昭和基地開設記念日(1957年1月29日)
永田武隊長と西堀栄三郎副隊長兼越冬隊長率いる第1次南極観測隊53名、ならびに松本船長をはじめとする乗組員77名を乗せた南極観測船「宗谷」が南極に向けて出航したのは1956年11月8日です。
「宗谷」は同月15日にフィリピン沖で台風19号に見舞われました。16日に台風16号が発生し、ふたつの台風の影響で「宗谷」は38度も横揺れし搭載していたセスナ機「せちかぜ」が損傷しました。かつて「宗谷」の艦内には第二次世界大戦中に宗谷を守ったと言われる宗谷神社があり、この話を聞いていた松本船長は宗谷神社を復活させ船の安全な航行を祈願しました。同月23日「宗谷」はシンガポールに無事に到着し、「あさかぜ」の修理と補給を行った後にケープタウンに向けて出港しました。12月1日に赤道を通過し通過儀礼の赤道祭を行い、12月19日にケープタウンに寄港しました。ここで補給船「海鷹丸」と合流しました。乗員は現地の人々とともにクリスマスを祝い、同月29日ケープタウンを出航、南極へと向かいました。
迎えた1957年の正月、「宗谷」は暴風圏の真っ只中を進んでいました。このときの横揺れは62度にも達しました。暴風圏を通り抜けた「宗谷」は1月4日に氷山を発見しました。同月7日ヘリコプターで氷上偵察を行い、同月10日南極大陸の周囲を固めるバックアイス(密郡氷)帯の端に到着しました。ここで「宗谷」は「海鷹丸」と別れ単独でバックアイス帯の内部へ進みました。同月16日セスナ機「さちかぜ」が水路を発見しこれを「利根水路」と命名、「宗谷」はこの水路を進んで南極大陸へと向かいました。同月24日にこれ以上の接近は不可能と判断し、南緯69度00分22秒・東経39度35分24秒オングル島に接岸しました。この地に基地建設を決め翌25日から荷物の陸揚げを行いました。
そして1957年1月29日、第1次南極地域観測隊はオングル島に上陸し建設する基地を昭和基地と名付けました。昭和基地の建設は2月1日から始まり3つの棟と発電棟が建設されました。ここで西堀越冬隊長以下11名がここで1年間に渡って越冬しました。このときに活躍したのがタロとジロを含む22頭の樺太犬による犬ぞりでした。
【関連記事】
・南極観測船「宗谷」が南極に向けて初出航(1956年11月8日)
・南極で隕石アラン・ヒルズ84001を発見(1984年12月27日)
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