海賊旗ジョリー・ロジャーの由来
海賊旗は海賊船を識別するために掲げられた旗で英語ではジョリー・ロジャー(Jolly Roger)と言います。海賊旗のデザインは黒地に白色の頭蓋骨とX字型に交差した大腿骨が描かれたたもので「降伏すれば命は保証、抵抗すれば皆殺し」を意味します。
Author:WarX, edited by Manuel Strehl
海賊そのものは古代から存在していましたがジョリー・ロジャーを旗印とした海賊が海原に暗躍したのは18世紀初めから約30年ほどの間です。多くの海賊が存在していたため海賊旗には様々なバリエーションがあります。たとえば髑髏と十字架のもの、大腿骨の代わりに剣を交差させたもの、赤字に白のものなどもあります。海賊たちは自分たちの旗をジョリー・ロジャーと呼んでいました。ですからジョリー・ロジャーは海賊旗の総称であり特定のデザインの旗ではありません。
ジョリー・ロジャーという言葉はフランスの私掠船が掲げていた赤旗の色「 Joli Rouge (Pretty Red) 」に由来するという説があります。フランス語でJoliは「綺麗な」「かわいらしい」「相当な」「ひどい(反語的)」という意味で、ルージュは「赤」のことです。赤が血の色で凶暴な海賊を象徴しているという説もあります。
英語では「Jolly Roger」になりました。Jollyには「楽しい」「陽気な」「上機嫌(酒で)」「大変な(反語的)」「ひどい(反語的)」という意味があり、フランス後のJoliに相当していると考えられます。Rogerに相当するのはRougeですが、なぜRougeがRogerになったのかは良くわかっていません。rogerにはスラングで詐欺まがいの物乞いの意味があり、rogueはrogerを短縮した呼び方とされています。rogueはラテン語で「尋ねる」「物乞い」を意味するrogareに由来する言葉で「悪党」「ごろつき」「はぐれもの」「ならずもの」を意味します。またフランス語の「rogue」には「傲慢な」という意味があります。
いずれにしてもジョリー・ロジャーはかつて世界の海をまたにかけて暗躍したならず者の海賊たちのシンボルだったのです。
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・グリニッジ天文台を経度0度に制定(1884年10月13日)
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