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2022年11月 4日 (金)

ムンクの「叫び」は叫んでいない

 「ムンクの叫び」はノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクが1893年に制作した作品「叫び」です。ノルウェー語の原題は「Skrik」、英語の題名は「The Scream」です。

ムンクの「叫び」(1893年制作、オスロ国立美術館所蔵)
ムンクの「叫び」(1893年制作、オスロ国立美術館所蔵)

 ムンクは「叫び」をある日の体験に基づいて描きました。そのことがムンクの日記に書き記されています。

その日の夕方、ムンクは友人と2人でノルウェーのフィヨルドの町の歩道を歩いていました。太陽が沈んでいくなかで突然空が血の赤色に染まりました。ムンクは酷い疲れを感じ立ち止まって柵によりかかりました。その様子をムンクは「炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった」と記しています。そして、このときムンクには自然を貫く果てしない叫びが聞こえたのです。友人はそのまま歩き続けていましがが、ムンクは不安に震え恐ろしい音が聞こえないように耳を塞ぎながら立ち尽くしていました。

 ですからムンクの「叫び」は人物が叫んでいる様子を描いたものではなかったのです。ムンクが産まれたのは1863年、「叫び」を描いたのは30歳のときでした。幼い頃に母と姉を亡くした経験がムンクの作品に大きな影響を与えたといいます。ムンクは愛するものとの別れから不安をテーマにした数多くの作品を描きました。「叫び」もそうした作品の1つだったのです。

もっと知りたいムンク 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) 

もっと知りたいムンク 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

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