準惑星エリスを新天体として確認(2005年1月5日)
準惑星(dwarf planet)は太陽の周りを公転し自身の重力によって球形になる質量をもつ惑星以外の天体のことです。2006年に国際天文学連合(IAU)が惑星の定義を見直したときに定義された比較的新しい天体の分類です。
準惑星が定義されたのは天体観測の技術が向上し冥王星のような天体が多数発見されたからです。冥王星と同様なそれらの星を惑星と定義することはせずに準惑星という分類を定義しました。これによって冥王星も惑星でなくなり準惑星となりました。
準惑星エリス(136199 Eris)は準惑星の中では最も質量が大きく、その直径は冥王星に次ぐ大きさの天体です。エリスの周りにはディスノミアと呼ばれる衛星が公転しています。
エリスが2003年10月21日に撮影された画像の中から天文学者のマイケル・ブラウンが率いる観測チームによって2005年1月5日に発見されました。元の画像はカリフォルニア州のパロマー天文台の定期観測で得られたものです。観測データの解析は自動画像検索ソフトウェアで行われました。このソフトは天体の見極めをその移動速度によって判断していました。当初の解析ではエリスの移動速度が遅かったため天体として認識されませんでした。その後、エリスよりやや移動速度が速い天体が発見されたため観測チームは過去のデータを再解析したところ、エリスが発見されたのです。
エリスには小惑星番号136199が付けられましたが2006年9月にギリシア神話の不和と争いの女神エリスに因んで名付けらました。当初、エリスは冥王星より大きいと考えられ、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「太陽系の10番目惑星」と呼びました。しかし、エリスと同等の天体が見つかる可能性は十分にあり、それらを全て惑星と呼ぶには無理があるという判断から、国際天文学連合(IAU)は惑星の定義が見直されることになったのです。これによって準惑星という分類ができ、エリアは準惑星とされました。エリアとさほど大きさの変わらない冥王星も準惑星とされたのです。現在、準惑星は冥王星、エリス、ケレス、マケマケ、ハウメアの5つが確認されています。
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