惑星直列(1982年3月10日)
惑星直列は太陽系内の惑星が一直線に並ぶ現象のことです。実際には全ての惑星が一直線に並ぶことはありませんし、惑星直列という天文用語もありません。一般に惑星直列とは全ての惑星が太陽を中心とした中心角90度位内の扇形に入ったときのことを言います。この条件の惑星直列は過去に何度か起きていることが計算により確認されています。1128年には中心角が39度で最も直列に近い惑星直列が起きています。
さて間近の惑星直列は1982年3月10日に起きました。この惑星直列は数年以上前からテレビ、雑誌、書籍などで取りあげられ、水星から冥王星(※1)までの全ての惑星が一直線に並ぶことにより惑星同士の引力が影響し合い天変地異が起こるなどの予言が流布しました。当時、本当に天変地異が発生するのでないかと心配になった人も少なくありませんでした。昭和時代に小中高校生だった人は学年誌などで読んだことを覚えているのではないかと思います。
しかし全惑星が完全に一直線に並んでも引力の影響はほとんどないことがわかっています。計算では地球と月の引力よりも遙かに小さく地球で天変地異が生じることはありあません。実際、1982年に惑星直列が原因と考えられる災害は起こりませんでした(※2)
ところで1982年の惑星直列は中心角が96度のため惑星直列ではなかったという指摘もあります。ちなみに1982年の直前の惑星直列は1817年で中心角は83.9度でした。次回は2161年に中心角68.7度の惑星直列が起きることが予測されています。また2023年5月29日の日の出前に土星、海王星、木星、水星、天王星の5つの惑星が中心角70度の範囲に並びます
(※1)当時、冥王星は惑星だった
(※2)3月29日にメキシコのエルチチョン山が132年振りに噴火している。この大噴火で地球の気温が0.3~0.5度低下した。
【関連記事】
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