ソ連がオービタ「ブラン」の打ち上げに成功(1988年11月15日)
ブランはソビエト連邦(ソ連)が開発した再利用が可能な宇宙船(オービタ、再使用型宇宙往還機)です。
ブランはその姿が米国のスペースシャトルに似ているため発表当時ソ連版スペースシャトルと呼ばれましたが、ソ連はこの形状のオービタの構想を1960年代から持っていました。世界で初めて有人宇宙飛行をしたユーリイ・ガガーリンとブランのモックアップが一緒に写っている写真が残っています(Instituts TsAGI )。
ブランとスペースシャトルは良く似ていますが大きな違いがあります。スペースシャトルはメインエンジンをオービタ本体に備えていますが、ブランにはメインエンジンがなく姿勢制御および逆噴射用のエンジンしか備えていません。スペースシャトルは大きな燃料タンク(茶色)と2基の固体燃料補助ロケットともに打ち上げられますが、ブランは大型ロケットのエネルギアに搭載されて打ち上げられます。
ブランのオーブタにはメインエンジンが装備されていないためスペースシャトルのオービタに比べて軽量です。そのためスペースシャトより積載量を増やすことができ、大気圏突入時の速度制御や姿勢制御がしやすいという利点があります。
またスペースシャトルはメインエンジンが不調になるとオービタが危険な状態になりますが、ブランはロケットを切り離すことが可能です。ブランには搭乗員の射出座席が搭載されており、オービタが不調の場合に搭乗員が脱出できるようになっています。
1988年11月15日午前3時、ブランはバイコヌール宇宙基地から無人で発射されました。地球軌道を206分間周回した後、バイコヌール宇宙基地の滑走路に自動着陸しました。1992年にブランによる有人飛行が計画されていましたが、1991年12月25日のソ連が崩壊したことによりすべての計画が頓挫しました。
【関連記事】
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