けんもほろろの「けん」と「ほろろ」
「けんもほろろ」を辞書で調べてみると、
・「頼みや相談などを,冷淡に断るさま。とりつくしまもないさま。「―な応対」「―に断る」
・冷淡で、とりつくしまもないさま
・無愛想に人の相談などを拒絶するさま。取りつくすべもないさま。
・すこしも〈同情の心/あたたかみ〉がないようす。「ーの あいさつ」「ーに ことわられる」
などと解説されています。よく耳にする表現ですが、けんもほろろの「けん」と「ほろろ」っていったい何でしょうか?
実は辞書には、その語源が何か一きちんと解説されています。なんとなく「剣もぼろぼろ」的な印象もあるのですが、まったく違う語源でした。「けん」も「ほろろ」もキジの鳴き声だそうです。
次の映像を見るとわかりますが、キジの鳴き声はケンには聞こえますが、ホロロとは聞こえません。「ほろ」はキジが鳴いた後によくする「母衣打ち(ほろうち)」からという説があります。その下の映像を見ると、母衣打ちするときの羽音がホロロに聞こえないこともないです。
また、「けん」は「慳貪(けんどん)」をかけているという説明もあります。「剣突(けんつく)」にもかけているという説明もあり、必ずしも「剣」が無関係とは言えないようです。
それでは、キジがどうして、けんもほろろの意味と結びついてのでしょうか。キジが鳴いてから母衣打ちするまでは、取りつく島もないほどの一瞬の動作です。取り付く島もないは「頼りにするところが何もないこと。何かを頼んだり相談しようとしても、相手の態度が冷たくて、きっかけがつかめないこと」ですので、けんもほろろの意味と同じです。あと、キジの鳴き声や鳴き方が無愛想だからという説もあるようです。
| 固定リンク | 0
「野鳥」カテゴリの記事
- 【おもしろ映像】ナッツを割って食べる賢いカラス(2025.04.21)
- ワライカワセミとラジオオーストラリア日本語放送(2025.01.18)
- コシベニペリカン(2024.11.22)
- コシグロペリカン(2024.11.03)
- リョコウバトが絶命(1914年9月1日)(2024.09.01)
「動物の豆知識」カテゴリの記事
- 忠犬ハチ公の日(昭和9年 1934年4月8日)(2025.04.08)
- 【おもしろ映像】トラのように威嚇する猫(2025.03.06)
- 映画「ジュラシックパーク」に登場するヴェロキラプトルは別の恐竜だった(2025.02.05)
- ワライカワセミとラジオオーストラリア日本語放送(2025.01.18)
- トラフグのおはなし(2025.01.15)
「おもしろ映像」カテゴリの記事
- 【おもしろ映像】全手動ワイン注ぎ機(2025.05.15)
- 【おもしろ映像】もしゴーストバスターズが1950年代の映画だったら(2025.05.09)
- 【おもしろ映像】影絵って芸術(2025.04.28)
- 【おもしろ映像】人食いグマと戦う男(2025.04.26)
- 【おもしろ映像】ナッツを割って食べる賢いカラス(2025.04.21)
「国語」カテゴリの記事
- 2023年の今年の漢字は「税」|漢字の日(2024年12月12日)(2024.12.13)
- 2024年の流行語大賞は「ふてほど」?(2024.12.05)
- 永久の未完成これ完成である(2024.08.12)
- 2023年の今年の漢字は「税」|漢字の日(2022年12月12日)(2023.12.13)
- 「勧める」「薦める」「奨める」の違い(2023.12.02)
コメント