュポン社はこの合成繊維の製品化を決め、カロザースに部下をつけましたがカルザースは体調の問題で解任され部下がプロジェクトを引き継ぎました。
ウォーレス・カロザース
デュポン社はこの合成繊維をナイロンと名付け、「石炭と水と空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い」というキャッチコピーで発売しました。ナイロンは現在でも衣料品、自動車のシート、カーペット、釣り糸、ギターの弦などとして幅広い分野で使われています。
カロザースは1928年頃から精神疾患をわずらい1937年4月29日に青酸カリを服毒し自殺しました。カロザースが発明したナイロンが発表されたのは彼の死後から2年後の1939年でした。
たカロザースは1937年4月29
。ナイロンで成功したが「達成できているモノは何もなく才能が枯渇した」と考えるようになる。妹が死去するという不幸も重なり、1937年4月28日、フィラデルフィアのホテルの一室で青酸カリを混ぜたレモンジュースを飲んで自殺した[4]。彼の娘が誕生したのは自殺からおよそ7カ月後(1937年11月27日)だった。
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