雲仙岳が水蒸気爆発(1990年11月17日)
雲仙岳は長崎県の島原半島に存在する火山です。雲仙岳は三峰五岳(普賢岳・国見岳・妙見岳と野岳・九千部岳・矢岳・高岩山・絹笠山)が有名ですが、実際には1990年代の火山活動でできた平成新山をはじめとする大小20以上の山々からから成ります。
雲仙岳の火山活動は有史以前の約50万年前に始まったと考えられ現在の地形の基礎が形成されたと考えられています。有史以降では島原の乱から26年後の1663年と1792年に噴火しています。1792年の噴火では眉山が崩壊により津波が発生し島原や対岸の肥後に被害を与えた島原大変肥後迷惑と呼ばれる大災害が起きています。その後、噴煙が生じたり大地震が発生したりしましたが大きな火山活動は発生していません。1934年には日本初の国立公園に指定され、1957年にはロープウェイが開業するなど多くの人々が観光に訪れました。
自分が島原を訪れたのは今から約20年ほど前です。2003年末から知人数人で屋久島を訪れ、年が明けてから九州縦断の旅をしました。屋久島からフェリーで鹿児島に向かい、その後はレンタカーで熊本へ。熊本港から島原港へ向かいました。島原を訪れたのは2004年1月6日です。
島原港を出て57号線を少し自動車で走り最初に見た風景が火砕流で覆われてしまった水無川です。1990年代の雲仙岳の火山活動は知っていましたが実際に訪れてみて噴火や火砕流の被害がいかに甚大なものだったのかを認識しました。
そのまま57号線を進んで雲仙岳を昇り仁田峠の駐車場に向かいました。ここには標高1333メートルの妙見岳まで昇る雲仙ロープウェイがあります。このロープウェイでは普賢岳(標高1,359メートル)には昇れませんので歩いて普賢岳頂上をめざすことにしました。そして到着したのが下記の写真の山頂です。前方に見える普賢岳より高い山は火山噴火でできた標高1,483メートルの平成新山です。
普賢岳山頂から麓の方を見たのがこの景色です。木々の緑の中に削られた跡が目に飛び込んできました。
1991年に発生した火砕流では40人の尊い命が失われました。木々は焼き尽くされ多くの家が埋もれてしまいました。噴火から10年以上経過しても当時の甚大な被害を想像できましたが、自然はありのままの姿で静寂に佇んでいました。噴火前は雲仙岳が最高峰でしたが、平成新山が高さを増していったそうです。平成新山は国の天然記念物(2004年指定)です。
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