アポロ計画最後の月面着陸(1972年12月11日)
米国がソビエト連邦との冷戦下の宇宙開発競争で1961年に始めた米国のアポロ計画はアポロ11号による有人月探査船の月面着陸成功によって当初の目的を果たしました。その後、アポロ計画はアポロ13号を除いて月面着陸の成功を重ね、1972年に最後のミッションとなるアポロ17号を打ち上げました。
アポロ17号は1972年12月7日に初めて夜間(米東部標準時間の午前0時33分)にサターンV型ロケットで打ち上げられました。発射30秒前にハードウェアの故障によりカウントが中断しましたが軽微なトラブルだったため復旧することができ2時間40分遅れの打ち上げとなりました。夜間の打ち上げだったためロケットの航跡は遠方からでも確認できたくさんの人が夜空を見上げました。アポロ17号は無事に地球周回軌道に乗り、発射から約3時間後に月に向かう軌道に投入され12月10日に月の周回軌道に入りました。
アポロ17号のクルーは船長ユージン・サーナン 、司令船操縦士ロナルド・エヴァンス 、月着陸船操縦士ハリソン・シュミットです。ハリソン・シュミットは軍人ではなく一連のアポロ計画で初めて搭乗した地質学者でした。司令・機械船はアメリカ、着陸船はチャレンジャーと名付けられました。アメリカにはエヴァンスが残り、チャレンジャーにはサーナンとシュミットが乗り込みました。アメリカから切り離されたチャレンジャーは米国東部標準時間12月11日午後2時55分に静かの海と晴れの海の境目付近のタウルス・リトロー渓谷に着陸しました。
サーナンとシュミットは船外活動を開始し、エヴァンスは軌道上から月の観測や実験を行いました。サーナンとシュミットは月面に3日間滞在し月面車で広範囲の探査を行いました。12月11日から13日までの3日間の滞在で66キログラムの試料を採集し、重力計測を9箇所で行いました。
12月14日に着陸船チャレンジャーの上昇段が月面を離れ、司令・機械船アメリカとのドッキングに成功しました。上昇段はサーナンとシュミットおよび機器類が移動し、12月15日にアメリカから切り離され月面に衝突しました。地球に帰還する途上の12月17日、エヴァンスが船外活動を行い機械船からパノラマカメラなどの探査機器からフィルムを回収しました。
12月19日、機械船が切り離され司令船は大気圏再突入しました。そして米国東部標準時間12月19日午後2時25分に太平洋に着水した。回収船タイコンデロガのヘリコプターがサーナン、エヴァンス、シュミットを回収し3人は無事に帰還、アポロ17号のミッションが終了しました。
アポロ17号がアポロ計画最後の月面探査となり、当時としては最長の宇宙滞在時間、最長の月面活動時間、最長の月周回軌道滞在時間、過去最大量の月面試料の採集の記録を残しました。
【関連記事】
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・ケネディ大統領が月面着陸の声明を出す(1961年5月25日)
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