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2022年11月11日 (金)

バターとマーガリンの違い

〇バターとマーガリンの生い立ち

 人間は太古の時代から牛や羊の生乳を利用してきました。今から約5千年前のメソポタミアの遺跡で当時の人たちがウシを飼い牛乳を絞っている様子を描いた石版が見つかっています。私たち人類はそれ以前の新石器時代から酪農を始め牛乳を利用してきたと考えられています。

 生乳を静置しておくと、表面に乳脂肪(クリーム)が浮いてきます。その乳脂肪を練り上げたものがバターです。古代の人たちが生乳をかき混ぜているうちに期せずして乳脂肪が自然に固まりバターができることもあったでしょう。そのためバターの歴史はとても古く詳しいことはわかっていません。

 バターの製法の最も古い記録としては今から約4千年前のインドの教典にバターの作り方が書かれているそうです。バター(butter)の語源はギリシャ語で凝固した乳を意味する「boutyron」と考えられています。

 人間は太古の時代から牛や羊の生乳を利用してきました。生乳をかき混ぜていると期せずして乳脂肪(クリーム)が分離して固まることもあったでしょう。そのためバターの歴史はとても古く詳しいことはわかっていません。最も古い記録としては今から約4000年前の紀元前20世紀のインドの教典にバターの作り方が書かれています。紀元前5世紀頃のメソポタミア文明や古代ギリシアの時代にも記録があり創世記などにも登場します。

 一方、マーガリンは歴史は浅く今から約150年前に発明されました。1869年にフランスのナポレオン3世が当時戦争下で不足していたバターの代替品を募集しました。フランスの食品化学者メージュ・ムーリエ・イポリットが牛脂に牛乳を混ぜて冷やして固めるとバターによく似たものができることを発見しバターの代用品を作ることに成功しました。

 マーガリン(margarine)の語源はギリシャ語で真珠を意味する「margarite」です。マーガリンを作るときに真珠のように輝く油脂の粒ができることからマーガリンと名付けられたそうです。

メージュ・ムーリエ・イポリット
メージュ・ムーリエ・イポリット

〇バターとマーガリンの違い

(バター)

 バターは原料が生乳で乳脂肪分80%以上、水分17%以下と定められています。添加物も食塩と香料しか認められていません。原料が生乳ではないものや、原料が生乳であっても食塩や香料以外の添加物が含まれるものはバターとは呼びません。

 古代のバターは乳脂肪の分離に時間がかかり乳脂肪が乳酸発酵するためヨーグルトのような酸味と独特の風味のある「発酵バター」となりました。現在では遠心分離器を使って速やかに乳脂肪の分離を行うことができるので「非発酵バター」を簡単に作ることができます。日本では非発酵バターが主流ですが、ヨーロッパでは非発酵バターより発酵バターの方がよく食べられています。食塩は風味や保存性を良くするために加えられますが、お菓子やケーキなどを作るときには食塩を含まないバターが使われます。

 原 料:牛の生乳

 定 義:乳脂肪分80%以上、水分17%以下

 種 類: 発酵バター(乳脂肪を発酵)、非発酵バター(乳脂肪を発酵させない)

      加塩バター(食塩1~2%を添加)、無塩バター(食塩を含まない)

 添加物:食塩および香料のみ

 バターの色はビタミンAに含まれるカロテンによって黄色です。牛が食べる牧草は夏になるとカロテンを豊富に含みますが、牛は冬の間はカロテンをあまり含まない干草を食べます。そのため冬に作られるバターは白っぽくなります。

(マーガリン)

 マーガリンは原料に乳脂肪を含まないか、乳脂肪を主原料としない食用油脂で脂肪分80%以上と定められています。マーガリンは食用油脂に水を加えたり、水素を化学反応させたりしたものを固めて作ります。市販されている多くのマーガリンに使われている食用油脂はコーン油や大豆油などの植物油脂ですが魚油・豚脂・牛脂などの動物性油脂を使ったものもあります。 このことからもわかる通りバターが動物性油脂でできていることは間違いありませんが、マーガリンには動物性油脂のものがあり必ずしも植物性油脂からできているとは限りません。

 マーガリンはバターと違って乳化剤や安定剤などの食品添加物を使うことが可能なため、保存性を高めたり脂肪分の割合を変えたりいろいろな風味をつけたりすることができます。最近、スーパーマーケットの売り場には脂肪分80%未満のマーガリンに似た商品がたくさん並んでいますがこれはファットスプレッドといいマーガリンとは区別されます。

 原 料:植物性油脂・動物性油脂

 定 義: マーガリン:乳脂肪分80%以上

      ファットスプレッド:乳脂肪分80%未満

 種 類:さまざまな種類がある

 添加物:食塩、香料、乳化剤、安定剤など

 マーガリンやファットスプレッドは保存状態によって変色することはありますが、季節によって色が変わるということはありません。

バターとマーガリンの原料
バターとマーガリンの原料

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