【思考実験】無限の猿定理
無限の猿定理は「猿が無限にタイプライターを打たせていると、そのうちシェークスピアの作品が打ち出される」というものです。つまり無限にランダムに文字を綴っているとどんな文章でもできあがるという定理です。文字を綴るのは猿である必要はありません。コンピュータを使って乱数で文字を発生させるやり方でも構いません。
コンピュータが発生する文字の100文字だったとします。このコンピュータで任意の1文字が打ち出される確率は 1/100 となりますから、m 文字の文字列が打ち出される確率は100の m 乗分の1となります。たとえばMONKEYという6文字を打ち出さられる確率は100の6乗分の1ですから1兆分の1になります。
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このコンピュータが1秒で6文字を打ち出すとすると、すべての組み合わせを打ち出すのに1兆秒、すなわち3万年以上かかります。たった6文字の単語でも3万年に1度出るかどうかの確率です。それでは同じコンピュータを1兆台用意していっせい文字を打ち始めたらどうなるでしょう。理論的には1秒後にどれかのコンピュータが MONKEY を打ち出しているはずです。数秒後、1分後になると MONKEY 打ち出しているコンピュータの数は増えるでしょう。
このように事象が起きやすくなる条件は理論的にはいくらでも設定することが可能です。しかし、現実離れした条件を設定しても事象が本当に起きるかどうかを確かめるには途方もない時間や途方もない数の装置を必要とするため実際に確かめる術はないのです。
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