アワビを食べたら虹が出た
甲斐の国(山梨県)の名産品アワビの煮貝を頂きました。甲斐の国は海がありませんが昔から駿河の国(静岡県)や相模の国(神奈川県)から海産物が入ってきました。これらの海産物は産地で塩漬けや醤油漬けにされて甲斐の国まで運ばれてきました。アワビの煮貝は駿河湾で獲れたアワビを醤油漬けにして木の樽に入れて馬に運ばせたようです。馬に運ばれている間に醤油がほどよくしみ込んで甲斐の国に到着すること美味しいアワビの煮貝に仕上がったそうです。当時のアワビの煮貝は貝殻から外されて運ばれたようです。
甲斐の国の名産というと武田信玄に由来すると思うかもしれませんが資料を見る限りでは武田家で食べていたのはアワビの貝殻に身を盛った「貝鮑」という名の料理と考えられ、いわゆる産地から運ばれてきたアワビの煮貝とは異なるものであったと考えられているようです。
さてアワビの煮貝を食べると虹色に輝く貝殻が出てきます。アワビの貝殻は内側から層が重なって厚くなったものです。この層に光が当たると光の波が干渉し、色が強め合ったり弱め合ったりするため幕の表面が色づいて見えます。
アワビの貝殻が色づいて見えるのはシャボン玉や油膜の表面が色づいて見えるのと同じ原理です。原理については関連記事の「その色、どこから」で説明している「シャボン玉や油膜の色はどこから」をご一読ください。なおアワビの貝殻は何層も重なった多層膜のため干渉の仕組みは複雑です。
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