この木なんの木「モンキーポッド」
モンキーポッドは熱帯アメリカ原産のネムノキの仲間の常緑樹です。「サマン」や「アメリカネムノキ」とも呼ばれることもあります。原産地は北アメリカ大陸南部から南アメリカ大陸北部あたりですが現在は東南アジアやハワイなどの熱帯地方や亜熱帯地方に広く生息しています。
モンキーポッドは左右対称の傘状の樹冠が特徴的な広葉樹で大きいものでは高さ25メートル・幅40メートルに達する高木です。春から初夏にかけてピンク色の花を満開にしますが冬にも開花します。</p? ネムノキの仲間は就眠運動と言って光合成をしない夜間は葉を閉じますがモンキーポッドも夕方に葉を閉じます。そのため「5時の木」と呼ばれます。また降雨時にも葉を閉じ葉にたまった雨の雫が滴るため「レインツリー」とも呼ばれます。雨が降っていないのに雫がしたたることもありますがこれはセミの排泄物と言われています。
プロセインの植物学者で探検家のアレクサンダー・フォン・フンボルトは1799年から始めたアメリカ大陸の探検においてベネズエラで巨大なモンキーポッドを発見しています。フンボルトはこのモンキーポッドは樹冠の周囲180メートルで幅60メートルもあるのに高さは19メートル、幹の直径2.8メートルしかないと記録しています。フンボルトはこの木の名前を「Zamang del Guayre」と記録していますがベネズエラではこの木は「サマン・デ・グエレ」と呼ばれており国宝となっています。
さてモンキーポッドは日本では「この木なんの木気になる木」(作曲:小林亜星、作詞:伊藤アキラ)の唄の「日立の樹」が知られています。この木はハワイ州オアフ島ホノルル市内のモアナルア・ガーデンズに存在します。
次の写真は今から20年ほど前にハワイを訪れたときに撮影したものです。観光客がたくさんいてモンキーポッドだけを撮影することはできませんでしたが、20年の時を経て画像処理技術が発達したお陰でご覧の通りの写真となりました。
モンキーポッドがハワイに移入されたのはハワイ王朝時代の1847年です。メキシコからモンキーポッドの種子が持ちこまれカウアイ島、オアフ島、ラナイ島、モロカイ島、マウイ島、ハワイ島の主要6島の全てで生息しています。
モンキーポッドの名前は本種の古い学名「Pithecellobium(猿のイヤリング)」に由来します。猿のイヤリングはインゲンマメの形に似たモンキーポッドの実に由来しています。
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