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2021年12月18日 (土)

磁石に引きつけられる金属は3種類

 磁石につくものと言えば、すぐに金属を思い浮かべると思います。しかしながら、すべての金属が磁石に引き寄せられるわけではありません。たとえば日本で使われている硬貨で試してみるとすべての硬貨が磁石につきません。

 実は磁石につく金属は鉄・コバルト・ニッケルの3種類しかありません。金属が磁石につくかどうかは、原子のもっている電子の状態で決まります。電子は自転しているため、まわりに磁界を作ります。そのため、物質の中に小さな磁石がたくさん存在しているような状態になっています。普通の物質は、この小さな磁石がバラバラの方向を向いているので全体としては相殺されて磁石の性質をもちません。ところが鉄・コバルト・ニッケルに磁石を近づけると物質中の小さな磁石の向きがそろうため磁石に引き付けられるのです。

磁石の仕組み
磁石の仕組み

 鉄・コバルト・ニッケルを含むある種の合金や金属酸化物は磁石に引き寄せられますが、これら3つの金属元素を含まない銅・マンガン・アルミニウムから成る磁石にくっつく合金が1903年に発見され、発見者の名前からホイスラー合金と名付けられました。ホイスラー合金はその構造の中で3つの金属元素が規則的に配列し自由電子のスピンの方向が一方向に揃っているという特徴があります。そのため磁石に引き付けられるのです。現在、ホイスラー合金は新しい材料として研究が進められています。

 ところで、ゴムやプラスチックの磁石を見たことがある人は多いと思います。これらの磁石はゴムやプラスチックにフェライト磁石やネオジム磁石などの磁性粉体を練り込んだものです。このような磁石をボンド磁石と呼びます。

 最近では高分子材料そのものに磁性を持たせたる研究も進んでいます。1991年に世界で初めて磁性をもつp-NPNN(p−ニトロフェニルニトロニルニトロキシド)という、極低温で磁石につく有機化合物が発見されました 。2004年には室温で磁性をもつ高分子材料PANiCNQがイギリスで発明されています 。高分子材料に磁性をもたせるには、分子中に安定な有機ラジカルをつくり、ラジカルの電子のスピンの向きを揃えます。分子間でスピンをそろえることができれば、強い磁石を作ることができます。磁石の仕組みが解明できたのだから、プラスチック磁石も作れるはずだという試みです。

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