ジャガイモで食中毒の原因
先日、小学校で育てたジャガイモを食べたら子どもたちが食中毒になったという事件がありました。ジャガイモの食中毒はめずらしいことではなく時々発生しています。
ジャガイモは土の中から掘り出すので根だと思いがちですがジャガイモの表面をよく見るとところどころに窪みがあります。ジャガイモを放置しておくとこの窪みからは葉や根が出てきます。植物の体で葉や根をつけていのは茎です。ジャガイモは茎の地下部分(地下茎)が膨らんだものです。ただし、すべてのイモが地下茎というわけではありません。たとえばサツマイモは根です。
ジャガイモの実は茎ですから光が当たると光合成が始まります。たくさんの葉緑素が作られるためジャガイモの表面が緑色になり発芽します。このときジャガイモの表面にソラニンやチャコニン(カコニン)という毒を作ります。この毒は100℃の熱で分解されませんから茹でて食べると食中毒になります。
ジャガイモは収穫後は数ヶ月間は生長しません。この期間を休眠期間と言い、たとえ環境が発芽に条件になってもジャガイモは発芽しません。ですから青果店やスーパーマケットに並んでいるジャガイモは常温でしばらく置かれていても緑化も発芽もしないのです。
休眠期間を過ぎたジャガイモは気温が3℃を超えると日の当たらない暗室でも発芽します。ですから買ってきたジャガイモを数ヶ月も冷蔵庫に入れたままにしたり、棚の中にしまったままにしたりすると発芽します。
緑化して発芽したジャガイモは表皮を深く削り取り、芽も深くえぐり取れば食べることはできます。毒があるのは緑化した表面と芽だけです。ジャガイモの中心部にはほとんど毒はありません。ジャガイモが表面だけに毒を作るのは外的から身を守るためと考えられています。
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