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2022年7月25日 (月)

うま味調味料の日(1908年7月25日)

 うま味調味料の主成分がL-グルタミン酸ナトリウムであることを突き止めたのは日本の化学者の池田菊苗博士です。子どもの頃から昆布だしに興味を持っていた池田博士は1907年にそれまで知られていた「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の他にも味があると考えそれを「うま味」と名付けて研究を始めました。

 池田博士は大量の昆布を買い込み妻の貞は博士に協力し昆布を刻みました。池田博士は貞が刻んだ昆布を茹でて煮汁からL-グルタミン酸ナトリウムを単離しました。得られたL-グルタミン酸ナトリウムの量は乾燥昆布12キログラムからわずか30グラムでした。なおグルタミン酸自体は1866年にドイツのリットハウゼンが発見した物質でよく知られていました。

 池田博士は1908年4月24日に「グルタミン酸を主要成分とする調味料製造法」の特許を出願しました。そして同年7月25日に特許が登録されました。この特許取得を記念し日本うま味調味料協会は7月25日を「うま味調味料の日」と制定しました。

 池田博士が単離したうま味成分は鈴木製薬所(代表:鈴木三郎助)が製造販売することになり、1909年5月20日に「味の素」として売り出されました。鈴木製薬所は1912年に鈴木商店、1932年に 味の素本舗 株式会社鈴木商店、1943年に大日本化学工業株式会社と名称変更し、1946年に味の素株式会社となりました。

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池田菊苗博士と味の素

 昔から味覚には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」があると考えられていました。「うま味」が本当に味覚として存在するかどうかは長らくわからなかったのですが、舌の味蕾の細胞にグルタミン酸受容体が発見されたことから味覚として認められました。グルタミン酸受容体が発見されたのは2000年で「味の素」の販売開始から90年以上も後のことでした。

 なお鰹節のイノシン酸がうま味成分であることを突き止めた小玉新太郎は池田博士の優秀な弟子の1人でした。シイタケのグアニル酸が旨味成分であることを突き止めたのはヤマサ研究所の国中明です。

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