東京初の路面電車が開業(1903年8月22日)
新橋駅(現:汐留駅)と横浜駅(現:桜木町駅)を結ぶ日本最初の鉄道が開業したのは明治5年(1872年)10月14日です。当時の東京府の交通機関は円太郎馬車と呼ばれた乗合馬車と人力車が担っていました。非常に多くの円太郎馬車と人力車が行き交っていましたが、東京府の人口が増加するにつれて交通の需要を満たすことができなくなってきました。そこで大量輸送の手段として考案されたのが馬車鉄道でした。
馬車鉄道は明治15年(1882年)6月25日に新橋ー日本橋で開始され、10月1日には日本橋 - 上野 - 浅草 - 日本橋の環状線の営業が開業しました。この馬車鉄道は東京の交通需要の増加に伴い大成功を収めました。しかしながら馬の飼育の経費が膨大となり、また馬の糞尿が環境問題を起こし地域住民からの苦情が増えるなどの問題を抱えていました。さらに東京のさらなる人口増加により、馬車鉄道では交通需要に応えることができなくなりました。この問題を解決するために計画されたのが馬車鉄道に変わる路面電車でした。
最初の路面電車の計画は大倉財閥の大倉喜八郎や東京電燈株式会社の藤川市助などによって明治22年(1889年)に申請されましたが当時は電車は時期尚早として却下されました。そのため東京電燈と関係者は明治23年(1890年)に東京・上野公園で開催された第三回内国勧業博覧会に路面電車を敷設し電車走行の実演を行いました。この実演は大人気となり路面電車の計画が推進するようになりました。この間に多くの路面電車お会社が設立されました。東京でも多くの会社が設立され利権獲得のため各社の対立が深まりました。明治33年(1900年)に内務省の主導によって合同会社が設立され東京市街鉄道、川崎電気鉄道、東京馬車鉄道(後に東京電車鉄道に名称変更)の3社が路面電車の計画を担うことになりました。
この3社のうち最初に開業したのが馬車鉄道でインフラが整っていた東京電車鉄道でした。東京電車鉄道は明治36年(1903年)8月22日に馬車鉄道の品川ー新橋間を電化しました。当初は運転技術が未熟であったことや線路に石が挟まるなど運用上の問題が生じ、この路線は約1時間30分も要しました。同年11月25日に上野まで延伸され、明治37年(1904年)には上述の馬車鉄道の環状線がすべて路面電車となりました。
なお東京電車鉄道の電車は日本初ではありません。日本で初めて電気鉄道事業を開業したのは京都電気鉄道で明治28年(1895年)2月1日に開業しました。東京の路面電車は全国で8番目の開業でした。
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