マヨネーズの日(3月1日)
食用油と酢と卵から作られるマヨネーズ。起源はスペイン料理に使われていたオリーブオイルと卵から作られたソースと考えられています。18世紀中頃、フランス宰相アルマン・ジャン・デュ・プレシー・ド・リシュリューが七年戦争で地中海のミノルカ島を攻撃した際に現地で卵と油とレモン汁から作られたソースをかけた肉料理を食べてフランスに伝わったと考えられています。メノルカ島マオンで作られたソースは「salsa de Mahón (マオンのソース)」と呼ばれ、後に「マオンの」を意味するスペイン語Mahonesに由来しフランス語「Mayonnaise」と名付けられたと考えられています。
日本で初めてマヨネーズが販売されるようになったのは1925年3月です。水産講習所(現:東京海洋大学)を卒業し缶詰会社に勤めていた中島董一郎は大正元年(1912年)に農商務省の海外実業実習生として米国に滞在したときにマヨネーズに出会いました。中島はマヨネーズを食べてみて「こんなに美味しくて栄養価の高いものを食べているから体格が良いのか」と考え、当時の日本人の栄養不足の改善につながるであろうマヨネーズの販売を思い立ちました。中島は大正5年(1916年)に帰国し、大正7年(1918年)に缶詰販売会社の中島商店(現:中島董商店)を設立しました。大正8年(1919年)に食品工業株式会社を設立して食品の製造を開始しました。そして卵黄を使った栄養価の高いマヨネーズの開発を進め大正14年3月に「キユーピーマヨネーズ」の製造を開始し中島商店が販売を開始しました。「キユーピーマヨネーズ」は日本初( 1番目)のマヨネーズであることから3月1日を「マヨネーズの日」と制定しました。
「キユーピーマヨネーズ」の発売当時は1923年に発生した関東大震災の復興の中で日本人の生活様式が欧米化が進んでいましたが野菜を生で食べるという習慣はありませんでした。缶詰会社の中島商店はマヨネーズを魚介類の缶詰にかけて食べるように勧めました。しかしながら、当時は卵が高価で「キユーピーマヨネーズ」の価格は現在の価格にして100 gあたり約1,400円もしたためほとんど売れませんでした。それでも「キユーピーマヨネーズ」の認知度は高まり昭和16年(1941年)頃には順調に販売数が伸びましたが第二次世界大戦が開戦となり販売中止に追い込まれました。戦後の昭和23年(1948年)に販売を再開しました。昭和30年代になると多くの会社がマヨネーズの製造販売を始め、特に味の素の参入はマヨネーズの普及に拍車を掛けました。
食品工業株式会社は昭和32年(1957年)に社名をキユーピー株式会社と改名しました。「キユーピーマヨネーズ」は1972年まで中島董商店が販売を担当しましたが現在はキユーピー株式会社が販売しています。
マヨネーズは塩分が少ないため減塩している人にはドレッシングよりマヨネーズがお勧めです。自分はノンコレステロールでカロリー50%カットの「キユーピーゼロ」を愛用しています。
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