コンピュータがチェスの世界チャンピオンに初勝利(1997年5月11日)
1988年、カーネギー・メロン大学の学生チームはディープ・ソートというチェスをプレイするスーパーコンピュータを開発しました。ディープ・ソートは当時チェス世界チャンピオンであったロシアのガルリ・カスパロフに挑戦しましたがカスパロフに勝つことはできませんでした。
1989年、IBMはディープ・ソートの研究開発を引き継ぎディープ・ブルーというスーパーコンピュータの開発に着手しました。もちろん、ディープ・ブルーの開発目的もカスパロフにチェスで勝つことでした。
ディープ・ブルーはたった1秒間の間に2億手を先読みすることができました。カスパロフの過去の対戦をもとに作った数式を使って、カスパロフが打ってくるであろう手を予測することができました。ディープ・ブルーはカスパロフと2回それぞれ6戦ずつ対戦しました。
1回目の対戦は1996年2月に行われました。このときは、カスパロフが3勝1敗2引き分けで勝利しました。ディープ・ブルーはカスパロフにかろうじて1勝することはできましたが勝ち越すことはできませんでした。
それから約1年3ヶ月後の1997年5月11日、ディープ・ブルーはカスパロフに再挑戦しました。均衡した戦いとなりましたがディープ・ブルーは2勝1敗3引き分けでカスパロフに勝ち越したのです。この対戦は客観的には互角でコンピュータが人間を超えたと判断できるほどのものではありませんでしたが「コンピュータがチェスの世界王者に勝利した」というニュースが世界中で報道されると大きな話題となりました。
ディープ・ブルーはチェス専用のスーパー・コンピュータですが、この高性能コンピュータの開発で得られた知識や技術は現在のコンピュータに受け継がれています。
なお世界最強のチェスコンピュータを作る研究開発はディープ・ブルーで終了したわけではありません。2000年代初めにアラブ首長国連邦でヒドラというコンピュータが開発されています。またIBMは2007年にディープ・ブルーの子孫の位置づけのスーパーコンピュータ、ブルー・ジーンを開発しています。
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