個人タクシーの日(1959年12月3日)
日本で初めてタクシーの営業が開始したのは大正12年(1912年)8月5日です。このタクシーは当時東京市麹町区有楽町にあったタクシー自動車株式会社による法人タクシーでした。
昭和13年(1938年)、石油や物資の不足を背景に東京のタクシーの営業が混乱し始めたことにより警視庁はタクシー営業を法人に限ることとしました。最低の車両台数を50台としたことによりタクシー会社の統廃合が進み、また個人によるタクシーの営業は事実上できなくなりました。第二次世界大戦が始まると石油資源確保のためタクシーの流し営業が禁止となり、東京では空襲によりタクシーの営業は大打撃を受けました。戦後は政府がタクシー会社の統廃合を進めました。戦後の混乱の中でタクシー営業が復活しました。
1950年代の後半になり高度成長時代に入ると自動車産業も発展し、大都市を中心にたくさんのタクシーが走るようになりました。しかし、マナーの悪いタクシー運転手が増え、乱暴な運転で交通事故を起こす「神風タクシー」や不当な運賃請求をする「雲助タクシー」などが社会問題となりました。また多くの失業者が営業許可のない白タクを営業するようになりました。市民からは安心して乗れる安全なタクシーを求める声が高まりました。
このような状況の中で当時の楢橋渡運輸大臣はタクシー業界を改革するため個人タクシーの営業を認可する考えを表明しました。タクシー業界や族議員の反対を押し切って昭和34年(1959年) 8月11日に「永年の無事故・無違反の優良運転者に夢を与え業界に新風を送る」と声明を出しました。同年12月3日に日本で初めて個人タクシーが東京で認可されました。個人タクシーの初認可から50周年を迎えた平成21年(2009年)に全国個人タクシー協会が12月3日を個人タクシーの日と制定しました。
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